第15期予選時の投票状況です。19人より49票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
14 | 大瑕瑾 | ツチダ | 8 |
16 | 総菜屋の猫 | 戦場ガ原蛇足ノ助 | 5 |
29 | スクリーマーズ | るるるぶ☆どっぐちゃん | 4 |
4 | 裸の男 | のの字 | 3 |
17 | 虫嫌い | Nishino Tatami | 3 |
2 | 闇と田中 | Shou | 2 |
11 | 真夜中のケーキ | マーシャ・ウェイン | 2 |
15 | 裾野 | ユウ | 2 |
21 | (削除されました) | - | 2 |
22 | (削除されました) | - | 2 |
23 | カイロ哀歌 | 五月決算 | 2 |
28 | 猫 | 逢澤透明 | 2 |
1 | 遠い日の花火 | 長月夕子 | 1 |
3 | 発明父さん | 三浦 | 1 |
6 | 駅前の整形外科 | 安南みつ豆 | 1 |
7 | ドライブ | こめとりうを | 1 |
8 | 小麦粉 | 荒井マチ | 1 |
9 | シルエット | みかりん | 1 |
12 | 夢 | 赤井都 | 1 |
13 | ある試験の日 | 朝野十字 | 1 |
18 | スタート | 西直 | 1 |
25 | 夜空のむこうの黄金世界 | 赤珠 | 1 |
27 | 反面教師 | 朽木花織 | 1 |
30 | 古いアパート | 曠野反次郎 | 1 |
内輪ネタ、という感じはぬぐえないが、面白かった。
仕方ない、笑えたんだから。(この票の参照用リンク)
内輪ネタなので投票しないほうが良いのかもしれませんが、もう上手いし面白い。ラストの二行に、ここまでやるのかこの人は、と思った。(この票の参照用リンク)
むちゃくちゃな作品ではある。これがもし予選を通ってさらに優勝などすれば『短編』の歴史に残る訳だけれども、将来何のことだか判らなくなる恐れは大いにある。
しかし逆に『短編』のある一時代を記録するにも意味のある作品かも知れない。それは『短編』が今後いかに存続し成長していくかに懸かっていると思うので、作者・読者の皆さんそれぞれに頑張って頂きたい。
同時代の我々から見てさえ破綻しているというか、純論理的には何だかよく判らない所もあるが、そこがまた面白いというのは不思議な作品である。(この票の参照用リンク)
瑕瑾さんという存在を知らない外部読者にはちっとも面白くないだろう作品なので、予選通過作に残すのはどうかと思うのですが、笑ってしまったからしょうがない。
面白すぎ。(この票の参照用リンク)
大瑕瑾とカイロ哀歌で悩んだ。どっちも同じようななんというかあれであるあの素材ってか。しかし自分と使い捨てカイロ如きとを比べている自分に愕然としてなんぼなんでも自分である。
(でもカイロもいい)(この票の参照用リンク)
言葉のセンスが何か、凄い。はっちゃけててすげー。(この票の参照用リンク)
おもしろかった。言葉のリズムとかはちゃめちゃなところが、ほかにはない作品だと思いました。主体と客体が分からなくなってしまうような危うさが◎(この票の参照用リンク)
これはおもしろい。ものすごくおもしろい。「身内ネタだ」と締めるのはもったいない。まさしく大瑕瑾。しかし瑕瑾のセンスが良く、瑕瑾であることの面白さも同居している。たいへんに贅沢な造りにおなかいっぱいなので、『大瑕瑾』に投票する。おもしろかった。(この票の参照用リンク)
日常の何気ない風景のもつなにかを現すのが上手いと思う。(この票の参照用リンク)
いつもながら「上手いなぁ」と思う。ただ他所でも言われていたことですが、こじんまりとしている感じ。次回への期待も込めての票。凄いのをお願いします。(この票の参照用リンク)
>要するにそういう話だ。
って僕が使いたかったわーん(この票の参照用リンク)
この作品も、「裸の男」と同じようなちょっと以前のどこにでもあるような商店街が舞台。そうかぁ、2編も同じような舞台を選んでいるってことは、私はこういう商店街の話が好きだったのか。(この票の参照用リンク)
猫の存在を通じて、商店街が寂れていくこと、生き物が年をとることの悲しさがうまく描けていると思います。
廃れていくものの中で猫だけがいつまでもそこにいて、この猫はずっと死なないのだろうか、と神秘性を漂わせているところもよかったです。単に、とても長生きなだけかもしれませんが。
「要するにそういう話だ。」はなくていいかも。(この票の参照用リンク)
おもしろーい。線を真っ直ぐ引きたいという欲望が「女の子は可愛いね」のひとことで脇に除けられてしまうところとか。それはそれとして線も引けばいいじゃん、と思わず突っ込みたくなります。いきなり皆でソフトクリーム屋に向かって途中で葬列とすれ違う、という展開もスゴイ(この票の参照用リンク)
女の子ってカワイイと思いました。(この票の参照用リンク)
「アイ/スクリーム」で、「スクリーマーズ」というダジャレ。真ん中のおしりをたたくシーンの唐突さ。普通こういう場合、僕は「ああ、ここが駄目だなあ」と思うはずなのだが、その駄目なことをやっていて、しかし、そこがかっこいい。小説あるいは文章というものの規則というか約束ごとを、無邪気なふりして壊したり逸脱しながら、そうするからこそ描ける、生きることの刹那さや滑稽さを軽々と描いている。(この票の参照用リンク)
パンツと自分とを比べている自分に愕然としていやなんぼなんでもパンツだろうと。ウソ。でもやっぱパンツ。(この票の参照用リンク)
息子の存在知らなかったという点に疑問はあるが、面白いと思った。
最後、仲直りできてなにより。(この票の参照用リンク)
面白かった。オチの意外性はそのままに、ちょっとしょっぱい人情話にもなっている。一粒で二度おいしい構成。その点では「遠い火の花火」も捨てがたかったが、こちら(花火)は若干校正不足という気がした。で、グッと話に引き込む上手さも加点して、「裸の男」。(この票の参照用リンク)
いいじゃないですか。この作品。ちょっと前のどこにでもあるような商店街の親子の話。今までのこの作者の作品と思えない良い感じ。(ごめん〜)(この票の参照用リンク)
漢字ネタだ! しかもこうも上手くまとめられてしまっては、自分としてはもう推しの一手あるのみです。いい話を有難うございました。(この票の参照用リンク)
虫嫌い 投票のため少し精緻に読んでみようとするとなかなか押せるものがない。雰囲気過剰なのは鼻に付くしワンアイデアだけで書いてあるのも安直なように思えてくる。そのようなわがままな目で見ると、返ってこの小品の思い入れのあまりなさそうなあっさりしたところ、そのために技巧的な側面が目立って見えてくるところが好ましく思えてきた。(この票の参照用リンク)
オチが云々よりも、全体を貫く妙なノリに引き込まれるものがあった。こればかりやって欲しいとさえ思う。(この票の参照用リンク)
バカバカしくて壮大で楽しいです。(この票の参照用リンク)
最後の文章
「私が地下室の電灯を消すと、辺りは深い田中でつつまれました」
で普通に考えると「暗闇」のかわりに「田中」が使われている。作品「大瑕瑾」で、「飢饉」のかわりに「瑕瑾」が使われているのと同様だが、こちらの「田中」は語り手の名前でもあり、また、内容と一致している。
私はこの最後の一文にぐっときた。(が「大瑕瑾」はそうでもなかった)(この票の参照用リンク)
共感できたし、オチも良かった。面白かった。(この票の参照用リンク)
どってことない話をてらわず書いたところがいい。(この票の参照用リンク)
いかにもな純文学。太宰は金閣寺を燃やしてしまったわけだけれど、こちらは結局高枝切りばさみを落としてしまう。本当に停電させてしまう絵を期待したんだけど、それにはよっぽど描写力がないと白けてしまうから、1000字という制限の中で、はさみを落とすという結末に至ったのは仕方ないかなとも思う。
それにしても、才能ありますね。嫉妬します。(この票の参照用リンク)
文章や構成の技術的部分にはまだあれもあるがこの着想は群を抜く。つまり抜群である。(この票の参照用リンク)
>邪魔物が無ければ綺麗な丸を描く漣。何事も無くとも中々姿の整わぬ蘭<
禍根や破綻を深く抱え込んで鎮まっている池。それを神秘的であるとか、謎を秘めた美しさなどと言っている。日本の美って、そんな矛盾を孕むことで成立しているのかもしれない。芸術について、文学の根本について、色々考えさせられました。(この票の参照用リンク)
ううーん。どうしようか大変迷ったが、ちょっとこれに票を入れてみようかな、という怖いもの見たさ的な衝迫が。これ、他に票は入らないかも知れない。でもまぁ面白いんじゃないかと思う。落語というのか講談というのか、ト書きというのか。いささかドラスティックではあるけれど、なるほど、こっち方面のアプローチもアリだな、と思えた。(この票の参照用リンク)
私はSFというジャンルはあまり詳しくないけれども、極端な虚構をもって科学の本質を暴くという意味が一つあるように思う。生まれた時から寿命が決まっているというのはさすがに無茶だろうが、今でも癌患者などに「あと半年」なんて事は医者は平気で言い当てる。現在の遺伝子研究には、突き詰めていくとこの作品に到達するような精神があるように思われる。(この票の参照用リンク)
あ、久遠さんのSFだ。私はこの話、好きだな。
ただね、リノっていう名前がね、最初女だと思ったんだよ。読み進むうちに男かぁって気付いたけど。
私の中ではリノは女名前だよ。すぐ男だって判る名前にして〜。(この票の参照用リンク)
どうでもいいようなところに着目して哀愁じみた笑いの部分を掴みあげる。そうしたこの人独特の視点と言うのは、もっと高い評価をされてもいいと思うんですが、どうでしょうか。
この人のバランスの取り方は見習いたい。(この票の参照用リンク)
あざとさの無い文章、構成に好感。等身大の千文字とでも言おうか。しかし哀歌は大袈裟なような気も。(この票の参照用リンク)
語られていない部分に興味を引かれる。狙ったかどうかはともかく、不安定な骨組みが効果を生むこともあるはず。(この票の参照用リンク)
最近、五作くらいにはすぐ絞れるのだが、そのあと三作にしぼるのが非常に難しい。飛びぬけた作品がない、と言うことなんかも知れない。そういう中でも、やはり外したくない作品というのはあって、それが今回はコレだった。何ともいわく言いがたい魅力があるです。(この票の参照用リンク)
ああ、てっきりふたりは別れるのかと。いえいえ、それも悲しい別れであります。遠い日の花火は鮮やかですよね。いい音も聞こえてくるし。別れは何であっても、せつないものです。(この票の参照用リンク)
これは父と子のべたべたした関係ではない。
>「また変なもの送ってきてえ」
わたしは開ける気にもならなくて、そのまま棚に上げてしまった。
寝直すべくソファに転がる。<
ここだけでなく、末尾でも、「どっと疲れた」と作者に言わせている。
普通何気なく過ごしている日常を、厭っているところが良い味になっている。
249字でもこれだけの表現が可能であるということを教えられた。(この票の参照用リンク)
心地よい語り口、句読点も悪くない。(この票の参照用リンク)
似たような話はよくあるけれど、やっぱりじーんと来てしまう。(この票の参照用リンク)
マッチーが好きだから。(この票の参照用リンク)
大自然の神秘を感じました。(この票の参照用リンク)
すごく遠くまで飛んで、また戻ってくる、的確なブーメランの運動を見せられたような快感があった。俗に言う「夢オチ」なるものとは全く違うものであって、一片の夢でありながらどこまでも真実であるという、「物語」の本質を示していると言わねばならない。(この票の参照用リンク)
試験と言ってもただの試験じゃなかったんですね。試験問題にどきりとしましたが、最後は笑ってしまいました。やはり、何があっても動揺してはいけないのだということが分かりました。(この票の参照用リンク)
西直さんが好きだから。(この票の参照用リンク)
「月は単なる穴で、私たちが月だと思って見ているものは、穴を通して見た外の世界なの。黄金色の、ただ黄金色の世界」
このアイデア、このセリフ。これだけで投票する。この作品は、このアイデア一つだけで書かれている(と僕は思う)が、ほほかの部分は、はっきり言って不必要な部分、全然別なことが書かれていてもかまわない。もうすこし、このアイデアをいかすストーリーにして欲しかった。とはいえ、引用した部分は印象的で美しい。外側の世界は「黄金色の世界」なのですね。(この票の参照用リンク)
>そして少女は目の前の箱を払い落とす。そのまま鼻歌を歌いながら、通話中の母親を一人残し去っていった。<
この主人公の生き方が頼もしい。これだけ強い抗議も珍しいのではないか。
自然破壊を嘆くことよりも、むしろこちらの姿勢のほうを大切にしたい。自然破壊は人体に影響を及ぼすが、こういった日常に入り込んだ病は、人心を蝕む。蝕まれた心は人から人に伝わり、結局、日本を駄目にする。文学のテーマとしては、人体よりも人心に重きを置いた方に感動を覚える。(この票の参照用リンク)
はんじろちゃんが好きだから。(この票の参照用リンク)