第13期予選時の投票状況です。20人より45票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
23 | 司書の仕事 | 林徳鎬 | 5 |
27 | 月下無明 | 野郎海松 | 5 |
16 | (削除されました) | - | 4 |
10 | (削除されました) | - | 3 |
17 | 「放屁倶楽部」 | 五月決算 | 3 |
26 | 雨 | 曠野反次郎 | 3 |
3 | 英会話入門 | のの字 | 2 |
8 | ペイント慕情 | 味噌野 芳 | 2 |
15 | 蝶の蒐集 | 朝野十字 | 2 |
18 | 半焼の家 | 戦場ガ原蛇足ノ助 | 2 |
21 | 池 | ワラビー | 2 |
22 | 再会の夜 | 赤珠 | 2 |
1 | あの日 | 長月夕子 | 1 |
2 | 白鍵 | raspy | 1 |
7 | 髪を染めるな | Shou | 1 |
9 | (削除されました) | - | 1 |
11 | 恋人 | サトリ | 1 |
13 | 縁側の攻防 | Nishino Tatami | 1 |
14 | 離愛 | クンニスト・マンクサー | 1 |
19 | ガラスケース | るるるぶ☆どっぐちゃん | 1 |
20 | 渡海譚 | (あ) | 1 |
25 | 幸せなら蚊を叩こう | 朽木花織 | 1 |
ほぼ状況のみの描写だけど、その世界には不思議と魅力がある。既視感があるので、評価するのに迷いがあったけれど、読後の感覚に素直に従って、投票します(この票の参照用リンク)
図書館って「物語が置いてあるところ」という話をよくみるけど、本当は歴史とか博物の書なんかのほうがずっと多いと思う。人の歴史に愛の詩があるのはいいよなあ。(この票の参照用リンク)
深夜の図書館という不気味で不思議な空間という設定は、
図書館の歴史を記した本の奇妙なルールや、
それが引き起こす奇妙な事態をすんなり受け入れさせてしまう。
結末も、深夜の図書館に相応しい静かなまとまり方で好き。(この票の参照用リンク)
抽象的というか観念的というか、読む方がそれなりに頭を使う作品だが、図書館の描写にしてもハートの描写にしても、決してちんぷんかんぷんになるようなことはないので、不親切ということもない。短いなりの頭の使わせ方を心得ているように感じる。(この票の参照用リンク)
独特の表現が輝いています。
今回のトップ3に欠かせないんではないでしょうか。
おもしろかったです。(この票の参照用リンク)
なんと言うか、雰囲気が好み。(この票の参照用リンク)
ウェイ・イーが主調低音として効いています。多分もう一つ多ければ、悪達者にもなってしまうところを、ちゃんと抑えているところはさすがです。
ウェイ・イーの醸し出す音色は哀しさであり、ふるえるような「月の光の粒子」に投影されています。(この票の参照用リンク)
正直、ビジュアル的に『月』には弱い。
しかしこの話は、月の魅力に寄りかかったものではないと思う。
内容も1000字向けの話のようで、綺麗にとまとまっている。
2000字あったら冗長になったのではないだろうか。
古傷のくだりも良かった。しいて言うなら、
タイトルはもう少し話のイメージに近いものにした方が
良かったかも知れない。(この票の参照用リンク)
物語! という感じの作品です。世界を格好よく作りきっています。きちんと読者に奉仕するようにわかりやすく書いてあるので、後はそれを堪能すればいいだけで。心地よく酔わせてもらいました。(あ)(この票の参照用リンク)
雰囲気にノックアウト。「私」がウェイ・イーの名を何度も呼ぶのが気に入っています。主人公の右肩の古傷というのは彼に付けられたものなのでしょうか?(この票の参照用リンク)
久遠氏の書く文章は妙に型にはまっていると感じることが時々ある。この話に出てくる男の「おら〜だ」という喋りもものすごくありがちな田舎男の口調であり、それはどうだろうと思ったりもするのだが、それは別にしてこの作品は話が良かった。最後、『二度と「裏返りの術」は試さなかった』というところは、さすが仙人(長生きの秘訣?)。(この票の参照用リンク)
そもそも私は、こういう仙人系の話が好き。
そう。仙人と言っても何もかも悟っている訳でもなく、こうして予想外のことや失敗もあるんだ。
術の体得を志願してきた男は、ある一点でのみ仙人を超越したんだろう。仙人のおびえと戸惑いが面白いと思った。(この票の参照用リンク)
もう寝る。けど寝る前に投票。これはいい。後でもいいけど久遠さんに質問。なぜ敢えて方言的に書いたか?
しかしこれはもう神話素ってもいいくらいアーキタイプっぽいネタででもそのわりに新鮮味がだせてる。(この票の参照用リンク)
キャラクターが立っている。(この票の参照用リンク)
何ということもないたわいない会話が続いていき、この二人はけろっとしている。疑問など露ほども感じていない。それだからこそ読んでいて、人生の遣る瀬無さが伝わってくる。いいですね。あか抜けした作品です。
公立キッズが最高だと思っていたのですが、がらり変わった作風でぴたりと決めてしまうあたり、心憎いばかりです。
末尾のセリフは、もしこれがなければ作品が成立しないほど効いています。(この票の参照用リンク)
とにもかくにも、お楽しみ要素がたっぷりの海鮮丼なのである。関西弁も良し。アンウケイレラレルブ=受け入れられへんわの遊び心も良し。キュウリの薀蓄も良し。コロはちょっと頂けない。男がボケてみせ、女がツッコむという会話の妙に加えて、これはある意味「しょうがないなぁ」的な恋愛の妙味なのである。素直に恋愛話だとも言えるし、恋愛話ではないと言っても良い。何せ正体は海鮮丼なのだから、目につくところからパクつけば良いのである。そして非常にスカした選曲だ。だがスカしもしない選曲に価値なんてあるのかってことだ。ジャズですか? 遊び心買い。もっと楽しめよ、もっと楽しませろよ、というメッセージが聞こえる。(この票の参照用リンク)
作品の背景と大阪弁らしい会話のテンポの良さが読んでいて楽しい。ただ、挿入してある歌詞の(作品に及ぼす)意味や効果が分からなくて推薦しようか最後まで迷った(とーの)(この票の参照用リンク)
好みの内容じゃないし、どこかで見た感じもするけど、どうしても記憶に残ってしまって忘れられない作品なので、一票を。(この票の参照用リンク)
予定調和の心地よさ。(この票の参照用リンク)
発想がユニーク。男をよくとらえている(この票の参照用リンク)
どういう感想を書いても、違うように思える。難しい。
牛鍋を前に酒を飲む男と、何者か判然としなくなっていく女と、
雨粒のない雨。
何がどうなってるのか次第にわけが分からなくなり、
それをわけが分からないままで扱っていて、
それでも良いというか、それが良いというのが凄い。
発想が相変わらず凄い遠投(離愛)と迷ったが、こちらに一票。(この票の参照用リンク)
すいません、やや依存症気味です。でも長くて読み応えのあるリズムのいい文章をこうも堪能できると、やっぱり投票しちゃいます。今回はシチュエーションもよく。いつも声を出さずに音読してます。(あ)(この票の参照用リンク)
牛鍋おいしそう、ではなく。同じようなやりとりを繰り返した後に、女が目で訴えるのは強烈なインパクト。そしてその様を見つめる山盛りのちぎり蒟蒻に哀愁が漂っております。(この票の参照用リンク)
読むということにも調子があって、体調が悪いと、なかなか文章があたまに入ってこないのだが、この作品は、すんなり読めて、しかも笑えた。最後のオチがストレートで面白みに欠けるのが難。ここでもう一つひねったら傑作だと思う。(この票の参照用リンク)
いましたいましたこんな先生。隣の人が「つまんないわこの先生の授業」と言っていたのを思い出します。細かいことを気にしなくなる前に、細かいことを気にしろと。いやはや。(この票の参照用リンク)
念のため推しておきます。。(この票の参照用リンク)
色々書きましたが、マンクサー氏の変種という分類もできるかと。
それは置いておいて、この作品は何かを伝えようとしていると強く感じました。自分の場合正直全部は受けとめられませんでしたが、多様でかつイメージを惹起させる、手垢のついていない斬新な言葉から、新しい感覚のところへ連れて行ってくれそうな予感がしました。結局この作品が一番印象に残りました。(あ)(この票の参照用リンク)
「月下無明 (野郎海松) 」にするか「蝶の蒐集 (朝野十字)」にするかの迷った。
どっちにしよう。両方はダメかなぁ。う〜ん。
で、倒錯した性をあからさまでない表現で感じさせる蝶に1票。
月が好きだから「月下無明 」にも票を入れたかった。終わり方も好きだったし。
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好みが分かれるところかも知れないが、だったら好みで投票するぞこのやろう、という気分である。AゆえにB、であるからこそしてCなのだ、という理路整然とした支持票を書くのも大好きだけど、たまには野性のままに「いっちゃえー!いっちゃえー!」とプッシュしちゃいたんだこのやろう、という気分である。何が良いのか? ラストは良くない。ってゆうか好みではない。それでも投票するのはなぜなのか? 朝野作品にことさらラブなわけでもない。ってゆうか、とにかくこの作品に投票させろよこのやろう、という気分なのである。ガラ悪くてすみませんね。小さじ一杯の調味が抜群なのである。(この票の参照用リンク)
やっぱりワラビー「健在者」と併せて読んでみて欲しい。いい。(この票の参照用リンク)
外連味のない、そのまんまの可笑しさが気持ちいい作品。(とーの)(この票の参照用リンク)
これも素朴でいい。この小説はおそらく「私達似た者同士ね」という言葉(意味ってわけでもないんだなあこれが。音であると同時に言葉でもありまた呪文の様でもある)になにかまつわれるか?の実験みたい。実は私のフライミーもあのメロディー/歌詞世界になにかまつわれるかという発想で……(この票の参照用リンク)
正直に言って分かりません。分かる必要もないです。何かにピンと来たら、それでこの作品を推す理由は十分です。わけわからんちんの作品とこういう飄々とした作品を分かつものが一体何なのかなんて、それが分かってたらとっくに優勝してます。とにかくピンとくるものがあるのです。もしかしたら数年後、ある拍子に突然何かのメッセージをこの作品に発掘してしまうかも知れない、そんな感じです。作者が意図したものかどうかなどは関係ありません。主役は私です。作者の意図など知らんという感じです。空に意図などない。海に意図などない。結局、そこに投じる「思い」が大切なのです。究極的には好きかキライかで好きです。(この票の参照用リンク)
「俺」と「私」の一人称の語りで構成される内容は、よく比べてみると本当に鏡に映したように対応している部分が多くて、相当しっかり作り込んでいると思った。しかし読者は一字一句記憶しながら読むわけではないから、なんとなく綺麗だなと漠然とした印象をまず抱くわけである。汚らしい作品が横行した今期で、キラキラした輝きがよかった。(海坂) (この票の参照用リンク)
状況が好み。光景が浮かび、ちょっと切なくなった。
しかし文章自体には改善の余地がありそう。
年齢がいまいち謎なのがおもしろいと思うが、それにしてもちょっと幼稚な感じがする。
わざとなのかもしれないが。(この票の参照用リンク)
自ら設定した状況に、作者として真摯に取り組んだ様子がうかがえた。けれんもはったりもなく、自分の想像の眼に見える情景だけをしっかりと描こうとする姿勢を評価したい。晦渋な用語・謎掛けで何を読ませられたのか判らない文章が横行した今期で、真っ正直さが印象にのこった。(海坂) (この票の参照用リンク)
2 白鍵 raspy
今回はこれだけかな。文体もいいし内容も実は好みだ。著名な古典の下敷きがあるような感じがするがその辺作者に聞いてみたい。後は、比較してよいものをさらに二編、機械的に選ぶ、というのもひとつの考え方だが、しかし、一票を投じるには、それなりに一定以上のインプレッションがなければできないものなのである。(この票の参照用リンク)
秘められている意外性がいい(この票の参照用リンク)
未来未来していないのがよい。
はじめはクローンだとは思わなかった。
もう少し詰めたほうがいい部分もあると思うが、ノスタルジックな雰囲気が
最初から最後まで貫かれているのは好感が持てる。(この票の参照用リンク)
愛憎の深みを剔抉して見せてくれている。奇を衒ったようなものではない、すぐれて冷静な文学です。(この票の参照用リンク)
際立ったところがあるわけではないけれど、男二人の他愛無いやりとりを気軽に読み、楽しみました。今期においてはそんなふつうの面白さが貴重でした。(この票の参照用リンク)
今期は「わかりにくい」といわれる作品が物議を醸したが、この作品はわかりにくい描写を効果的に使う好例といえるのではないかと思う。(この票の参照用リンク)
こういう雰囲気の作品が好きです。(この票の参照用リンク)
これは面白く読みました。
真はもう間もなく海を渡れるようになる。海を渡れない時代の最後の日々。
何故、母と女先生の仲が悪いのか。真クン。それをすぐ判るようになってたら、きみはもっと早くに海を渡れたんだよ。
父の声が聞こえただろう?「もう大人だろう?」って。(笑)(この票の参照用リンク)
いろいろな事を想像させられる作品だった。この姉弟は幾つくらいか判らないが、姉が弟に「宿題やりぃな」などと言うとすれば、普段から親代わりのようにして世話を焼いているのだろうと思われ(おそらく母親は働きに出ているのだろう)、古い扇風機だの、ゆがんだ家だの、ガムテープも無いという描写からは一家の暮らし向きもわかる。
私的な感想にも書いたが、ここに関西弁の会話と、「地震」と、蚊の話の親を殺されて云々というのをつなげると、私には阪神大震災で父親を亡くしたという背景が見えてきた。当たっているかどうかは判らないが、それで筋は通る。通るとすると、一切そういう事を書かずに、何気ない夏の光景を描写しながらそれだけの情報を含ませるのは、相当の技巧である。思いつきを書き殴ったとしか見えない作品が横行した今期で、小説一つ読んだ充実感が印象にのこった。 (海坂)(この票の参照用リンク)