全投票一覧(日時順)
第240期予選時の投票状況です。9人より26票を頂きました。
2022年9月30日 20時7分0秒
- 推薦作品
- 東京文化大学(蘇泉)
- 感想
- おもしろかったです。いかにもありそうな校名だし、ありそうな話だなと思いました。王さんがこの後、どうしたのかが気になるところですが、文字数的には、ここで切るのが千字小説なんだろうなと思います。東京文化大学の人を採用するかしないか、この後の王さんの人間性が気になります。(宵一)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 花見猫(吟硝子)
- 感想
- 「ワガハイは肉派なのである。」がすてき。たしかにそんな猫もいるにちがいない、そう思いました。ちなみに、ニンゲンはカタカナ理解なのに、十把一絡げは「ジッパヒトカラゲ」にならないところが、この猫らしい気がします。ほんわかとした猫エピソードのはずなのに、最後の一文がとても寂しい印象でした。読み手によって変わると思いますが、ニンゲンどころか花もない世界が待っていそうな気がしました。でも、そういう世界観がすき。(宵一)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- そして石になる(朝飯抜太郎)
- 感想
- 前半と後半で大きく話の調子が変わるので驚きましたが、おもしろかったです。シリアスな話と思わせて、実は……という話、大好物です。ただ、前半のトーンのまま、作品を作ったら、どうなるのかも気になります。SFショートショート大好きなので。(宵一)(この票の参照用リンク)
2022年9月30日 12時46分5秒
- 推薦作品
- 魔法使いの末裔(たなかなつみ)
- 感想
- 語りが綺麗で惹きつけられた。どんな聞こえ方なのかは自分の想像の限界の先にあるが、素粒子を感知できるカミオカンデみたいなもので、宇宙の秘密に触れるようなロマンを感じた。「たぶんね。」というのが不敵な響きで良い。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 国内および国家間の不平等を是正する(テックスロー)
- 感想
- 強い推進力を感じた。「猿は。」と収まり切ってないのも、まだまだ続きそうな勢いを体現しており悪い印象ではなかった。それぞれのキャラが立っており、言動に説得力があり
、それが噛み合って勝手に話が進んでいく様子が面白かった。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 日曜日の音楽(euReka)
- 感想
- 祈りという行為にスポットが当たっているからかもしれないが、全体に静謐な印象があってよかった。真実味があり、語り手や祖母の人物像、あるいは人生の奥行きを感じて温かい気持ちになった。
その他
#1 東京文化大学
文体に味があって良かった。実際にありそうなエピソードで面白い。
#8 列を抜け出してパスタ屋に向かった、あの日。
女性の人物像に好感が持てる。それを中心に肉付けが行われた作品のようにも感じた。
#10 そして石になる
オチは予想できたが語りが面白くて笑った。
#12 聖域
独特の展開とそれにマッチした文体で読み応えがあった。特異な光景だが割とすんなり想像できた。指が「すっと抜」けていく様子が異様で面白かった。
#13 祝電
今期ならではの粋な作品だった。おめでとうございます。(この票の参照用リンク)
2022年9月27日 21時24分46秒
- 推薦作品
- 魔法使いの末裔(たなかなつみ)
- 感想
- よかった。子どもの格好をすっかり変えてしまった親に対して「魔法使いでは」と思う純真さがよいし、親の子に対する好きに生きろなスタンスも好ましかった。ニンゲンカタカナ表記は少しうるさいかも。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- シゲさんは不器用(霧野楢人)
- 感想
- これは読んでいて楽しかった。これまでの緻密な描写から転じて、短くザクザクとテンポのよい文体が小気味よい。それでいて「俺たちは夏を蹴り起こす」などそこかしこにはっとさせられるセンテンスが散りばめられている。
だんだん雲行きがあやしくなっていき、ラストで語り手のシゲさんへの感情と、夏の終わりの寂しさが重なっているのがうまいと思った。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 列を抜け出してパスタ屋に向かった、あの日。((あ))
- 感想
- ひとりひとりに物語があり、それが層をなしていることに気づかされる。ラーメン屋の行列がきっかけで関係が始まった二人、というところまではありそうな話(そうでもないか?)だけど、後半でひねりを入れることで二人の関係性に深みが増している。さらにそれから長い間続いているんだな、という、二人でテレビを見ている今に繋がっていて、ここまでくると一文では要約ができない。そして「エフェクトがましまし」のパワーワードが絶妙のタイミングで挿しこまれる。面白かった。(この票の参照用リンク)
2022年9月24日 21時33分5秒
- 推薦作品
- 国内および国家間の不平等を是正する(テックスロー)
- 感想
- 昔話を今の視点で語り直す話はよく目にするが、財宝が全部猿のものになる流れは初めて
見たかも。そこまでの流れも納得できるし面白い。タイトルがこれなので期待していた
帰国(村?)後も意外な流れ。戦時中/戦後の乖離が見えるようで、最後まで面白かった。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- シゲさんは不器用(霧野楢人)
- 感想
- 語り手のシゲさんに対する愛情がいっぱい詰まっていて、読みながら胸がつまった。
語り手から見たシゲさんや自身の関わり方の描かれ方がよい。とにかくひとつひとつの
語り方がよい。「夏を蹴り起こす」「発声練習」「夢みたいだ。夢なんだろう」もう全部。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 聖域(Y.田中 崖)
- 感想
- 神として祀られる側からの視点が面白い。「わからないもの」同士。そして自身にはない
ものをおそれ奉じる。塊が破裂した理由は「神」との邂逅自体とは関係ないが、意味を
もたせることは容易。語り手はそれを祖母から受け継ぐのか。業の深い話だと思った。(この票の参照用リンク)
2022年9月19日 23時10分36秒
- 推薦作品
- 魔法使いの末裔(たなかなつみ)
- 感想
- 天才性の表現、「魔法」というテーマで上手くまとまっていると思う。
『跡を継ぐよ。そう告げると、親は鋏を点検しながら、そんなことはいいから、好きなように生きなさい、と言う。』では、親と子の愛情と信頼関係が短いテキストで表現されているのがいいなと思った。
音を変化させることが、「世界を救った」と接続するところとか、これからの物語の発展だとか、何だってできる/起こる未来を感じさせて、とても良かった。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 国内および国家間の不平等を是正する(テックスロー)
- 感想
- 初読では猿が最も人間らしいと思った。なので猿が我々であり、ラストの「猿は」で終わるのは我々はどうするか?という問いかけのようで、うまいなと思った。読者としては猿がどう行動するのか読んでみたかった。
他の感想にもあってそうだなと思ったが、それぞれに気持ち悪さがあり、桃太郎のように無欲に生きるのが理想なのかもしれないが、そこにも何か異常なものを感じてしまうところに、清濁併せのむとか、そういう簡単な言葉ではなくて、そもそも確かなものなどないという、人間の心細さを感じる。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 祝電(八海宵一)
- 感想
- 長い人生の日常の中で、忘れてしまったり、薄れてしまうものを、「祝う」という行為が、少しだけ潤すというのが心に良い気持ちを残す。間違って祝電を出した?人には悪いかもしれないが、こうやって人生に起こすさざ波の良さを見ると、これでよかったと感じる。(この票の参照用リンク)
2022年9月18日 9時31分43秒
- 推薦作品
- 日曜日の音楽(euReka)
- 感想
- 自分が大事にするものに祈りをささげる。何かを好きだということ、そしてその好きなもの自体に感謝をささげることを否定してはいけないというメッセージを感じる。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- そして石になる(朝飯抜太郎)
- 感想
- 石切りみたいにポンポンと話が飛ぶけど、ずーっと結末まで読ませるドライブ感。
某映画のパロディっぽいタイトルが微妙に本文にかすったり、
>何のことはない、奴らも一枚岩ではなかった
とだけ言い捨てて石機能停止技術の説明をうっちゃったり、(一枚岩言いたかっただけとちゃうんかと)
おふざけが、全体の1000字の物語が壊れない程度にちりばめられていて、深く考えなくていい仕掛けが随所にある。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 剝き身になったわたし(ウワノソラ。)
- 感想
- 西野カナがいい味を出していると思った。
あんまり西野カナを聞いたことないのですが、のろけどつき夫婦漫才的な曲が記憶にあります。なのでどの曲があなたの気持ちを代弁できているかわからないし、聞いてみたいと思います。恋人をアスペルガーとなじったり論破するような曲はないと思いますので、それがかなわない相手への願望の反映だったら、切ないですね。文章を書く決意を書いた文章自体は、珍しいものではないけれど、なんとなく自然に思えました。
そのた 気になったもの
#13 祝電
最初おおっと思って投票するときもう一度読もうと思ったが、再読しても初読以上の感動や発見はなかった。そういう意図の作品というのは分かっているけど。
#6 シゲさんは不器用
話の流れがわかりやすくてよかった。(この票の参照用リンク)
2022年9月15日 19時5分49秒
- 推薦作品
- シゲさんは不器用(霧野楢人)
- 感想
- #6 シゲさんは不器用
シゲさんのひととなり、シゲさんに対する静かな好感、別れ。そういうものが山の風景の中で、山を愛する人の感覚のフィルターを通して伝わってくる。リアルさと温かみを感じた。扱おうとしているものが美しい。自然と人事がうまくミキシングされている。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 国内および国家間の不平等を是正する(テックスロー)
- 感想
- #4 国内及び国家間の不平等を是正する
英雄らしさ、猿らしさ、犬らしさ、雉らしさ、おじいちゃんおばあちゃんor実家の親らしさがよく出ている。猿の欲深さに読者が憤ることで物語に関心を惹きつける仕組みができていると思う。猿だけが不快なのではなく、桃太郎の無欲さも、犬の権力者におもねる姿勢も、雉の「金より経験」な意識高い系価値観も、皆程々に気持ち悪く、納得がいかない。最後は猿の現金さが清々しく好ましく思えてきさえする。富の配分は、本人たちの中で良くてもはたから見て納得がいかない。そう言うむず痒さが、SDGsの10番目の提言句であるタイトルと響き合う。理想と現実のギャップだとか、公平さという価値観の曖昧さの指摘に見えて面白かった。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- そして石になる(朝飯抜太郎)
- 感想
- #10 そして石になる
これ本当に千字?かなり多くの内容が無理なく書かれている。今回これが優勝するんじゃないかと思ってる。緊張と緩和の笑いの仕組みがうまく使えてるしバランス感覚も抜群。でも好きじゃないところがあって、ギャグとして綺麗に壊したいとしても最後石になることを主人公が選ぶのが、物語の筋書きに寄せすぎてて、作者の思惑をチラっと感じてしまった…!読者としてはリーダーを好ましく思ってしまい、醜く強く生きて欲しいという願望を持ったのだが、それも叶えられず…!結末の狙いについてはペッて感じがしたが、これがエンタメとして優れていることは無視できない…推薦することにした。
#2 花見猫
猫感出ていると思う。1000字以内の作品としてこれで完結としたのもわかる気がする。迂闊にエピソード増やせなそう。今期の他の投稿作品はメインディッシュ級が多かったので、綺麗な前菜的な本作にまで推薦が回らなかった。
#8 列を抜け出してパスタ屋に向かった、あの日。
今回カップルの関係性を男性視点で書くような作品がいくつかあって、その中でこれが一番よかった。他の作品に比べると、男の人柄や想いの強さ、男の目を通した女の魅力、男と女のストーリーが一番伝わってきた。背景の電子マネーのラーメン屋も読者の興味を引くフックとしてよく効いている。これか#!0かで最後まで迷った。(この票の参照用リンク)
2022年9月15日 10時44分51秒
- 推薦作品
- 祝電(八海宵一)
- 感想
- 素敵なお話でした。ほんわかとさせてもらいましたね。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- そして石になる(朝飯抜太郎)
- 感想
- にゃはは、そりゃあ石にもなりますね。テーマからオチへとの繋げ方に唸らされました。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- あなたがくれるもの(わがまま娘)
- 感想
- ちょっと状況が読みにくい部分もありましたが、若い男女(たぶん)の心の交流が素敵に描かれていましたね。
『東京文化大学』には笑わせていただきました。ついその大学名を検索してしまったくらいです。今回はライバルが強力でしたが、その次点に推したいと思います。
『花見猫』はシンプルな内容をさらに短く 500字ぴったりにまとめたのが腕の見せ所に感じました。…人類絶滅後はヒトの周辺にいる動物・生物は割と早々と姿を消すそうですが。
『魔法使いの末裔』は現在はヒトに対してそんな無茶な実験・研究はできなくなっていますが、と思いつつ、『めだかボックス』の驚異の受信能力者、行橋 未造を思い出しました。末尾の一行で素敵に終わりましたね。
『列を抜け出してパスタ屋に向かった、あの日。』はその男女が元々はどのような関係だったかが読みにくく、せっかくのラーメン屋の設定も生かし切れてないように感じられたのが残念です。
『シゲさんは不器用』は同じ作者の前々作、『高嶺ヶ原』を思い起こさせる作品でしたが、シゲさんへの想いが強すぎて、ちょっとまとめきれてないように感じました。もっと普通の文体で書いても良かったと思います。
『日曜日の音楽』はちょっと変わった、でも普通の情景を普通に切り取った一コマでした。雰囲気は素敵なのですが、やや心に届ききらず、残念です。
『国内および国家間の不平等を是正する』は、普通の物語をシュールにするという趣向は分かるのですが、ちょっともやもやが残りました。
『聖域』はホラー系のシュールなのですが、結局趣旨は読み取れず、この長さではまとめきれなかったことを感じました。(この票の参照用リンク)
2022年9月14日 5時44分38秒
- 推薦作品
- 魔法使いの末裔(たなかなつみ)
- 感想
- 良くも悪くも物語より雰囲気を優先させる作家なんだろうと感じる。その世界観がハマれば心地良いし合わなければ「ハァ?」で終わる。今回は前者。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 祝電(八海宵一)
- 感想
- 細かい表現が気になるが余計な要素を入れずワンアイディアで千文字使い切って綺麗に作ったなと感じた。(この票の参照用リンク)
編集:短編 / 管理者連絡先: webmaster@tanpen.jp