第80期予選時の投票状況です。14人より33票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
21 | パソユタさま | えぬじぃ | 4 |
22 | ばべぼぼぼべべ | qbc | 4 |
15 | お前は計画性がないよな | 鼻 | 3 |
28 | 先生が生きている | 川島ケイ | 3 |
32 | 翼の夢 | 黒田皐月 | 3 |
5 | ソー・テンダー | りんりん | 2 |
14 | ヤマダさんち | 虎太郎 | 2 |
20 | 警部エドガーの憂鬱 | 山崎豊樹 | 2 |
1 | 点対称 | 三毛猫 澪 | 1 |
4 | チャイム | みう | 1 |
6 | 自殺願望 | ゆうき | 1 |
9 | 夕焼け | ベル | 1 |
17 | 『蒼の帳』 | 石川楡井 | 1 |
18 | ありがとう | SANA | 1 |
23 | 空色 | ei | 1 |
26 | ティッシュの言葉に魅入られて | 日下ヒカル | 1 |
30 | ウナギ | わら | 1 |
36 | 午後の逢引 | 宇加谷 研一郎 | 1 |
やさしい気持ちになれました。(この票の参照用リンク)
個人的見解ですが、現在の短編においていちばん安定しているのはえぬじぃ氏だと思っています。
他の常連さんにいまひとつの作品が多い今期も期待以上の出来で、安心して投票させてもらいます。
来期も楽しみにしています。(この票の参照用リンク)
上記の推薦二作のみならず、今期はほかにも何作か絶品があった。作品のよしあしを順番付けするのも変な話であるけれども、しかしながら、この作品が(私は)一番だった。
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読後感さっぱりで気分がよかった。
話の閉じ方がさっぱり成功しているんだと思います。
もうちょっと説明部分をさりげなくするともっとさっぱりするのではないでしょうか。人のことは言えないですかそうですね。
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比喩であったり言い回しであったり、淡々と続けられて地味ながらも、あまり他所でお目にかかったことがないものばかりです。ひたすら巧いと感じます。(この票の参照用リンク)
神がかった作品ではないかもしれませんが、人物が描かれている良い作品なのだと思います。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
姉弟間のあやうさをポリ袋でうまく包みこんでました。(この票の参照用リンク)
妹がいる自分には近親モノの良さはまるで理解できませんが、ビニール越しの言葉をもやかしたのが良かった。
あれこれ考えたけど、母音的にみて意味がない言葉のようだったのでこれに投票。(この票の参照用リンク)
すごい勢い
読む前は、改行が少なくて「うっ」てなったけど、読んだあとは、改行がない方がよかったと思った。(この票の参照用リンク)
「自殺願望」とは違い、もう途中からオチが見えているが、それが主人公の愚かさを表現できていていい。
どう考えても幸せではないストーリーなのにやけに読後感が爽やかなのは、文体の勝利か。(この票の参照用リンク)
痛いなんてものじゃないだろうと。
現実では腹立たしいヤツなのにオチで笑ってしまったので一票。(この票の参照用リンク)
先生がなんかかっこいい。あと"僕"はいいから今からでも書いちゃえよと思った。(この票の参照用リンク)
語りが滑らかで、それでいて無駄にレトリカルじゃなくて、心地が良い。書いてある情報の量、それを読んで想起できるものの量という二つの量が絶妙。
最後の三文も突き刺さる。(この票の参照用リンク)
雰囲気がいい。小説を書くということに対して、真摯に向き合っている気がする。
自傷的な物を伴わなければできないのかということに対しては素直にうなずけないが、そう語ろうとする姿勢はなんとなく理解できる。(この票の参照用リンク)
ちゃんと飛べていたようでよかったです。(この票の参照用リンク)
悟りってこんな風に開かれるんだろうなと。
共感できたので一票。
一番面白かったです。
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翼の夢
翼がほしい、という妄想は失礼ながら使い古された常套句のように思えた。だが、そのマイナス点(私にとっては)を補ってあまるほどに文章がいい。文章がいい、というのもこれまた傲慢な感想であるけれども、つまり、作者自身の語彙で書いている小説といえて無理がなかった。読んでいて(ここは5分くらい考えた表現だろうな)だとか(やろうとしていることはわかるけど読めないしなあ)といった邪推する暇もなく、すらすらと読めて、その文章の中に作者の声が聴き取れた。妄想、と一語で言い切れないほどの切実さと誠実さが、読後しばらくして、じわじわとくる。
だからやっぱり「翼がほしい」が残念だった。「翼をください」(だったかな)といった歌を連想してしまったりもして余計に。ここは、「アカシック・レコード」では妄想に妄想を足してアレなので、たぶん少しズラしつつ現実と仮想を配合して、虹色の色鉛筆とか、いまいちか。では「擬装少女」を追想して「まっかなハイヒール」とか。
<実際にハイヒールで歩けるはずはない。まっかなハイヒールを買ってきたところで、オレの足は本物の女ほど細くもなく、勇気もたりない。オレは、強くないのだ。地に足を着けて生きている人間は、それだけ世間の事象に地に支えられ、縛られている。砂塵が舞い、轟音に揺れるこの地上こそが、現の世界。>
……とかだったら、悲哀に滑稽さ(失礼)が加わって笑いながら読めて、あとでハタと作品の深みに気付けるような作品になっていたと思う。あくまでも自分勝手な感想ですが。
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女の子がやるから可愛いと思った私はいかれている。
それはともかく、きっと良い意味でも悪い意味でも私たちの住むこの世界はそういう世界なのだと、同感しました。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
人前でそんなこと絶対言わねぇ! と、思いつつも、これもありなのかな? とも思いましたね。
読み終わって暫くは『世知辛えな』が自分の口癖だったのは内緒です。(この票の参照用リンク)
間に合うかな?!(この票の参照用リンク)
何が起きたのか気になって仕方ないので。
「作品に魅かれる」こととは微妙に違うかもしれませんが、心魅かれることには変わりありません。(この票の参照用リンク)
描写が丁寧で上手いと思いますが、それ以上に、ごもっともですといわざるを得ません。(この票の参照用リンク)
外国のハードボイルド小説は読んだことがありませんので、元ネタがあるのかどうかわからないのですが、雰囲気はこんな感じなのでしょうね。
結局は警部が憂鬱なのはそういうことだったのか! と、唐突なオチではありますけれど納得しました。(この票の参照用リンク)
三毛猫氏の実力見たり、と思いました。
『短編』の中ですら既視感があるとも思いましたが、これも人物が描かれている作品だと思います。「狭くて、寒い」の表現は意外でした。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
ほほえましい、素直な話だと思いました。(この票の参照用リンク)
よくできたショートショート。
ネタを明かせばものすごいありきたりな話なのだが、最後の瞬間までそれを予測させない展開が見事だった。
オチまで何が起こってるのかわからず、それがわかれば再読してもうなずけるというのはいい作品だと思う。(この票の参照用リンク)
バランスが悪いようなのに、ありそうな、ありえない話。(この票の参照用リンク)
ここまで開き直られたら仕方ないです。理解できたかというとNoなんですが、面白かったのは確か。くだらないが。(この票の参照用リンク)
胸の中かすかに心の声?(この票の参照用リンク)
オチで大きく内容が翻されるわけではないのですが、思わず読み返したくなりました。爽やか。薄っぺらいとも取れますが。(この票の参照用リンク)
The エンターティメント、プロの仕事ですね。(この票の参照用リンク)
こちらの「短編」だけでなくサイト千字小説などで、無数の1000字小説を読んでいると、波乱万丈な物語や、いわゆる実験小説といった類のあたらしい作品に食あたりをおこしてしまっていて、この「ウナギ」のような、いっけん素朴に書かれ、いっけんヤマのない話に惹かれる。
とくに内容があるわけでもないのに、読んでいるだけで福岡の夏の暑さが、というより、それは福岡ではなく私の実家の夏の暑さなんだけども、じわじわと自分の夏休みなんかを思い出していて、この話には小説の時間が流れていると思った。
いっけん素朴、と書いたけれども、じっくり読んでみると2メートルのウナギがでてくる。実際の現実世界では、そうそう2メートルのウナギなんて見られるもんではない。だけども、なんとなく作者の術にはまって、私は、私なりの福岡(といっても想像してるのは自分の実家)の夏の中にいて、私もまた2メートルのウナギをみつけている気になっている。しかもそのウナギがイッシー。なんとなくネッシーを連想してしまう。でもその連想は不快にはならなくて、気持ちがいい。
そうして文中にでてくる母親の姿を読んでいると、親孝行ではない私までもがここでふと母親の大きさ、深さというか、うなぎをさばく母親の姿がとても懐かしいものに思えた。
「そやね。受験終わったらね」
という最後の手前の一文と、おいしくなかったうなぎ、の部分で、そういえば彼らは浪人生だったんだな、と、一気に、夏の暑さと朗らかなうなぎ取りの影にひそむ彼らの、暑さとはべつの、冷や汗のようなものまでみえてきて、そうするとなにか面白い、ではすましきれない読後感に包まれる。ほかにも窓の外から入ってくる友人だとか、いろいろとちりばめられた、いっけん無駄にさえ思える箇所が、作品を地底から支えている。1000字とは思えない広がりがうまれている。
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率直な感想が「面白い」でした。
「interesting」の方の「面白い」です、ちなみに。
ただ空白行の使い方に引っ掛かりを感じました。
空白部分が効果的になる部分がそうでなくなるだけでなく、
繋がるべき部分が空白によってすっきり繋がらない気がしました。
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