全投票一覧(日時順)
第6期決勝時の投票状況です。16票を頂きました。
2003年2月18日 23時25分54秒
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- 1000文字で構成された文章を読んで、たしかに何か小説のようなものを読んだのだと満足できる場合というのは、人によってさまざまでしょうけれど、私については、そこに空気といったものが感じられるか、たしかな世界を垣間見ることができたという手応えがあったか、そういったものが肯定されたときに、いちおうの満足を得られるような気がしています。
今回については、『墜落堕落短絡娯楽』に、もっともそれが感じられました。語りの自然さ。思考の流れのしなやかさ。特に目を惹くような表現などは見受けられず、どちらかといえば拙さを感じさせるような文章にも読めるのですが、たしかにその場所がかなり明確にイメージできる。無駄な言葉、文章というのもなく、すっきりと潔く語り切っている、そういう気持よさがありました。
他の2作品については、たしかにそれぞれの面白さがあったのですが、作り物めいた、という印象が残りました。小説っぽいお話。
『なくした消しゴム』は、話の面白さ、文章の軽やかな滑稽さ、が魅力ではあったのですけれど、ほとんどの文章が説明に費やされていて、その説明自体がそれほど面白くは読めない。「そういえば、消しゴムって、最後まで使った覚えってないなあ」という、発見はあるのですが、それだけで話を押し切ってしまっているような印象がありました。もっとも、結局はゴミ袋に放り込む、という結末には、なんというか、ある姿勢が決然と貫かれているような気がして、妙に惹かれるものがあるのですけれど、残念ながら、感動するほどまでにはいきませんでした。
『ゴーレム』については、初読のときは、かなり面白く感じたのですが、再読すると、さほど魅力を感じませんでした。それはおそらく話の転がり方がわかってしまっているから、なのでしょうけれど、ともかく途中まで、話の進み方としては面白くても、書かれている内容そのものがつまらない。というのは、「従順な僕」「傲慢な俺」「理性の私」について、語られていることが、類型的で、発見がないから。再読する楽しみが感じられない。「面白いお話」ではあるけれど、文章を楽しむ、という娯楽が、残念ながらあまりなかったように思われました(この票の参照用リンク)
2003年2月18日 23時15分2秒
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- 小説以前に、言葉を追うことのおもしろさ、というので『墜落堕落短絡娯楽』が好み。もちろん作品のムードに関することであって、『ゴーレム』の平淡な叙述は作品とよくマッチしているとは大いに認めるところだけれども、ここで損をしており、この損を超える物語であるかといえば、いささか弱い。いったんプロットが知れたあとには再読する気がおきない。『墜落堕落短絡娯楽』は物語の展開に脈絡がないようでいてあるという、バカらしいようでいてバカらしくない物語の手本のようなもので、そこに自殺という重いテーマを持ってきて軽薄な叙述で爽快に描いてみせたのは、すばらしいセンスのたまものだと思った。これには再読で失せない魅力がある。(この票の参照用リンク)
2003年2月18日 20時31分24秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- これしかないです。紺スペシャル(久遠さん曰く)、しかと堪能させて頂きました。(この票の参照用リンク)
2003年2月16日 10時11分0秒
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- 『ゴーレム』と『なくした消しゴム』のどちらにするか最後まで迷った。
実は予選段階では『ゴーレム』に一応注目しつつ結局は推せなかったのだが、改めて読んでみると、完成度は高く、やはり棄てがたい味がある。象徴を用いて寓話風な作りでありながら、メッセージが露骨でない所にもっとも感心した。一言で要約できるような作品なら1000字も使う必要はないのである。
紺氏の安定した「うまさ」は今さら言うまでもない。『ゴーレム』に比較して劣るとは決しておもわなかったが、あえて今回は今までの『短編』になかった新鮮さを買った。(この票の参照用リンク)
2003年2月16日 3時56分26秒
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- 今回はこれでしょう。初読から、そう思ってました。(この票の参照用リンク)
2003年2月15日 2時23分35秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 送り届けられる消しゴムにはノスタルジックな味と過去に揺さぶりをかけるような不気味な存在感が同居していて、印象深かった。
けれども、その題材を生かし切っていたか、というと残念ながら、いまいち、だった。最後にあっさりと捨て去てしまうのは、せっかくの題材をもったいない、と思ったし、それを作者が意図したのなら、消しゴムの思い出の描写に主人公の思い入れが入りすぎている気がする。
このあたりどうにかならないものか、と思うが、冒頭から最後まで一気に読まされる文章と消しゴムで一票とする。(この票の参照用リンク)
2003年2月14日 0時4分51秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 好きです。感傷にひたらない主人公の突き放した感じは悲しいけれど、うまくこの時代を反映していると思う。"お涙ちょうだい"的なものをさり気なく風刺しているようにも思えるし。好きです。(この票の参照用リンク)
2003年2月13日 0時55分27秒
- 推薦作品
- ゴーレム(逢澤透明)
- 感想
- 優れた作品は、普遍性を持つ。読む者の経験・生活・パーソナリティの中に潜む「イメージ」を、固有の形で掬い上げる。これはその物語の「核」となるものが、ある特別な力でそうさせるのだ。原風景、シンパシイ、古典的命題、色々言い方はあろうが、共通して言えるのは、つまり、語られる物語への透徹した視線、そして、神話的な靄の中――つまり読み手の心象の中へと回帰する、心地よい不可思議性なのである。(この票の参照用リンク)
2003年2月12日 6時54分1秒
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- タイトル、内容共にしゃれている。この手の言葉遊びは、やりすぎるとひんしゅくを買うが、この作品は鼻につく寸前で抑えている。こういうセンスは努力で身につくたぐいのものではなく、おそらく持って生まれたものだろう。器用そうな作者なので次回作も何かやってくれそうで楽しみである。(ラ)(この票の参照用リンク)
2003年2月10日 20時43分55秒
- 推薦作品
- 墜落堕落短絡娯楽(西直)
- 感想
- 悩みました。正直言って、どの作品が優勝でもおかしくないと思いますが、しょうがないので消去法を併用しました。『ゴーレム』は「理性」の語にひっかかりを覚えました。『なくした消しゴム』は「ひしめく」に。って、掲示板での指摘を鵜呑みにしてるっぽいですが、作品を読んだ後に掲示板を読みました。やはり、同じことを感じる人がいるもんですね。
推薦作品は「パンツ」という「つかみ」と、自殺を制止されなかったことがかえって思いとどまった理由になったというラストが好みです。うんといぢわるしてほしいもんです。ただし、自殺がらみの話は個人的に安直さを感じるので、今後はよほどの工夫を凝らさないと、票は入れないと思います。「自殺」という語を見た瞬間、読む意欲が半減します。(この票の参照用リンク)
2003年2月9日 1時32分25秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- いちばん綺麗。他の二作品は読み飛ばせたが、これは無理だった。
引き込まれました。(この票の参照用リンク)
2003年2月8日 12時37分59秒
- 推薦作品
- なし
- 感想
- 1000字小説はむつかしいもんだな。それが、決勝に残った3作をよんでの感想です。どれも中途半端でそれほど私にはおもしろく感じませんでした。(この票の参照用リンク)
2003年2月5日 20時49分34秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- そう、そういうことはよくあることなんだ。そういう何気ない日常の不条理を形にして見せてくれた。
しかも読後感が良い。(この票の参照用リンク)
2003年2月5日 6時22分0秒
- 推薦作品
- なくした消しゴム(紺詠志)
- 感想
- 好みでの投票。つまり細かく突っ込もうという気を起こさせない程に作品世界にのめり込ませる。(この票の参照用リンク)
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