第6期予選時の、#20なくした消しゴム(紺詠志)への投票です(8票)。
最後の一票として、「ゴーレム(逢澤透明)」「ジェルソミーナ ジェルソミオ(るるるぶ☆どっぐちゃんさん)」と最後まで悩む。
結局、「ゴーレム」の不条理感、「「ジェルソミーナ ジェルソミオ」の乾いた雰囲気を、「まあこんなものなのである。」という主人公のとぼけた一言が吹き飛ばしてしまった。
この主人公であれば、今回の21作品のどの世界に飛ばしても生きていけそうだ。
とぼけていながら、凄まじい意志を感じさせる言葉だと思った。
横道にそれるけど。
透明さんに「年刊SF傑作選1(ジュディス・メリル編)創元推理文庫」収録の「あとは野となれ……?(ホリー・カンティーン)」を勧めようとしたら、絶版だった。
とすると、このアイデアは独自で到達したのか。
それはそれで凄い。
<久遠>
参照用リンク: #date20030204-150400
面白い。短編第六期の全作品中、私が唯一一読目で投票を決めた作品がこの作品だった。最初の一文がとにかく面白かったのでそのままずるずると作品世界に連れ込まれてしまった。脱帽です。
参照用リンク: #date20030202-203250
自分が昔なくした消しゴムが集められて送りつけられるというのは普通起こりえない事で、これはいわば過去に自らが経てきたささやかな人生の切れ端、忘れていた記憶の象徴である。一寸疲れている現在に侵入して来た、癒しとも言い切れないような微かなファンタジーの気配で、しかしそれにどっぷりと浸り込むのでなく、「こちら側」に踏み止まるバランスに好感を覚えた。
参照用リンク: #date20030202-121633
消しゴムの描写が生き生きとしていて、ノスタルジックな気持ちになりました。
ただ、最後、消しゴムを捨てちゃいけない。1000字でまとめるにはそうするしかないのかもしれないけど、すごく残念でした。
参照用リンク: #date20030202-022550
思い出の断片を手に取りながら、それに溺れていない主人公(?)が妙に生々しいですね。感傷的な作品の「猫でいて」と好対照。リアルな方が、私は好きです。深くないようで深くてやっぱり深いような。現実的すぎてつまらないと言ったらそれまでですが。
参照用リンク: #date20030128-212753