第14期予選時の投票状況です。16人より43票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
19 | 街 | 曠野反次郎 | 8 |
26 | 鴉の駅長 | ワラビー | 6 |
27 | 無限ループの愛に | 逢澤透明 | 4 |
28 | アルジェリア | 林徳鎬 | 4 |
13 | 緑の石柱 | ユウ | 3 |
20 | (削除されました) | - | 3 |
3 | 午後の林 | 赤井都 | 2 |
24 | (削除されました) | - | 2 |
25 | 鬼灯 | 朽木花織 | 2 |
1 | 一等星の恋人 | 三浦 | 1 |
4 | マルサ | Shou | 1 |
6 | 夢のしっぽ | バクスイ | 1 |
7 | (削除されました) | - | 1 |
12 | 潮街道 | raspy | 1 |
20 | 死なずの鳥 | 久遠 | 1 |
23 | チョコレートサンデー | るるるぶ☆どっぐちゃん | 1 |
30 | 釣りと宿題 | Nishino Tatami | 1 |
31 | 石臼 | 赤珠 | 1 |
一読目と二読目で、違う街と観察者を想像させるのに、
それでもそれぞれの情景がちゃんと浮かぶ。そして最後には、
悲惨さも哀愁もないぺしゃんという音で消えるのも、
独特の無常感があっていい。(この票の参照用リンク)
「鴉の駅長」とどちらにしようか迷ったのですが、インパクトからこちらに。最後の一文がやはり、ずしんときます。(この票の参照用リンク)
落とし方がどうかな、と胸の内で賛否両論あるところ。しかしそれは、そこまでがいかによくできているかということの現れでもあろうし、何よりこの作者の作品にしてはわかりやすくて、これくらいがいいな、と思ったので。(この票の参照用リンク)
きれいにまとまっていて読みやすいし、狙ったとおりの感覚を得ることができる。できすぎた感じがしなくもないが、でも拍手したいような気分にさせられるので、素直に一票。(この票の参照用リンク)
街 御伽噺の古い形式をうまくパロディ化している。(この票の参照用リンク)
これはある意味しかたない。今回は、他に良い作品があるので外そうと思ったが、これはある意味しかたないと思う。箱庭的世界を作り出し、その箱庭的世界観を生かしてあのオチにつなげた。上手い云々というより、これはもうしかたないことなのだ。トンネル−踏切−地下鉄、という共通の空気を持った三部作とは違う曠野反次郎が読めてお得な作品。(この票の参照用リンク)
反次郎ワールドですね。(この票の参照用リンク)
箱庭世界の構築。住人達の巧みなリンク。最後の一文は余計か。完成度は高い。
優勝確率:40%
J.F(この票の参照用リンク)
実際にあってもおかしくない(この票の参照用リンク)
際立った技を使うわけではなく、雰囲気で読ませるという手法が上手く実を結んでいる。個人的には他期の作品と合わせて比べてもかなり上位評価になると思うので、積極的に支持したい。(この票の参照用リンク)
面白い。読んでるほうの意識が鴉に向きすぎることもなく、主人公の視点を通して彼のいる場所の空気をしばらく味わわせてくれる。ちょっと旅気分のあと、忘れたころに鴉が来る。あ、そういうことだったの、くらいのサプライズなんだけど、それが心地いい。1000字とは思えないひろがりがある。
と、締め切りぎりぎりまで投票しないもんだから、酔っ払って書くはめに。今回は迷うことなく三つ選べた期であった。(この票の参照用リンク)
鴉は利口な鳥だから、訓練すればあるいはこれくらいの仕事はするかも知れないという気にさせられる。別に劇的な山もオチもない、他愛ない空想とも見えるが、イメージがしっかり書き込んであって、引き込まれて気持ちよく読みおえることができた。(この票の参照用リンク)
「緑の石柱」「街」に比べて’ワールド感’は弱いがその分近親感がもてる。(この票の参照用リンク)
この人の作品は今まであんまりピンと来なかったんですが、これは多分ワラビーさんの書くものが文学よりで、私と文学との相性が悪かったからだと思います。
「鴉の駅員」は、スッと入ってきました。鴉が可愛かったから、なのかも知れません。(この票の参照用リンク)
これは初読で一番印象に残りました。ほのぼの雰囲気に加えて、予定調和の中にすっぽりおさまったような安心感がたまりません。(この票の参照用リンク)
幼稚園の頃、「黒ヤギさんからお手紙着いた 白ヤギさんたら読まずに食べた……」という歌を習って、結局何が書いてあったか判らないままで、いつまで経っても同じことの繰り返しだよなあ、と思ったものだ。
誰にも知られないうちに失われてしまうものがあるということ、そして題名にもある「無限」という概念を朧気に意識した最初で、だから印象深く覚えているのだろう。(この票の参照用リンク)
可愛らしさ。セリフ回しの功。軽薄にして優美。もうひとりの僕に意味は無い。
優勝確率:20%
J.F(この票の参照用リンク)
全体に流れる可愛らしさにやられてしまった。かなりツボでした。(この票の参照用リンク)
タイトルのアルジェリアから、カミユの異邦人を連想した。そしてそのイメージは私を良い方へと終始引きずっていった。ただ、文中、「論理的に。」「美しく。」とあるが、これは言うべきではない。(この票の参照用リンク)
感覚だけの世界。その迫力。ただ飲み込まれる。アルジェリア。何処だ。
優勝確率:15%
J.F(この票の参照用リンク)
ただそれだけ。何が起こっているのか、はっきりしたことは話の後半になってやっと説明される。一行だけ。ニヤリとさせられました。
どきどきした、票を入れる理由はそれだけで充分です、私としては。
こういうのは林さん独特の濃い文章があってこそなのかも知れませんが、「なるほど」と思いました。
あとこれって「林氏流あらはん氏作品」みたいな趣もあるかなぁとか思ったんですが、そういうのは失礼な意見でしょうか。(この票の参照用リンク)
タイトルの意味がよく理解できなかったのだけれど、強烈な引力を持った文章だと感じたので一票。(この票の参照用リンク)
これは屋久島の縄文杉を知っているかどうかで、
結構評価が上下するような気がする。
ビルがまるごと1本の木になってしまう、
という少々無茶なイメージを与えるのに、
あの縄文杉の存在感が大きく影響すると思うので。
屋久島の杉を思い浮かべ、燃料計を確認してしまう係員の、
管理人の老人に負けず劣らずなロマンチストぶりも良かった。(この票の参照用リンク)
「静かな木」に続き、緑(植物)という一貫したテーマが感じられて、思わず推したくなる作品。前回よりも完成度が高いと見る。なぜかと言えば、今回の方が「何を語り、何を語らないか」という「対象へのこだわり」のバランスがとれているのだ。これから注目したい書き手である。(この票の参照用リンク)
優しい。読者を楽しませようとする気持ちが伝わる。(この票の参照用リンク)
終わりが印象に残った(この票の参照用リンク)
これは再読で一番印象に残りました。骨だけの鳥の群れという光景が大変美しい。ペンダントという小道具も効果アリ。(この票の参照用リンク)
まず骨だけの鳥が月光の中を飛んでいくという、現実にはあり得ない不思議な情景を創り出している点に感心した。ファンタジーというものには、私は熱心な読者ではないのだが、そこへ死に近い少女を置くことで話全体がぐっと重石をつけられて普遍的な力を備えているのだと思う。(この票の参照用リンク)
午後の林 なるほどこれは良いですね。(この票の参照用リンク)
「しゃもじ」の勝利。(この票の参照用リンク)
文体から見て、これはバイブルから発想したものであろう。三位一体の世界である。しかしここではバイブルの説くところとは大きくずれている。最後に「いつか来るその時まで我々の言葉に本当の意味はない」と言っているのだから、いくらあげつらっても始らない。バイブルを素材とした文学作品は多くあるが、神をこういった角度から扱った作品は少ないように思う。これからも挑戦していただきたい。(この票の参照用リンク)
最高。石に刻んで砕いて地中に埋めておきたい。(この票の参照用リンク)
裏にある複雑な人間関係について、あれこれ想像を膨らませることができました。
想像力の喚起という点ではこの作品が一番だったと思います。
ただ、『私』の感情がわかりにくかったのが残念です。(この票の参照用リンク)
なんでもない風景なのだが、なぜかとても懐かしくなる。家族を描いているのだが、そこには欠けた家族がいる。二律背反的な苦しみ、喜び、つまり人間。人間を描いている。ドラマチックというのは、何も大仰な仕掛けが必要なのではない。仕掛けがなくともドラマチックは成立するのだ。そんな作品。(この票の参照用リンク)
語り手の表情が見えるような文がいい。(この票の参照用リンク)
読み直したら他の投票予定だった作品のアラがやたらと目立って見えるので、結局この作品のみに投票する。
障害者(盲)と障害者(知恵遅れ)の生活だが、まったく暗いところが無いのが良い。主人公の「大人らしく振舞え」のセリフには、知的障害者のゾゾにもマルサが来て勃起する日が来るかもしれないということだろうか。マルサが来ても涙しか流れない主人公の予言を聞いたゾゾが、(わかってはいないだろうが)意地悪で朝食を隠すのも頷ける。朝食を暇つぶしで探す主人公も、なんだかんだ言ってゾゾが好きなのだろう。
爽やかな読後感が、私自身、意外であった。(この票の参照用リンク)
起きられるのに起きられないあの感覚を、
上手く表現していると思う。
読んでいて体温が少し上がった気がした。
特に夢のしっぽにすがりつく、という表現には、
そう、それだ! と思った。(この票の参照用リンク)
こういう類の話は好きだし、文章も読み易くてすんなり読めたので、1票です。
ただ、ビールを独りで飲むシーンが、妻をないがしろにしているように感じられて、全体の雰囲気とミスマッチになってしまったような気がします。
妻を起こさないことが優しさなのかもしれませんが……(この票の参照用リンク)
個人的に好きな作品。前回のはいまいち、個人的にはPM2:00のソリッドなかんじが好きだった。今回のはきちんとした日本語小説からは想起されない手触りがあって、一番適切な言葉を選んでいるわけではないんだけど、そのちょっとごつごつしたかんじが味わいを深めるような、外国のものを翻訳したような、そういう匂いがちょっとする。ただ、オチなしというか、別にオチなくてもいいんだけど、一定の方向性をつけて終わってほしかった。意味のわかる話は書く意味がない(というような主旨で掲示板に書いてたと思うけど)という発想は、何本も書いてるうちに、そうすることに意味があるのか、そのことの意味が問われてくると思うし、そうなると苦しいんじゃないかな、と余計な心配をする。(この票の参照用リンク)
僕の場合、カタカナの名前が出てくると、遠い情景を思い浮かべ、イメージしづらいのですが、この作品はすんなり入っていけました。
これだけ短いのにそう思わせるのは、表現がうまいからかなと思いました。
もの悲しい雰囲気に、主人公の温かさが調和していて、いい作品だと思います。(この票の参照用リンク)
「インリンて」と思わず突っ込んでました。突っ込んでしまった時点で負け。インリンはあのインリンです、ね? 少し不安。
三十秒→十三秒というオヤジギャグにも似た言葉遊びのあと、アリスを黒こげにしといて、そのあと「あたし」と「インリン」にのんびりと会話をさせる。そういうこの人独特の残酷さというか何と言うか、そういうのはやっぱり「すごい」と思ってしまう。
あと「インリン」「溶けるチョコレート」「赤い首輪」とかが微妙に変にエロくて、いい。そういうのを狙ったんじゃないかと勝手に勘ぐってしまっているんですが、どうなんでしょう?
などといろいろ書いてしまいましたが、この人の作品に投票する場合は脊髄反射的に「わあ、これ面白い」と思ってしまうわけでして、実は今回もそんな感じです。(この票の参照用リンク)
釣りと宿題 この普通さは貴重かも。でも4本目は多すぎ。(この票の参照用リンク)
悪く言えば今さらこれを読みたいか、ということになるけれども、読んでみればきちんと楽しめる、つくりのしっかりした作品。万人に勧められるという点を評価したい気分になった。(この票の参照用リンク)