第23期予選時の投票状況です。22人より50票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
9 | マニュアルどおりではない、ちょっといい接客 | 桑袋弾次 | 5 |
22 | お金の話 | 海坂他人 | 5 |
27 | ひまわり | るるるぶ☆どっぐちゃん | 5 |
11 | コードレス | 野郎海松 | 4 |
16 | 清貧 | 戦場ガ原蛇足ノ助 | 4 |
28 | 落日の機械 | 曠野反次郎 | 4 |
6 | うまく笑うことができなかった | 逢澤透明 | 3 |
7 | ベランダ | 長月夕子 | 3 |
21 | カンナの咲く道 | 真央りりこ | 3 |
14 | 人妻コンサルタント | 江口庸 | 2 |
18 | 海から | 川野直己 | 2 |
24 | (削除されました) | - | 2 |
2 | カワイコちゃんはトイレに行かない | Shou | 1 |
4 | うさぎ | イツカ | 1 |
8 | ドール・ハンター | 黒木りえ | 1 |
17 | 薄暗いバーにスカイブルー | 神差計一郎 | 1 |
20 | 肉の果実 | 森栖流鐘 | 1 |
23 | 神崎さんと僕とマナミ | 朽木花織 | 1 |
25 | 月の階段 | 川島ケイ | 1 |
- | なし | 1 |
女、というのがどのくらいの年齢なのか、老人、老婆と比較できるように、ある程度年齢がわかる描写があるといいかな、と思ったのは、始め四十代くらいの人かと思って読み進めたら、男が女の笑顔を思い浮かべやがったせいで、自分がちょっといやな気分になってしまったから。
コンビニの店員で妙に親切な人というのは、こっちに何を期待しているのかよくわからないので不気味である。まあ、単にそう振る舞っている方が楽な人なんだろうけど。(この票の参照用リンク)
タイトルはいかにもネタバレしそうな雰囲気だったが、そんなことはなく、上手かった。上手い人だと思う。いいセンスをしている。(この票の参照用リンク)
こんな接客をしたかった。元コンビニ店員。(この票の参照用リンク)
タイトルはどうかと思うが、下劣にならぬ何ともいえぬ妙味があり、次回作も大いに期待したいと思います。(この票の参照用リンク)
いいな、こんなお店。
いってみたいよ!(この票の参照用リンク)
想像力とは別に突飛なことを考えることでは無く、強烈に思考することのはずで、その点からすると、この作品は実に想像力に溢れている。読み返すたびにくすくすとクるのです。お金が出て来て嬉しい夢が→実に絶妙に設定された数字群を経て→無意識に潜り込んでいた喪失感、という言葉に着地するのは、解剖台の上でミシンとこうもり傘が出会うよりもずっとショッキング。シメもまた絶妙。モジモジと悩んでいる感じが、とても良い。今期は全体的に前期に比べてパワーダウンが目立つ中、この方は久々の本領発揮というところでしょうか。今期は海坂さん一点買いで。(この票の参照用リンク)
私が思うに、男性であるところの諭吉氏は男性の象徴であり、ものをしまう機能を持つ財布は女性の象徴……とかやってると怒られそうだからやめますが、毎晩そんな楽しい夢を見たいものであります。わけてください。(この票の参照用リンク)
入れるかどうかを迷いましたが、入れることにします。
このかたの語り口の、潔さと停滞の混ざり具合が、今回取り上げられたお金というものに対してよい方へ働いていると思う。(この票の参照用リンク)
うんうん、よく分かる、の共感一票。
文章が丁寧なのは言うまでもないことですが、
「青緑色の苔の間から〜具合である」
なんて、お札に使用する比喩としては美麗すぎます。ノックアウト。(この票の参照用リンク)
今期は「上位6作」って感じなんだなあ。だから3作を泣く泣く落とさざるを得ず、2×3の戦いで考えた。「カンナ」と比するべきは「お金の話」ではないかと考えた。どちらも「日常生活の小景を切りとった」という感じである。エッセイか創作かなどというのはまあドーでもいい話で、実は海坂さんのが創作でカンナが実在の人物の話かも知れないのである。で、今回、難しいが。カンナは一体だれが読むのか?という点がポイントになった。カンナを書いている人には一切「疑念」がないと思う。そういう話なんですよ、というような感じ。書いた前後で作者の内面というか思想的な転回というか葛藤というかそういう感じがないと思う。エンターテイメントといえばそれまでかも知れないが、なんかそういう感じ。「お金」は、一件淡々としいるように見えて、そもそもそういうシチュエーションを生む、人間とはなんであるかという問いへの探求の志向があると思う。「金を数える夢を見てしまう’人間存在とは何なんだ’」という。それは作者自身の個性としての人間性に留まらず普遍的な人間観を見据えているように思う。(この票の参照用リンク)
俗っぽい「ジャイ=アーンツ」のおかげで詩的な部分がいっそう際立っています。楽しかった。(この票の参照用リンク)
壊してきたなあ。これはやられてしまいますね。(この票の参照用リンク)
もはや、この作品に対するなにか意味のある言葉を私は見つけられない。ただ、ああ面白いなあ、すごいなあ、楽しいなあ、と思うだけである。(この票の参照用リンク)
こちらは「ひまわり」対「コードレス」。一転して、言うことが真反対であるようだが、こちらは「ひまわり」の方が面白いという理由で。この対決は「自由/枠なし」対「拘泥/執着」という感じで、まあ言い換えればパラノイア対スキゾフレニーでもいいんだが。
「コードレス」もいいのだが、孤児の主人公の内面性(つまり孤児とかそういうとこへのこだわり)と、作品を蔽う思想というか枠組み(孤児とはどういうことか?というような)が一致している。本質と形相が一致しているんだな。こだわり同士で。
一方、「ひまわり」は面白い。物語自体はまったく自由な非現実的なる想念というか発想の発露でありながら、ソーユー事を書く人、自由人、
アウトローってか孤高っぽい感じの人が、何をまた好き好んで1000字なんて不自由な枠組みをえらぶのか?
この作者がそもそも「短編」に投稿するという行為自体が一種のパフォーマンスだ。(この票の参照用リンク)
ジャイ=アーンツって。(この票の参照用リンク)
創作として、いいと思うのです。
タクミの発言や、所作の表現、そこから受ける感情がスパッとしている。
語り手が彼をものすごく他人事のように見てるけども、いい距離を選んだと思う。(この票の参照用リンク)
良くできているとはいいがたいが、けれども、なにか心に引っかかるものがあった。コードレスと呼ばれるタクミに対して、突き放しそうでそうでなく、微妙に矛盾した関心を示す語り手の存在が不思議な魅力になっている。ただ、もっと上手くできそうな気がする。(この票の参照用リンク)
タイトル、内容を読んでもう一度タイトルに戻った時に、じんときた。(この票の参照用リンク)
読後感がたのしめました。(この票の参照用リンク)
他の作品や作者の過去作品と比較して「これはこれでなかなか」と思わせられる作品は幾つかありましたが、作品のみで面白いと思えた作品はこれだけでした。なので今回は一点買いで。(この票の参照用リンク)
エロくて不謹慎なものになりそうなネタなのに、それを微塵も感じさせなかったのが面白いと思いました。意図してか自然とそうなったのかはわからないんですが。
「ドール・ハンター」と並べて読んでみると面白いと思います。こっちは逆にエロいのがいい。(この票の参照用リンク)
オチが良くできている。最後にひねりが利いて、タイトルの「清貧」が皮肉となってひきたつ。ただ、いかんせん弱いのは、売られる若い娘や店の主人がどんな人間かいまいちキャラが立っていないからだろう。とはいえ、面白かった。(この票の参照用リンク)
嫌いじゃないです。(この票の参照用リンク)
#28 割とおもろいね。(この票の参照用リンク)
これは外せないかな、と。うん、これは外せない。8票くらい集めるんじゃないか。(この票の参照用リンク)
最もシビアな対決で「機械」対「清貧」。これはねえ、「読後の感想」としては甲乙つけがたい。どっちもいい。
しかし、書き方で圧倒するのが「機械」。感想にも書いたが、
・起承転結
・序破急
・(黒木さん得意の)怒涛の一直線独白
といような単一構造、三部構造、四部構造の既存の構造に、双の構造をというか書き方を提案したように思う。面白い。短編でこそ通用するオリジナルな様式だろう。
そうそう、様式という言葉を使うべきだった。「様式美的魅力がある作品」というべきだろう(この票の参照用リンク)
「そすると」は脱字か故意なのか判らないけども良かった。(この票の参照用リンク)
私的感想を書いていたら投票を落としそうになった。危ない危ない。
今期は質量ともにボリュームが増えた感じで、三つ選び出すのに苦労した。何回か組み替えたりしたが、この作品だけは動かなかった。恋人の片方が事故で死んでしまうというのはよく見る題材ではあるが、さすがに作者独自の神経が働いていて題材負けしていない。今期の代表作の一つと思う。(海)(この票の参照用リンク)
死んだ直後だとあまり感傷的になることもなさそうではあるので、うまく笑うことができなかった、くらいの抑制の利いた表現は的確なところだと思った。
ただ、天使は美女か美少女であって欲しい、そうでないと死んだときに困る、ので、彼は地獄に行くのだと決めつけて読んでおいた。餓鬼というのもいるし。(この票の参照用リンク)
筋立て自体は、よくあるものですが、ラストがとても良い。なぜかじわりと泣きそうになります。さりげなくツボをつかれたような感じ。こういうのって書けそうでなかなか書けない作品だと思う。(この票の参照用リンク)
落ち着いてみればそう意外な展開でもないのですが、はじめに読んだときは見事に裏切られました。これからの二人がどうなっていくのか楽しみでもあります。(この票の参照用リンク)
#7 意外といいかも。(この票の参照用リンク)
読書好きでやや暗い少女が、やんちゃで型破りな少年と出会ってどうこう、という状況にはどうも既視感があるのだが、不覚にも作者の仕掛けに取り込まれて、主人公と一緒になってドキドキしてしまったので、投票しておくことにした。わかりやすくて良い作品である。(海)(この票の参照用リンク)
穏やかでとても温かい。味噌の匂いもいい。
ぼけてくおばあちゃんが日々考えていることが、こういうふうだったらいいなと思う。
作品を包む雰囲気が一貫していて、愛情のようなものすら感じた。(この票の参照用リンク)
これは自分のことかも(笑)と思いながら読んでいったら、最後で、あ、と。景色がぐるりと回るような感覚。オチというよりは時空の変化のようで、どこか詩的でもありました。おかしくて哀しい、とても良い作品だと思います。(この票の参照用リンク)
読者の立場になって短編を読んでみると、一読者である私が求めているのは、あくまでも私のための物語であって、あなたたち(作者)の欲求不満な心情なんて知りたくない、と思った。あなたの物語であり、同時に私の物語となってくれるそんな短編はないだろうか? で、真央りりこ。
真央りりこさんの作品は、とてもやさしい感じがした。人の肉を食べたり、人間が機械になったりしない。自意識過剰に自分を語るわけでもなく、普通の日常生活(本屋へ行き、忘れものをし、受験をひかえた娘と会話する)から物語ははじまる。が、最後まで読んだときにやってくる大どんでん返し! 実は、私は最初意味がわからずに何度か読み返した。やっと話の意味がわかったとき、幸せな味噌汁の匂いと、老いることの哀しみと、そしてカンナの咲く道の情景が私の胸をいっぱいにした。(この票の参照用リンク)
宮崎のダンディズムにしびれました。(この票の参照用リンク)
#14 げろげろ好み。がんばれ江口庸。毎回予選落ちでも、おれは応援しているぜ!(この票の参照用リンク)
目指す方向性が違う作品が集まる中で、今期ダントツなどと書くのは気がひけるが僕にとってはそういうことになる。(この票の参照用リンク)
すべては海から、川の低い方へ。目指していたのは川だった。だから海へとこぎ出して「戻ってくるよ」と言ったのだ。その一言が、この話の真実であるように思った。(この票の参照用リンク)
私の好きな文章で、私の好きな話だったから。(この票の参照用リンク)
「竹とんぼ(瑕瑾)」に投票します(選択肢に入ってなかったんでここに書いておきます)。
子供の頃は「あの世」と「この世」の境があやふやな感覚が確かにあったような気がして、大人になってしまうとそんな感覚も無くなって何ともつまらない。ああ、子供に戻りたい。
惑わされつつ、親子の会話がよくって、惹かれてしまいました。(この票の参照用リンク)
正直この作者様の作品に票を入れることになろうとは
ついぞ思わなかったわけですが。
書き方が面白い、勢いがあってよい、いい具合のふざけ方です。(この票の参照用リンク)
切ない感じがする(この票の参照用リンク)
すごく印象に残った。(この票の参照用リンク)
落ち着いて、安心して、浸れる文章。文章が情景を裏切らず、情景が文章を裏切らない。それを陳腐と呼んでしまえば、ダイヤモンドだってただの石だ、ということだ。「いつでも妻は買い物をしたがり、男はそれを待つ役目であった」「美しく老いた女は」が秀逸。(この票の参照用リンク)
僭越ながら私の今期の奨励賞。表現は粗削りだが読者を引き込む勢いがある。骸骨が街を集団で闊歩しつつ人間を食らうという風景は、なんだかヨーロッパ中世を思わせ、作者じしんワクワクしながら楽しんで書いているのがわかる。この上は自作を読み直す「読者の眼」をさらに鍛えていただければと思います。(海)(この票の参照用リンク)
それぞれの生がある一カ所で絡んでそして離れていく。せつないなかに愛しさを感じた。(この票の参照用リンク)
面白かった。
こういう話をもっと読みたい。(この票の参照用リンク)
面白い作品がなかったので。
作者は書いてて楽しかったのかなあ。←前期もこう書いた気がする。(この票の参照用リンク)