第53期予選時の投票状況です。16人より29票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
24 | みやび | 三浦 | 7 |
21 | 秘密 | 長月夕子 | 5 |
34 | 木の子ステーキランチ(ナスビ入り) | 曠野反次郎 | 3 |
8 | 耳掃除の話 | 公文力 | 2 |
11 | 眠らない羊飼い | 八海宵一 | 2 |
17 | 湯豆腐 | 宇加谷 研一郎 | 2 |
18 | クロッカス | 与一 | 2 |
26 | おいしい虚像 | 戦場ガ原蛇足ノ助 | 2 |
23 | ドア | えんら | 1 |
29 | ドクトル | qbc | 1 |
31 | トリニティ | hydel | 1 |
33 | ベイクドケイク | 壱倉柊 | 1 |
『みやび』という作者の創作した小道具がとても良い味を出している。『柚子でも散らしているかと思ったがあれより少し重たくて印象的である』これはそのままこの小説の印象にもあてはまる。(この票の参照用リンク)
怖いというか綺麗というか、なんとも不思議な香りのする作品。(この票の参照用リンク)
落ち着いた感じと話のまとまり。(この票の参照用リンク)
芳ってくるなみやびの香りにクラリときたので一票。嗅覚を通して広がるイメージが鮮やかでいいですね。(この票の参照用リンク)
雅と死というのが良いな〜と。またその死も老人というところが良いな〜と。(この票の参照用リンク)
一番よかった。(この票の参照用リンク)
もう完全につげ義春の画を思い浮かべながら読んでしまいました。NHKのアーカイブスでこんな短編映画が放送されてたらきっとスルメ片手に酒でも飲みながらしみじみやっちゃうんだろうなあと思います。(公文)(この票の参照用リンク)
美しいものの美しさを表現することは難しい。ただ「それは美しい」と書いても、読んでいる我々には本当にそれが美しいのか判断することはできない。この辺りが小説と映像を分ける重要な要素であると思う。たとえば映画であれば、手タレなどの実際に美しい手を写せばそれで事足りる。
『母の手はただただ白く細く、影すらないほど完璧だった』これだけではまだ弱い。しかし、『真一』の美的感覚(『この花にはこれくらいがちょうど良い』『女の唇はこうあるべきだ』『汚れないということは美しさと違うということ』)によって、その美しさは確かな説得力を持つ。小説はこうでなければならない。(この票の参照用リンク)
ラストの血の意味するところが下宿屋の娘の処女喪失の暗示だけなのか、それとも真一と母との近親相姦があったということも含んでいるのか(そして母の死も?)、そこがちょっと分からなかったのですが、とにかくもう文章が上手いな〜と。そして独特の世界観があるな〜と。(この票の参照用リンク)
三番目によかった。(この票の参照用リンク)
長月さんの書く文章はとても女性的(上手く言えないのだけれど)で好きです。そこはかと匂いたつ色気みたいなものを感じます。女学生と居候(?)の今後の何とも言えない耽美的な展開を勝手に想像してみたり。三浦さんの作品と同じく映像がはっきりと(モノクロで)見えてきます。(公文)(この票の参照用リンク)
それは画が美しいと言って済むものではありません。すべてが、それでも足りない、存在そのものが美しいのです。(黒田皐月)
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結末の意外性に一票。あと、すらすらと読めるところはやはり巧さだなと思いました。(この票の参照用リンク)
今期に限らないことだが短編全体の作品の傾向として話を創りすぎてしまっている感があり、そのこと自体が悪いのではないけれど、創作を創作と思わせないためにもうあと少しの時間をかけてほしい。そのようなわけで『みやび』『秘密』はたいへん巧いしとても敵わないと思ったのだけど保留としましたすみません。曠野さんの小説も創作ではあるのだろうけれど、創っているという気があまりしないのは、多かれ少なかれ依拠している現実が有るように思わせるからで、それが話の面白さや文体などにも反映されているのだろうと思う。 (この票の参照用リンク)
二番目によかった。(この票の参照用リンク)
読んでいて無性にドキドキさせられたので。(この票の参照用リンク)
甘い思い出になったのも良いのですが、彼女と幸せになれたら良かったのにと、物語に関係なく思ってしまいました。
本作に限らず、女に甘える男という構図が上手いと思います。(黒田皐月)
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僕の中での今期一番はこれでした。細かい理屈抜きで、純粋に楽しかったです。
前半部の多い段落が目立ちますが、それはそれでリズムがあって良い感じ。擬音も楽しい。
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現実ではありえないことを書いているのに、そのために白けることがないというところが凄いと思いました。
人を眠らせる羊を飼っている羊飼いが眠れない存在であるということに、納得。(黒田皐月)
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とても柔らかいイメージ。老人の可笑しさを描いた作品であって、しっかりと老人の可笑しさが伝わってくる。おそらく作者が伝えたいことであろうことを、読者が素直に楽しめるというのは意外と難しい。(この票の参照用リンク)
頭の唄の畳みかけが楽しくて、老人の台詞もどれも唄のようで心地良いです。
「古田さんシリーズ」である事でうまくまとめていますが、やはり老人のキャラクターが際立っています。そしてあの落ち。いいです。きれいです。
『舞姫』の岡田茉莉子を美しすぎると何度も呟いたくらいで頭がおかしいというのはちょっと言い過ぎだと思います。高峰三枝子のレオタード姿が美しいとか言っていたら頭がおかしいと思いますが。(三浦)(この票の参照用リンク)
一おくにん、たのしみます。これ、えらい。ばくはつ。かっこいい。どーん。(この票の参照用リンク)
クロッカスの花言葉は、
あなたを待っています・信頼・青春の喜び・私を信じて・切望・愛したことを後悔する
色々ありますね。
ものが突然爆発する、というのは単純に面白い出来事ですが、その単純な面白さがそのまま表現されていると思います。最後もしっかり破裂して終わるのが小気味良いです。(三浦)(この票の参照用リンク)
抽象論にいきそうでいかないところが良いと思った。(この票の参照用リンク)
いいと思います。はじめの段落が踏み抜き感にあふれていて。飽食文化に対するカウンターという賛辞だけでは消化し切れません。つまり、私は好きなんです、こういう文章。(この票の参照用リンク)
今期も駆け込みで投票。荒削りだが、捨てがたい魅力のあるこの作品へ。(この票の参照用リンク)
最初は読むのに勇気がいりましたが、すぐに気にならなくなりました。表現の仕方がうまいと思います。
最後の一言を何かで見た気がしたのが残念でした。(この票の参照用リンク)
理路整然とした会話が続くだけですが、登場人物二人とも馬鹿正直で、確かにユニークな作品です。
これまでの「短編」には(たぶん)なかった手触りです。(三浦)(この票の参照用リンク)
荒削りな部分が気にならないこともありませんが、読み始めのこってり感と、読後のあっさり感は、まさに、ベイクドケーキのものでした。
不思議とロボットが可愛らしく思えます。(この票の参照用リンク)