第66期予選時の、#16糞の礼(qbc)への投票です(2票)。
誰でも毎日うんこをする。絶世の美女も牢屋で鎖につながれていたかもしれない奴隷も生れたばかりの赤ん坊もみんなうんこをする。それは恥ずかしいことでもなんでもない。母親は赤ん坊がちゃんとうんこをしたことを喜ぶ。スカトロジストは女王のうんこを浴びて喜ぶ。それをみて、自分のうんこを浴びる男をみて、女王は喜ぶ。なのに公衆浴場でうんこを洩らすことはとてつもなく恥ずかしい。想像しただけで死にたくなるくらい恥ずかしい、目撃するのも恥ずかしい、と思う。
この話を読みながら、ちょうど私は紅茶を飲んでいたのだけど、冒頭から頭の中にうんこが風呂場にあふれかえる映像がながれてとても気持ち悪くなった。なんてひどい話なんだろうと最初は思った。風呂場で男がうんこを洩らした後始末の話なんて誰が読みたいと思うだろう?
しかしながら、うんこを書いて、生のうんこを読み手に思いおこさせることはすごい筆力だと思う。そしてこの作品はうんこがメインではなく、うんこ洩らしの後始末をめぐる人間模様の群像がテーマなのだった、と思い返すと、私は胸ぐらをつかまれて何度も壁にうちつけられているかのごとく、ショックを覚える。もっと読み返してみると、細かいところの人間の動き方が絶妙なのだった。
個人の好き嫌いを超えたところにこの作品の力があると思った。作者は自分が思っている以上にこの作品に満足していいと思う。すごい!
(ロチェスター)
参照用リンク: #date20080331-143120
「はしゃいでいた。関さんにと名指しで渡してきたらしくそれがうれしかったのだろう。」
こまかいところで、キャラがたっている。
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