第15期 #3

発明父さん

 「お届け物です」
 昼寝を邪魔されて渡されたものは御骨を入れるような桐箱だった。
 誰からだろうと寝惚け眼で伝票を見ると、実家の住所が書いてあった。
 「また変なもの送ってきてえ」
 わたしは開ける気にもならなくて、そのまま棚に上げてしまった。
 寝直すべくソファに転がる。
 がたん、と音がした。
 びっくりして、わたしは恐る恐る箱を下ろしにいった。
 がたん。
 「いわっ」
 わたしの腕から箱が飛び上がる。
 蓋が開いて、そこから紙切れが出てきた。
 『父さん特製びっくりするくらいおいしいお漬物』
 どっと疲れた。



Copyright © 2003 三浦 / 編集: 短編