第23期予選時の、#21カンナの咲く道(真央りりこ)への投票です(3票)。
穏やかでとても温かい。味噌の匂いもいい。
ぼけてくおばあちゃんが日々考えていることが、こういうふうだったらいいなと思う。
作品を包む雰囲気が一貫していて、愛情のようなものすら感じた。
参照用リンク: #date20040708-002417
これは自分のことかも(笑)と思いながら読んでいったら、最後で、あ、と。景色がぐるりと回るような感覚。オチというよりは時空の変化のようで、どこか詩的でもありました。おかしくて哀しい、とても良い作品だと思います。
参照用リンク: #date20040703-230449
読者の立場になって短編を読んでみると、一読者である私が求めているのは、あくまでも私のための物語であって、あなたたち(作者)の欲求不満な心情なんて知りたくない、と思った。あなたの物語であり、同時に私の物語となってくれるそんな短編はないだろうか? で、真央りりこ。
真央りりこさんの作品は、とてもやさしい感じがした。人の肉を食べたり、人間が機械になったりしない。自意識過剰に自分を語るわけでもなく、普通の日常生活(本屋へ行き、忘れものをし、受験をひかえた娘と会話する)から物語ははじまる。が、最後まで読んだときにやってくる大どんでん返し! 実は、私は最初意味がわからずに何度か読み返した。やっと話の意味がわかったとき、幸せな味噌汁の匂いと、老いることの哀しみと、そしてカンナの咲く道の情景が私の胸をいっぱいにした。
参照用リンク: #date20040701-152027