第66期予選時の投票状況です。19人より41票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
11 | 小あじの南蛮漬け | 長月夕子 | 4 |
12 | らくだと全ての夢の果て | 新井 | 4 |
17 | 海退 | 川野佑己 | 4 |
24 | さあ、みんなで! | ハンニャ | 4 |
10 | Corruption of the best becomes the worst | 崎村 | 3 |
1 | 夏の動物 | 森 綾乃 | 2 |
16 | 糞の礼 | qbc | 2 |
20 | 顔 | 三浦 | 2 |
22 | 常連のお客様 | わらがや たかひろ | 2 |
25 | シルク | るるるぶ☆どっぐちゃん | 2 |
2 | 世界一短い推理小説(千字ver) | Et.was | 1 |
3 | 淑女渇望 | 柊葉一 | 1 |
4 | 追い風 | ハコ | 1 |
5 | ナレーション | K | 1 |
6 | 求ム、 | 翻車魚 | 1 |
7 | たけしの観照(3+9=?) | 宇加谷 研一郎 | 1 |
8 | 舌鼓 | bear's Son | 1 |
9 | ひつじ雲 | 白縫 | 1 |
13 | アイ ウォント ユー | 田中彼方 | 1 |
18 | 仮面少女 | 壱倉柊 | 1 |
19 | 車内の吐息 | 櫻 愛美 | 1 |
- | なし | 1 |
主人公の感じているままの台所の匂いや温度が伝わってきました。qbcさん三浦さんるるるぶ☆さんと迷いました。詳しい感想は後ほど。(とむOK)(この票の参照用リンク)
得意ではないが私も料理をする。魚をさばくこともある。あじの南蛮漬けをつくることもある。酸っぱくて甘辛くて塩気もあって、ひとくちかじるだけで舌にうまみが広がる。そんな満足する一品があじの南蛮漬けだと思う。冷えてもうまい。いや、夏だったらむしろ冷やしたのを骨まで食べてしまって、つかえたところをビールで流し込むのが私は好きだ。
出会ったばかりの恋人たちをシャンパンの泡にたとえるとすると、夫婦生活(あるいは長年の同棲生活)はあじの南蛮漬けのようなものだと思う。シャンパンに憧れるのが若さだが、あじの南蛮漬けがわかるようになってからが愛の始まりといっても過言ではない! とここで力説しても仕方がないか。
この作品を読みながら、作者はなかなか味のある恋愛をしてきて、今もその真只中にあるんだろうなあとおもった。料理話をメインにおきながら、洗濯ばさみのエピソードがさりげなく挿入されているのもいいと思った。
(ロチェスター)(この票の参照用リンク)
この関係性は好きではないが、良いと思う。そう思わせる書き方がきっと、良いのだろう。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
料理の具体的な過程が書かれている作品は、短編ではこれまであまり見なかったような気がします。というわけで一票。(この票の参照用リンク)
いいメルヘンだと思う。パウロ・コエーリョみたい(アルケミストしか読んでないけど)。(この票の参照用リンク)
詩のあたりはいっかい飛ばし読みしてしまったのですが、気負いなくすっきりまとまった感じが好きです。詳しい感想は後ほど。(とむOK)(この票の参照用リンク)
こういう世界で私は生きていたい、そう思いました。
迷いのない世界観は、読んでいて気持ちいいです。(八海宵一)(この票の参照用リンク)
温度、手触りの伝わってくる文章が印象的です。ラクダの言葉が、ひとつひとつ胸に響きました。泣いてないよ!
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波に洗われる感覚。詳しい感想は後ほど。(とむOK)(この票の参照用リンク)
掴めそうでちっとも掴めない。モチーフを展開する技量にくらっとします。弄ばれる快感に一票。(この票の参照用リンク)
一文一文で想像が幾重にも広がるような感覚。
そうさせてくれる文体と表現力、世界観に惚れぼれします。(この票の参照用リンク)
作者の創りだす世界に見事ハメられた、というかんじ。(この票の参照用リンク)
文章はまったくおかしなところがないので、しっかりしてんな、と一票。(この票の参照用リンク)
ハンニャさんの小説は、絵にした時の楽しさが飛びぬけてます。自分の中には、うすた京介タッチの各場面がありありと浮かびます。今期はおもしろい作品が多かったなぁ。(この票の参照用リンク)
面白さでは一番。楽しく読めた。(この票の参照用リンク)
す、すげー。すげーいっぱいいる。がたまらん。
(Чьс)
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男は死んで女は死なない。無情だ。(この票の参照用リンク)
するすると読めました。
このドライな感じがなんともいえません。
断っておかねばね。(新井)(この票の参照用リンク)
この、書かれていることのすべてが無効という感じにぞくぞくします。(三浦)(この票の参照用リンク)
「サバンナの草原、青白い月の下での、動物のセックスを、私は思った。」
欲望とそれを邪魔する理性。女性としてのプライド。理解されることのない思い。あきらめ。(この票の参照用リンク)
この地方都市臭がたまらん。
(Чьс)
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誰でも毎日うんこをする。絶世の美女も牢屋で鎖につながれていたかもしれない奴隷も生れたばかりの赤ん坊もみんなうんこをする。それは恥ずかしいことでもなんでもない。母親は赤ん坊がちゃんとうんこをしたことを喜ぶ。スカトロジストは女王のうんこを浴びて喜ぶ。それをみて、自分のうんこを浴びる男をみて、女王は喜ぶ。なのに公衆浴場でうんこを洩らすことはとてつもなく恥ずかしい。想像しただけで死にたくなるくらい恥ずかしい、目撃するのも恥ずかしい、と思う。
この話を読みながら、ちょうど私は紅茶を飲んでいたのだけど、冒頭から頭の中にうんこが風呂場にあふれかえる映像がながれてとても気持ち悪くなった。なんてひどい話なんだろうと最初は思った。風呂場で男がうんこを洩らした後始末の話なんて誰が読みたいと思うだろう?
しかしながら、うんこを書いて、生のうんこを読み手に思いおこさせることはすごい筆力だと思う。そしてこの作品はうんこがメインではなく、うんこ洩らしの後始末をめぐる人間模様の群像がテーマなのだった、と思い返すと、私は胸ぐらをつかまれて何度も壁にうちつけられているかのごとく、ショックを覚える。もっと読み返してみると、細かいところの人間の動き方が絶妙なのだった。
個人の好き嫌いを超えたところにこの作品の力があると思った。作者は自分が思っている以上にこの作品に満足していいと思う。すごい!
(ロチェスター)
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「はしゃいでいた。関さんにと名指しで渡してきたらしくそれがうれしかったのだろう。」
こまかいところで、キャラがたっている。(この票の参照用リンク)
携帯電話が顔の保証になるところなど面白かった。
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頭の中で光景を思い浮かべながら、
"畳から足先が離れる時にべりっと音がする"部分など
出てくる描写に"コワイ"と思いながらも、先はどうなるんだろうと
ドキドキ感が沸きました。(この票の参照用リンク)
ぬこがほっと温めてくれた。良い話。(この票の参照用リンク)
滑稽な話としては、ハンニャさんの『さあ、みんなで!』より一段上だと思います。(三浦)(この票の参照用リンク)
「ならお前は何が書きたいんだ? 失われた時を求めてか? 百年の孤独か? 田園に死すか?」
感想を書くために何度も読んだ。何度読んでも、面白く、そして感想は書けなかった。(この票の参照用リンク)
万雷の拍手たまらん。キュビズムだよね。
(Чьс)
(この票の参照用リンク)
一個の文の内容についての推理をしてくこの作品を読んだ後、知ること考える事について考えてしまいました。
知る事や疑問をもち考える事わいい事だなあ。と、思いました。(この票の参照用リンク)
あえてそうしたんでしょうが、全体が作り物っぽいテーストで、読みやすかった。(この票の参照用リンク)
この作品の主人公わうつ病だったんでしょうか?
幻の風にとり殺されてしまったんですか??
この作品わリアルにありそうで怖い作品だなと思いました。(この票の参照用リンク)
「もっと評価されるべき」タグを付けたい。ラストが二番煎じとか三番煎じなどという話はどうでもよく、つうか、それは短編内の話なんだから全く些細に過ぎることじゃないか。べつにツチダさんが編み出した技法でもなかろうさ。んで作品の感想に戻りますが、まあ大したことは言えないんだけど、一人語りに徹しているのが心地好いというか、「話者」と「読者」以外の不可解な存在が省かれているのが清々しい。べつのいいかたをすれば、他の作品は小説というよりテレビドラマの脚本のようで、よく知らない登場人物の台詞と動きが説明されているだけで、何をも語ってはいない文章が多いのかなと思いました。おそらくはその典型例がqbcさんの『糞の礼』で、この作品はきっと映像としては面白いのだろうけど、逆に、その映像を面白がることを強要されているみたいで、なんだかなあという気はします。作者が何を語ろうとしているのか全く掴めない。ていうか語る気あんのか。すみません言い過ぎました。今度会ったら殴っていいですよ。またまた話が逸れたのでKさんの『ナレーション』に話を戻すと、普段は上手く喋れない人(俺のようなやつ)が文章を書くと饒舌だったりする、つまり文章を書くことで声を取り戻している人の書いた小説、それが『ナレーション』だと思いました。そんでもってついでに自分のことを書くと、俺は小学生のときに放送委員を務めていて普通にべらべら喋くっていたのだけど中学から高校にかけてひどい無口になって、高校を出てから文章を書くことで声を取り戻した気がしていたから、この作品にはかってに共感を覚えたりしたのだけど、勿論のこと作者がどんな意図をもって書いたのかは知らないし、ひどい誤読をしているのかもしれない、だからKさんが普通に饒舌な人だったりしたら申し訳ない、すみません。しかしあらためて書くけど、この作品が評価されないようでは短編読者の質が知れる、というのは言い過ぎというもので、すみません言い過ぎました。皆さん俺を殴ればいいと思います。こんな感じの文章を書くと長月さんあたりから「川野くんらしくない」と言われそうだから、もっと書いちゃうけど、みんな腹に溜まっている感情とか色々を文章にぶちまければいいのに、なぜに読み手を意識してばかりいて「語り」を自ら抑制しているんだろうか。語りたいことを語ればいいのに。読み手なんか置いてけぼりでいいじゃん。酔った勢いで書きなぐった文章を投稿すればいいじゃんか。どうせ小説なんか何を書いたって恥ずかしい行為なんだから、恥の大小を気にするのは無意味だろうさ。どうせ全裸で走るなら恥部を押さえながらよたよた走るよりは全力疾走したほうが逮捕されづらいんじゃないかと思う(解りづらい比喩だ)。ていうか何の話だっけか、もはや感想じゃねー。このまま突っ走ってコメントの文字数制限に挑戦してみたいな。設定されてるんでしょうか北村さん。もしもここまで読まれていたらえらいこっちゃだ、というより恥ずかしい。セリヌンティウス。メロスは眼に涙を浮べて言った。私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。川野は、ひどく赤面した。(川野)(この票の参照用リンク)
落ちが強いと言うより、深い。インパクト勝負のはずなのに、じわりと効くこれは、何だろう。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
表題の命題の答えが面白かった。それだけでは失礼なのだろうが、それが一番の感想だった。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
いろいろな感情が渦巻いていて面白かったです。(この票の参照用リンク)
なんか気持ちがわかりました。
人間のリアルな気持ちが表現されていると思いました。(この票の参照用リンク)
一般的に学生時代にモテるのは整った顔立ちの男女であると思われる。そして社会にでると、これまた一般的には容姿よりも(男は)社会的地位だったり女は媚態の有無がモテるかどうかの決め手だったりするのではないかと思う。もちろんシブい学生は顔より知性というかもしれないし、中には金より心と本気でいう女もいると思う。ブサイクとか関係ない! という男だっているだろう。私は後者でありたいと思ってはいるけど、それだって突出した媚態の前では怪しげである。
この作品を読んでいると、主人公の女の子は典型的な学生なんだろうな、と思った。顔がかっこいい男が好きで、自分はブサイクだからつまらないと決め付けている。でもきっと耳の形はかわいかったり、豊かな太腿を隠していたりするのだ。可能性を自分でつぶしている。主人公は完璧な彼、を殺すほど好きでいるけど、いつかはその殺した彼のことも忘れてしまって、やがて現れるほどほどハンサムなエリート会社員を「完璧」と見做すようになるのだろう。「完璧」とか「最悪」とかの判断基準が自分の中から生れたものではなく、あくまでも狭い世間の標準と比べてのものでしかないことに気づかないままでいるのだろう。これは物語なのだから、どうかこの主人公にもっと広い世界を与えてやってほしいと私は思う。でもこれが現実社会のそのままの姿なんだろうな、とも私は思って、なぜかしゅんとしてしまう。
不思議と心に残った。物語だけが読み手を異次元へ運んでくれる、あの不思議なリアリティ、というものはこの作品にはまったく感じなかったかわりに、とてもアクチュアルな現実の一面をこの作品にみた。現実世界と折り合いをつけていくことだって大事だ。
最近の文学賞やいわゆるベストセラーにはこういう作品から選ばれるように思う。書き手が若く、まだ学生だったりちょっと整った顔だちで音楽などやっていたら特に。
(ロチェスター)
(この票の参照用リンク)
暗澹とした気持ちにさせられる、この閉塞感がすばらしいです。(三浦)(この票の参照用リンク)
たまにはこういうのもええんちゃうかと。ハイ。(この票の参照用リンク)
今期はどれもほどほどに面白く読んだんだけど、ほどほどだったのでなんというか、選べない。がつーんとくるようなものがなかったというか、新鮮味にも欠けたしなあ、と逡巡して無しにしました。決勝ではちゃんと選びます。(長月)(この票の参照用リンク)