第41期予選時の投票状況です。12人より35票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
25 | 原っぱの決斗 キツネ対メカダヌキ | ヒモロギ | 8 |
7 | ポケット | 真央りりこ | 6 |
20 | 祖先は朝に招く | 紺詠志 | 4 |
11 | なまはげ | わら | 3 |
21 | あの男は死んだが、我々は生きている(私も生きている)。驚異的である。 | るるるぶ☆どっぐちゃん | 3 |
27 | カメレオン | 壱倉 | 3 |
23 | 死は見えずひたひたと | 瀬川潮 | 2 |
29 | せむしの理髪師 | 曠野反次郎 | 2 |
9 | 戦場 | 朝霧 彰吾 | 1 |
13 | 真夜中のざわめき | 時雨 | 1 |
18 | 路情 | P | 1 |
19 | はじまりはいつも鍋 | 負け犬 | 1 |
ひたすら楽しい。もはや説明は不要でしょう。今期の本命として1票。(この票の参照用リンク)
なんの予備知識もいらず、なんにも考えず、展開に沿ってただただ読み進める。楽しさだけを抽出して提供してくれる。(この票の参照用リンク)
第二票目はヒモロギさんでしてよ。
ヒモロギさん高尾山の天狗は楽しめまして? あそこは山の上にくせにビアガーデンまで作った都内のアミューズメントマウンテンでしてよ。あたくしも年に一度はリフトで頂上を目指しますわ。それから京王線沿線なら、高幡不動もお勧めでしてよ。鳴き竜もありますし、特にあたくしのお気に入りは不動明王の脇にいる童子でしてよ。地方仏特有の、デフォルメの効いた力強い造形をしていますの。
あら感想なのに自分の好きなものを語ってしてしまいましたわ。
さて。
あら更にお正月から掲示板で大活躍のPさんのパクリまでしてしまいましたわ。
とにかくですわね、今月のヒモロギさんは、ヒモロギさんの最大の魅力であるとあたくしが考えてる、荒唐無稽の描写をやりたい、という欲求が、構成にまで及んでいたと思いますわ。
タヌキとキツネは人間を化かして笑いたい、ヒモロギさんは描写で読者を楽しませたい、そんな気持ちが構成にまで表れていた気がしますの。描写で沸かせたい、という気持ち。ふふ、いや違うかしら、本当は自分の描写で自分が楽しみたいのかしらね。
ヒモロギさんには東大前の弥生美術館もお勧めするわ。
【匿名の(qb)c太郎】(この票の参照用リンク)
「禽」は鳥のことなのでタヌキとキツネだけなら「禽獣」はふさわしくないと思う以外に難点らしきものはない。とってもおもしろかった。視点の転換に「新月の夜」をふたたび持ってくるというテクニックもじつに効果的だ。(この票の参照用リンク)
北斗七星が狐の守護星であるとか、狸と狐が何に化ける傾向があるかとか、妙な豆知識がちりばめられていて、とてもお得感のある千字である。ラストもお約束という感じだが、とても判りやすくて面白い。(海)(この票の参照用リンク)
エンタメ度を評価(この票の参照用リンク)
感想は掲示板を参照されたし(P)(この票の参照用リンク)
昔話の典型をしっかり押さえていて、その上で面白い描写が随所にあって、とてもよかったです。(この票の参照用リンク)
再読して面白さが増しました。「くだらないもののために時間はあるのよ」は「短編・心に残る文章」の1つとして記憶していたいです。今期の対抗として1票。(この票の参照用リンク)
年上のお姉さまに玩ばれる感じがいい。読めば読むほどエロティック。(この票の参照用リンク)
今月の投票ページの推薦作品のフレームはやけに横長なのね、☆さんのタイトルが長いせいかしら、あたくし驚いたわ。
今月の第一票目は「ポケット」でしてよ。ふふ。
最初に読んだ時にはちょっと面白いかなって思ったのですけど、でも正直あまりよく分からないわ、という印象のほうが強かったのよ。でも他の方が投票なさっていたので「え、まじ? そんなに面白いの?」と読み返してみたら、なんだかとっても助平な小説に思えてしようがなかったのですわ。
>いい、ちゃんと息をして、足は伸ばしてくつろいで。
これはベッドで男の子を安心させているのかしら。女が年上で、男の子は年下ね。もしかしたら男の子は初めてなのかしら。きっとそうよ。そうに違いないわ。
>痛っと思った時には左手から血が流れてた。(略)あれは生きている色なんだと思うわけ。(略)そういうものを人に見せちゃいけない気がして、砂場の横の水道で洗った。手の皮が剥がれそうなくらいに何かを洗ったのは、はじめてだった。
これは処女喪失の思い出かしら。いいわね。女の子っていいわね。処女喪失の思い出がしっかりと残ってるのっていいわね。男の子の初めてなんて、気持ちいいか戸惑ったしかないもの。それにしても(略)なんて、あたくし律儀ね。いや当然の礼儀ですわね。
>それからオルゴールの鍵。これはね、どこに行ったかわからないのオルゴールの鍵。
やだ、鍵って男性器のこと? 昔に別れた男のこと忘れられないって、今の男に語ってるところなの? やだ、あたくしまじめだから赤くなっちゃう。しかも鍵だなんて。そんな大事なもので比ゆしないで。
>ああ、だいぶ入ったわね。なかの居心地はどう?あなたを入れると何が残るのかしら。楽しみだわ。
「ぽっけ」って要するに子宮のことなのかしら? 違うわよね。でもそう思えてならないの、あたくし。「先入観を持って議論をする人は自分の影と戯れる子供のようなものだ」って掲示板で読んだわ。自分の影と戯れるのって楽しいわね。
今月はブームの予感がするので、記名投票でしてよ。
【匿名の(qb)c太郎】(この票の参照用リンク)
最後の「?」のあとが1マスあいていない以外に難点らしきものはない。「そのときはね思わないわよ」「どこに行ったかわからないのオルゴールの鍵」も少し気になったが、効果的とも思える。グロテスクでもありエロチックでもある奇妙な作品で、おもしろかった。(この票の参照用リンク)
真央りりこさん(以下敬称略)の「ポケット」は読み返すたびにどきどきする。女性があるとき自分の中のポケットを誰かにみせる、という話から始まって、ブランコの鎖や石、押し花、鳥の羽根、オルゴールの鍵にぶたの指人形、それからママの口紅……なんだかそれだけで言葉の手品を読んでるみたいな気持ちになるのに
「あと、はじめて作ったペーパーナイフ。これ、ぽっけに入れてて自分の横腹切ったことあるのよ。ちょっと切ってみる? 手、貸しなさいよ。」
と突然切りつけられてしまって、そう! こういう飛躍なんだ、と思う。唐突に何かを破壊しまくったり、いきなり幻想からスタートするのばかりが詩ではなくて、「ポケット」からはじまった何気ない物、その何気ない物の記憶を語るうちに、ふっと飛ぶときに詩は鮮やかに生まれるんだなあ、と思った。こういうのが読めると作者に「ありがとうございました」と言いたくなってくる。真央りりこさんは毎月の出来不出来なんて気にせずにもっともっと書きまくってください!
(この票の参照用リンク)
一回目、最後の方で見事に裏切られ、二回目、三回目と読むたびに違った楽しみ方ができた。(この票の参照用リンク)
はじめの三行くらいを読んで、世界に引き込まれた。これも祖先のおみちびき。(この票の参照用リンク)
終わり方が少しつまんないかなと思ったけど、そこまでの文章力というのは強い。(この票の参照用リンク)
感想は掲示板を参照されたし(P)(この票の参照用リンク)
説明しにくい種類の面白さ。(この票の参照用リンク)
まああのなまはげという風習はろくなものではない、怠け者を戒めると言っても、子供が泣きわめく映像が毎年テレビで流れるのを見るたびに、かの地の子供たちはみんなトラウマを抱いてしまうぞとよそ者としては気の毒に思っていた。
この作品はそういう部外者の気分をよく代弁してくれたものだと思った。なまはげと桃太郎のふるさとの土地の人が読んだらどう感じるのかはよく判らない。面白がってくれるのではないかと思うけれど。(海)(この票の参照用リンク)
感想
は掲示板を参照されたし(P)(この票の参照用リンク)
あーなるほどね、と思った。文章の感じもなんだかいい。(この票の参照用リンク)
青空に映える菜園を見てしまった。(この票の参照用リンク)
とてもおもしろい。いわば思考停止を美徳する世界はブラッドベリ的だが、主人公は愛する娘によってその世界への反逆をくわだてない。たとえパンクの本が見つかったとしても、彼は体制に反抗しないだろう。それよりも娘との夕食の準備のほうが大切だ。と書くと、たんなるマイホーム・パパの話だが、この作品はもっと示唆に富んでおり、人物も世界も魅力的だ。(この票の参照用リンク)
「ただいま」
娘は暮れかけた明かりの中、螺旋階段に座って本を読む父を見上げた。
「ああ。おかえり」
「最近は信号の青色が綺麗なのね。街中できらきら光ってた」
うまく言えないけど、ここが好きだ。これが、るるるぶ☆どっぐちゃんさん(以下敬称略)の原点だ、みつけたぞ。と思う。この部分があるから、るるるぶ作品をやや拒絶しながらも大好きなんだなあ。1000字の中に父娘の意見の対立をもってくるのもさすがだ、と思って、そういえば「短編」の作品群に<異なる考えをひとつの作品の中でぶつけあっている作品>というのは少ない気がする。
(この票の参照用リンク)
子どもの頃自分の中に秘めて大切にしていたものが、「なんだ、そんなの」と友人に否定された瞬間、疎ましいものに変わるという経験は、もしかしたら誰もがしているのではないか。
寂しさの中ですがっていた存在なのに、彼女が否定した途端に邪魔になる。持て余されたカメレオンは売り払われようとして抵抗し、壊されてしまう。
かくも人間は残酷で弱い。(この票の参照用リンク)
一時は「楽しませてくれた」にもかかわらず、恋人と仲直りをすると途端に「邪魔な瓶」となってしまう。語り手の掌を返したような変化がなんとも残酷であるが、それが落ちて溢れ出た赤い液体はもちろん血の象徴と言うべく、喪失のかなしみが印象に残った。(海)(この票の参照用リンク)
「カメレオン」は見事にお話になっていると思うから、「カメレオンってワインってのがあってね、それは他のワインを注ぐとまだらになったり真っ赤になったりするんだって」という部分はぜひともエイプリール・フールで使わせてもらいたい。こんなお話は何年たっても古くならないから、この話を書いた壱倉さんは10年くらいたったあと「昔かいたんだけど」と言って誰かに堂々と見せることができると思うし、こういう意味での<よくできたお話>をもっと読みたい。
(この票の参照用リンク)
展開は新鮮味がないし、ショートショートの割には死のインフレが起きていてインパクトに欠けるのは確か。
ただ、暗い夜道、歩道の新雪に足跡だけがサクサクと生まれていく、その非日常的な情景が個人的にツボにはまった。(この票の参照用リンク)
設定とオチが独創的でいいです。ライトノベルっぽい、読みやすい明るい文章が好印象でした。(この票の参照用リンク)
ぐるぐる回転する思考がアラノさんらしくてよかった。(この票の参照用リンク)
三票目は、あらのさんでしてよ。あらのさん、漢字が変換できないから、失礼なのを知りつつも、ヒラカナでしてよ。いやだめだわ。あたくしコピペでもちゃんと記しますわ。曠野さん。曠野さん。曠野さん。
>何が成る程なものか。
ノリツッコミですわね。ノリツッコミ、素晴らしいですわ。まさかここまできて単純にノリツッコミで落とすとは思わなかったですわノリツッコミなんかで。一人ボケ一人ツッコミは寂しいですわね。ちなみにあたくし美容院ですから、剃刀の恐怖は味わえませんの。
【匿名の(qb)c太郎】(この票の参照用リンク)
いい意味でも悪い意味でもインパクトがあり気にかかる作品。どちらかといえば「悪い意味」での方が強いけど。
もう少し文章力、構成力が上手であれば他の作品の中に埋もれてしまっていてここで投票なんかしたりしない。(この票の参照用リンク)
ざわめきの逆転を評価(この票の参照用リンク)
しがらみを評価(この票の参照用リンク)
短い間に、登場人物の関係性と暖かい雰囲気、それにストーリーがしっかりと書き込まれていて純粋に楽しめました。(この票の参照用リンク)