全投票一覧(日時順)
第6期予選時の投票状況です。16人より43票を頂きました。
2003年2月4日 23時44分44秒
- 推薦作品
- 橋本のお婆さん(朝野十字)
- 感想
- 前回の決勝投票の感想でどなたかが述べられていた、「なんだかよくわからないけれど、面白い」という感覚を、今回私はこの作品で味わうことができました。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- 自殺を止めるというのはよくある話ではあるが、結末はありがちではなくてよかった。重苦しくもならず、かといって単純なめでたしめでたしな話でもなく。付け加えて言うと「普通、止めない?」という地の文での語りが新井素子っぽくて、ひそかにツボに入りました(すいません個人的好みで)。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 猫でいて(朽木花織)
- 感想
- 「猫でいて」という母親の想いが意外な形で実現……と言えるかどうかも微妙ですが、その結末の微妙さがまたなんとも。勿論単なるオチのみの話ではなく、ベースには子を想う母の愛情という(普段の私ならちょっと苦手な)テーマがあるのだと思いますが、その流れがあってこの結末を持ってくるからこそ粋なわけで、思わず顔も綻ぼうというもの。結局母親は気付かないまま、というのも切なくて良い感じでした(この票の参照用リンク)
2003年2月4日 22時35分32秒
- 推薦作品
- 天網昇降機(ラリッパ)
- 感想
- 「腹の底からふつふつと沸き上がる何か」の「何か」とか、「生理現象」とか、伏線の伏せかたにすこしズルサが見えるが、オチの見せかたは自然でほどよく遠回しで、下品かつわりとベタなネタを上品に仕上げているのはすばらしい。そしてすばらしいだけにネタのくだらなさがひきたつ。ショートショートの佳品である。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- 主人公は自分を捨ててゴーレムとして学校や職場といった人生に対応してゆくが、けっきょく疲れ果てて「母」に回帰しようとする。そして元の自分を取り戻そうとしたところが、そこにも「へそ」はなく、つまりもともとゴーレムであったというのはホラーである。大ざっぱにそういうふうに読んだ。ホラーな結末はちょっととってつけたようなかんじだが、そこまでの物語がこころに妙にひっかかる作品。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- 最初のほうは「生まれてきたこと自体を後悔したくなる」など表現がベタでいやらしかったが、自暴自棄の象徴とも言える「パンツ」が出てきたあたりから期待が高まり、物語後半に至っては爽快である。なんかよくわからないけれども、他人がわからなくてもよいような話なんだろうけれども、なんだか気もちのよいものを読んだなーとか馬鹿っぽくちょっと思った。(この票の参照用リンク)
2003年2月4日 15時46分44秒
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- 最後なんかまぬけっぽくて良かった。「えっ?」と言って振り返った主人公の顔を想像できた。もっと母親が不条理で、口調が汚いとかビンタ食らわすとか、でも良かった。10点中8点。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- 自殺がテーマの話は結局「自殺はダメ」か「自殺もいいんじゃない」の二つしかないように思った。この作品は「自殺はダメ」の方だと思うけど、上手く誤魔化した感じ、きっと照れているんだろう。もちろん主人公の女のコが照れているわけですが、そこがかわいらしかった。(この票の参照用リンク)
2003年2月4日 15時4分0秒
- 推薦作品
- お星さまを食べた話(曠野反次郎)
- 感想
- タイトルを読んで、「a」を読み、今まで感じていた言葉の意味を軽く裏切られ、苦笑。
さらに「a」から「b」を読み、意外性に絶句。
そして、「a」「b」を読んだあとで、再びタイトルを読み、目の行き届いた作品と感心する。
ショートショートなので、内容には触れない。
内容を教えないで、「面白いから読んでみなよ」と勧めたくなる逸品。
<久遠>(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 一個のパン(神崎 隼)
- 感想
- この作者の描く世界観や人物像が趣味なので、たいてい投票時に悩む。
今回の作品も面白かった。
<久遠>(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 最後の一票として、「ゴーレム(逢澤透明)」「ジェルソミーナ ジェルソミオ(るるるぶ☆どっぐちゃんさん)」と最後まで悩む。
結局、「ゴーレム」の不条理感、「「ジェルソミーナ ジェルソミオ」の乾いた雰囲気を、「まあこんなものなのである。」という主人公のとぼけた一言が吹き飛ばしてしまった。
この主人公であれば、今回の21作品のどの世界に飛ばしても生きていけそうだ。
とぼけていながら、凄まじい意志を感じさせる言葉だと思った。
横道にそれるけど。
透明さんに「年刊SF傑作選1(ジュディス・メリル編)創元推理文庫」収録の「あとは野となれ……?(ホリー・カンティーン)」を勧めようとしたら、絶版だった。
とすると、このアイデアは独自で到達したのか。
それはそれで凄い。
<久遠>(この票の参照用リンク)
2003年2月4日 1時37分45秒
- 推薦作品
- (削除されました)(-)
- 感想
- おもしろいおもしろい。なにがおもしろいのか、説明できないけど、おもしろい。それに短編ですんげー短いショートショート書いてやろうと思っていたのに、先を越されて、とてもくやしいので、一票。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 年賀状(海坂他人)
- 感想
- 「なまじ母親が人並みの躾をしてくれたせいで、義理ある人へは暮れのうちに出しておくものと思い込んで来たが」
というような文章を読むと、「なんてキザったらしいヤツだ」と思ってしまうのですが、これってもしかしてそういうギャグなのかもしれないとおもったら、たちまち許せてしまった。エッセイとしてなら、とても面白いとは思えないのだけど、小説としてこれを書いたということが、ある意味、とても斬新だと思った。出来事はほんの些細なことなのだけど、解決されずに残されてしまうことで、妙に記憶に残る。奇妙な味わいがあって、一票としました。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 橋本のお婆さん(朝野十字)
- 感想
- 「黄色く乾いた皮膚には火星の運河みたいに碁盤目状の皺が入っていた」
というような独特の表現が印象的だった。ストーリーは「ゆきてかえりし物語」なんだけど、すごく印象に残ったのは、後半突然現れた父親で、全然ストーリーと関係ない存在なのに、なんだか存在感があって、なんで父がこんなに活躍しちゃうんだろう、とすごく奇妙に感じた。お婆さんの「ひえい、ひえい」とか、妹の母の膝に座ろうとする行動も、それだけでキャラが立ってしまう。千字なのに何人も印象に残るキャラがいる。これはすごい。「ぼく」の語り口とあわせて、独特の世界を見せてくれました。(この票の参照用リンク)
2003年2月3日 0時8分50秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- うまくは言えませんが、「消しゴム」が何かの隠喩でもあるような感覚が引っかかってくる感じがいいです。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- 笙野頼子の「母の発達(でしたっけ?)」を思い出しました。なんか好きです。構成的にもすっきりしていると思います。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- タンデムは振動する(佑次)
- 感想
- ネガティブ話には弱いのです。僕も暴力は嫌いですが、暴力に勝つ方法が見つかりません。どうしましょう。(この票の参照用リンク)
2003年2月2日 20時32分50秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 面白い。短編第六期の全作品中、私が唯一一読目で投票を決めた作品がこの作品だった。最初の一文がとにかく面白かったのでそのままずるずると作品世界に連れ込まれてしまった。脱帽です。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 雪止まじ(野郎海松)
- 感想
- この類の作品は、どうしても作者の自己陶酔に陥ってしまいがちなのだが、この作品はその境界でぎりぎり踏みとどまった感がある。本文において文末に過去時制を多用しつつ、時折見せる現在時制が効果的だった。
【それから随分エリコは苦しんで、最後にやっと死んだ】(本文より抜粋)
などの表現は好きなのだが、他の部分でやや使い古された表現も目に付き、推敲を重ねればもっと良い作品になると思う。頑張って下さい。(この票の参照用リンク)
2003年2月2日 16時56分0秒
- 推薦作品
- 一個のパン(神崎 隼)
- 感想
- 今回気になった作品は、「橋本のお婆さん」「年賀状」「一個のパン」の3作です。
「橋本のお婆さん」は、最後に主人公が生意気な妹を前に言った言葉が良いと思いますが、帰り道は走って帰ったのならば、なぜ走るのかがわかるようにお婆さんと手をつないで夜道を歩く恐怖を、もう少し詳しく書いてほしいと思いました。
「年賀状」は、自分も就職していないので、アイタタタと思いながら読みました。中身は「橋本のお婆さん」と対極の位置にあるような気がします。「橋本のお婆さん」は主人公しか見えないので恐怖を耐える感じが薄いのですが、「年賀状」は主人公が見えないので先生の意味不明な行動への危惧があまり感じられませんでした。
「一個のパン」には、視覚的に満足させられてしまい、今回一番情報量が多いのはこの作品ではないかと思います。1000字が良い意味で長いとも短いとも思いました。文章の格好も良いです。(この票の参照用リンク)
2003年2月2日 12時16分33秒
- 推薦作品
- ただいまおサルのかご屋えっさほいさっさ中(ツチダ)
- 感想
- 言葉が言葉を生み、まるで自動運動のようにわらわらわらと増殖していくのに為す術もなく巻き込まれて、何だかよく判らないけど面白いなあ、と次々読み進めていくうちにまた妙な所で終わってしまう。中身は出鱈目だが文章は独特のリズムに磨き上げられていて、不思議な快感を味わわされた。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- (削除されました)(-)
- 感想
- この場で限られた枠の半分以下で、くっきりと起承転結の付いた話を作っているのが何と言っても凄いと思った。『短編』の字数規定は1000字以下という一方、「作品に合った長さで」とあるが、まさにそれに合致した作品で、将来的にも一つの行き方を切り拓いたと思われる点を評価した。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 自分が昔なくした消しゴムが集められて送りつけられるというのは普通起こりえない事で、これはいわば過去に自らが経てきたささやかな人生の切れ端、忘れていた記憶の象徴である。一寸疲れている現在に侵入して来た、癒しとも言い切れないような微かなファンタジーの気配で、しかしそれにどっぷりと浸り込むのでなく、「こちら側」に踏み止まるバランスに好感を覚えた。(この票の参照用リンク)
2003年2月2日 2時25分50秒
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- 越冬こあらさんの『回帰』という1000字小説を思い出してしまったけど、読み返してみるとそんなには似てなくて、それぞれに面白い。
ラストも意味は分からないけれど、やたらとインパクトがあって、しばらくその光景が頭を離れませんでした。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 雪止まじ(野郎海松)
- 感想
- 雪景色がとてもよく描けていたと思います。丁寧に書いてるなあ、というのが、伝わってきました。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 消しゴムの描写が生き生きとしていて、ノスタルジックな気持ちになりました。
ただ、最後、消しゴムを捨てちゃいけない。1000字でまとめるにはそうするしかないのかもしれないけど、すごく残念でした。(この票の参照用リンク)
2003年1月31日 20時37分5秒
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- 自殺モノのラストということで初読時は流し読んでしまったが、よく読むと表現はしゃれていて、詩的な雰囲気もあり言葉づかいのセンスを感じる。しかし、言葉遊びをこれ以上やると鼻につくので、次回作はある程度の抑制が必要だろう。(ラ)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ただいまおサルのかご屋えっさほいさっさ中(ツチダ)
- 感想
- ネタは単純でオチは理解不能だが、面白いものはしょうがない。「えっさほいさっさの当事者うんぬん」のくだりも妙におかしい。被害者のじんべさんも俗物っぽいので、サルに身ぐるみ剥がれても悲惨さがなく笑えてしまう。(ラ)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 橋本のお婆さん(朝野十字)
- 感想
- この票は「橋本のお婆さん」「なくした消しゴム」「ゴーレム」の三作で悩んだ。
ストーリーは「ゴーレム」が一番だと思うのだけれど、初読時の”どこかで見たような”感覚が最後まで抜けず投票に至らなかった。「なくした消しゴム」は消しゴムの描写が長いぶん、全体が水っぽい印象を持った。「橋本のお婆さん」は少年が克服する恐怖の表現がぬるく感じたが、テーマの明確さでこちらが優ると判断した。(ラ)(この票の参照用リンク)
2003年1月28日 21時27分53秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 思い出の断片を手に取りながら、それに溺れていない主人公(?)が妙に生々しいですね。感傷的な作品の「猫でいて」と好対照。リアルな方が、私は好きです。深くないようで深くてやっぱり深いような。現実的すぎてつまらないと言ったらそれまでですが。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- お星さまを食べた話(曠野反次郎)
- 感想
- すごくロマンチックな話である前半と、グロテスクな話である後半の落差がすごく好き。ただそのつなぎ方が浅はかというか、頭で考えてるなあって感じがしました。すごく偉そうなこと言うようですが頭でつくった「つくりバナシ」はつまらないです。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- わけがわからないけれど面白いって実はすごいことなんじゃないかと。(この票の参照用リンク)
2003年1月25日 8時15分36秒
- 推薦作品
- トンネル(赤珠)
- 感想
- 描写に専念したところが好印象と思いつつ「廃線になった車両かなにかに使われていたのだろうか」とか変な文。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 竹林と太陽(川島ケイ)
- 感想
- 二度目に読み返したらたいしたことない話のような気もしたがやはり安定感がある。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 年賀状(海坂他人)
- 感想
- 前回優勝だし。しかしそれを理由に点を辛くするのも逆にフェアではないと思い直し一票。(この票の参照用リンク)
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