第42期予選時の投票状況です。18人より45票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
26 | 君のスプーン | テフ | 7 |
30 | 恋のアックスボンバー | 紺詠志 | 5 |
11 | 「あたし昔あんたの奥さんだった気がしますわ」 | 神藤ナオ | 4 |
16 | 海を泳ぐ | 真央りりこ | 4 |
24 | 裸夜 | 宇加谷 研一郎 | 4 |
8 | 静夜 | ぼんより | 3 |
21 | チキンレース | 桑袋弾次 | 3 |
22 | 百万飛んで一回目のプロポーズ | 掛石念治 | 3 |
29 | 冬の海に二匹 | るるるぶ☆どっぐちゃん | 3 |
32 | 土曜日、朝六時 | 川島ケイ | 3 |
6 | 王様のプリン | 熊の子 | 2 |
3 | 国際電話 | 黒木りえ | 1 |
4 | 偽りの愛 | 沙羅 | 1 |
15 | 物語のディスクール | 戸川皆既 | 1 |
23 | カーヴ | qbc | 1 |
泣き笑いを誘われて1票。(この票の参照用リンク)
質のいい例題のようにうまい作品でした。(この票の参照用リンク)
純真で世間知らずでばかって意味のナイーブな「ぼく」世界が大草原の小さな家みたいに広がっている。うう可哀そう。ああ可哀そう。可哀そうな人見るの大好き。ホリエモン可哀そう。若干な。
例えばスプーンの発明に費やしたであろう三年間に、なにが起きたであろう。「ぼく」、はばかだからしくじってばかりだったんでしょうがよ。行の空打ち多用のテフテフさん、の作品、は省略の醍醐味に溢れてる。横溢して言外に散逸してる。三年間の時間を省略したことによって、また例えば(二回目)二人の関係の詳しい説明を省略したことによって、読者の想像力を刺激し、また「ぼく」のばかって意味のナイーブさ表現するのにも機能していた。すかすかしていたからね、なんか頼りないの。頼りない人はもてるのかね。どうかね。
頼りない感を表現するといった部分では、息継ぎの長い、一文の中でうねうね・ぐだぐだ・うじうじ・いんいん・めつめつする文も効果的だったのではないのかなと。そして海坂さんが掲示板で提案していた案ですが、約束をすると彼女が「ぼく」を裏切ってしまった感じになりませんかね。この話は悪人が居てはいけない世界です。誰も悪くないのに誰かが傷つけられる世界。
真面目で不器用。そんな若者の姿が思い浮かびます。真面目だけど不器用な人間は、現実にいると仕事遅いくせに真面目だからなんか叱りづらい、文句を言いにくい人間であると思うのですがどうでしょうか、「真面目で不器用」は現実世界においてはマスコットの様な存在、或いは居ても居なくても良い人、さもなくば悪気がなく悪いことをやってしまった人間がいちばん最も悪い人間だということでしょうか。哀しいですね、俺が。ただ真面目で不器用な人間は小説の世界では割と活躍してる印象。要するに、「真面目で不器用」はみんなの心の支えなのかもしれないですね。能率の敵ではあっても心の友。哀れで、すがすがしかったです。
彼女の為に作ったスプーンが自分の涙をすくう。本来意図していた役目とは違った部分で、何かが活躍してしまう。哀れさを強調する良い結びだったと思います。(この票の参照用リンク)
ラストが心に沁みました。うまい!(この票の参照用リンク)
今期もっともまとまっている物語。よくある話がベースではあるが、結末がよい。(この票の参照用リンク)
他にも押したい作品はあるのですが、現時点で投票がされていないので、あえてこちらを選ばせていただきます。
スプーンから十徳ナイフみたいに、ザトウムシの足が伸びてきて、涙を拭っていくシーンが印象に残りました。一度すくった涙を落とせないし、涙は飲めないでしょうから、そのまま次々と足が出てきて、真珠のように拭った涙をぶら下げたまま主人公の周りでバランスを取っていくのです。足はゲジゲジのように主人公の上半身を包み、雨上がりの蜘蛛の巣のように空を映す。(この票の参照用リンク)
着地が綺麗だったので。そんなすごい技は出してこなかったようだし、途中でたぶんここら辺に着地するんだろうなとも予想できた。それでも安心して見ていられた。(この票の参照用リンク)
勢いに負けました。(この票の参照用リンク)
今期は私的感想を書いていたら精力を使い果たし、せっかく全作品を一通り読んだのに票感想を書くだけの気力がろくに残ってない。
まあこの作品は外せない所。ライトノベル風という評ももっともだが過不足なく面白かった。(海)(この票の参照用リンク)
なんだかわからないが楽しんでしまいました。(この票の参照用リンク)
今回の短編は全体的に小粒で、私個人の評価でいけば80点以上の作品はない。良くて70点どまり。
そんな中で一番を挙げるとしたらこの作品。
テンポの良さ、内容がライトノベル調なのだけど、頭を使わないで読めるので私は好き。(この票の参照用リンク)
恋らしきもの、を感じました。
おもしろかったです。(この票の参照用リンク)
うかうか感想を書いていたら作品自体より長くなりそうだ。
一応千字と言うフィールドからすると、本来は別の場所にあるべき作品なのかもしれないとも思えるが、競技の中では目立つというのも戦術の一つである。気合を評価したい。(海)(この票の参照用リンク)
短い上にあやふや。特に代名詞。
あやふやな分、「彼女」がちょうちょの場合と「僕」がちょうちょの場合と二通り考えられる。
特に「僕」がちょうちょの場合、一行目は「僕」、二行目は「彼女」となり、思わずちょうちょに向かって言ってしまった「彼女」の困惑する姿が何とも可笑しい。(この票の参照用リンク)
なんかツボに来た。(この票の参照用リンク)
題名とセットでこれは面白いですね。(この票の参照用リンク)
泳いでは行けない、フランスに。(この票の参照用リンク)
兄貴への飾り気のない言葉が沁みました。(この票の参照用リンク)
むやみやたらと空行が多くて、私のふだんの勝手な基準では減点対象なのだが、しみ入るものがあった。
深読みすればこのお兄さんは本当はフランスなぞには行ってないのかもしれないとも思った。どこかでフーテンやってそうな気もする。(海)(この票の参照用リンク)
長い物語の一部を切り取ったような感じが好きです。
彼には町を出てどこへ行くのか志はあるのでしょうか。(この票の参照用リンク)
恋、なのでしょう。
すがすがしかったです。(この票の参照用リンク)
裸の付き合い。男女の。さっぱり。こんなイメージ。(この票の参照用リンク)
一人称だと思って読み返したら三人称だったのでちょっとびっくりしました。
「ビング・グロスビー」「福原信三」という固有名詞がなければもっと良いなあと思いました。(この票の参照用リンク)
二人の関係や人間性を想像させる力があると思います。
「どうしてパジャマなんか着てるのよ裏切りよ」で微笑みたくなりました。(この票の参照用リンク)
タイトルどおりにしんしんとした雰囲気が好きです。(この票の参照用リンク)
読んでいて心地よい。この一言で十分です。(八海宵一)(この票の参照用リンク)
視点が面白かった。斜め上から自分を見下ろしている。まどろんでいる感じが出てていいと思った。(この票の参照用リンク)
クールビズ! に1票。(この票の参照用リンク)
最近の収穫はね、ブルトンの「シュルレアリスム宣言」を読んだことなんです。よろぴく。ああ成程、「イメージは精神の純粋な創造物である」ということです。「それは直喩から生まれることはできず、多かれ少なかれたがいにへだたった二つの現実の接近から生まれる。接近する二つの関係が遠く、しかも適切であればあるほど、イメージはいっそう強まり、いっそう感動の力と詩的現実性をもつようになるだろう」。恣意的とも思える言葉の選択、配置にこそ、あるイメージを私たちに強く訴える力がある。間の消息を物語る。あらご立派ね。
「情勢分析」やら政治面の言葉が連想するように配置され、「ローソク」「ケチャップ」などの政治とは関係の遠い言葉が散りばめられる。例えばAからBへの展開には詩的意味しか感じられず、要するに詩的展開だが、全体を通しては不可逆の現実的な時間の流れが感じられそこは具象的、現実の再現性を持っており読みやすい。
お上はいったい何をやってるんだばか。二条河原の落書。川原? 川原泉。こないだティム・バートンの「チョコレート工場」観たんですが、悪口って最高だね。うん、生きていて良かったね。
そもそも桑袋弾次(さん)という名前にこそ秘密が隠されてる系の実は出オチ系。複雑系。循環器系。桑袋弾次(さん)て名前からして既にえろい。どうあっても湿度高いというオチ。約束されたオチ。約束される安心感。
政治への悪口、助平、約束されたオチに約束された安心感、といった要素は、読書の快楽という観点から言ったらかなり涎がでるおかずです。そしてまたそれらをまとめあげる為に必要だったイメージ感覚の素晴らしさはまあ、要するに面白かったよねー、ねー、ねー。また食べたい。痩せたコックを信用するなと言う。(この票の参照用リンク)
「国際電話」「チキンレース」「カーヴ」「土曜日、朝六時」で迷ってこれに。
>そこから先へ進むのは、どうですか、肝だめしですか。
正直、噴いた。
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単純で面白かったです。こういうのいい。(この票の参照用リンク)
恋、から、愛、へ
潔かったです。(この票の参照用リンク)
男も男だけど、女も女。
素直に面白かったです。(この票の参照用リンク)
「でももうすぐ治る。僕の足は、もうすぐ治る。どうしようね」
「コーギー」
「僕はまだ27だからね。あと30年は生きる。ねえ、ギターは、どうやって、弾くんだい。どうやって、弾くんだい」
「好きに弾けば良いのだって。好きに弾いてよコーギー」
このへんに負けた。(この票の参照用リンク)
毎度のことながらおもしろい。二匹が愛らしくも哀しい。(この票の参照用リンク)
読んでいて楽しいです。(この票の参照用リンク)
ごめんなさい、これから待ち合わせがあるので詳しく書く時間なくなってしまいました。ほんとまじですいません。みそ汁飲みたいな、っておもいいました。なんかとってつけたみたいですけど、ほんとです。(この票の参照用リンク)
ノスタルジック。
料理の作り方(というよりも雰囲気なのだけど)が丁寧に描写されていて、池波正太郎とか北森鴻の小説を思い出させる。
#24「裸夜」にも調理描写がでているけど、全体的な雰囲気にマッチしているこちらを推す。(この票の参照用リンク)
この味噌汁、飲んでみたいな。(この票の参照用リンク)
プリンは好きだけど、偏るのはよくないよなあ、と素で思ってしまったので1票。(この票の参照用リンク)
読んでいてプリンが食べたくなりました。この一言で十分です。(八海宵一)(この票の参照用リンク)
「もう、気をつけて頂戴よ。うっかりじゃ済まないんだから」
受話器の向こうの溜息まじりの声を、あたしは桜色に盛り上がった手首の傷を眺めながら聞いている。
「聞いてるの? すぐに駆けつけられる距離じゃないのよ」
ここで終わっていたら飛び上がって喜んだと思います。(この票の参照用リンク)
文章的に何かいい。(この票の参照用リンク)
吉田戦車的世界。ナンセンスン極致。おもしろかった。(この票の参照用リンク)
一段階上から見たような語り口で、オチもついているところがいいんじゃないかとおもいます。
不思議な感じです。(この票の参照用リンク)