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第13期予選時の、#25幸せなら蚊を叩こう(朽木花織)への投票です(1票)。

2003年9月7日 16時38分23秒

 いろいろな事を想像させられる作品だった。この姉弟は幾つくらいか判らないが、姉が弟に「宿題やりぃな」などと言うとすれば、普段から親代わりのようにして世話を焼いているのだろうと思われ(おそらく母親は働きに出ているのだろう)、古い扇風機だの、ゆがんだ家だの、ガムテープも無いという描写からは一家の暮らし向きもわかる。
 私的な感想にも書いたが、ここに関西弁の会話と、「地震」と、蚊の話の親を殺されて云々というのをつなげると、私には阪神大震災で父親を亡くしたという背景が見えてきた。当たっているかどうかは判らないが、それで筋は通る。通るとすると、一切そういう事を書かずに、何気ない夏の光景を描写しながらそれだけの情報を含ませるのは、相当の技巧である。思いつきを書き殴ったとしか見えない作品が横行した今期で、小説一つ読んだ充実感が印象にのこった。 (海坂)

参照用リンク: #date20030907-163823


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