第76期予選時の投票状況です。10人より24票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
1 | 黒い羊 | アンデッド | 3 |
6 | エイミー | yasu | 3 |
22 | 檻の中の仔猫 | qbc | 3 |
8 | 春はめぐる | 葉っぱ | 2 |
9 | 『レッドキングの結婚』 | 石川楡井 | 2 |
10 | 写真班員と市場 | クマの子 | 2 |
15 | 霧 | K | 2 |
20 | ワン | るるるぶ☆どっぐちゃん | 2 |
7 | パワーストーン | 暮林琴里 | 1 |
16 | 押入れの独楽 | 宇加谷 研一郎 | 1 |
16 | 押入れの独楽 | 宇加谷 研一郎 | 1 |
19 | さよなら | 三毛猫 澪 | 1 |
21 | カタマタクラ男爵のトースト | えぬじぃ | 1 |
何ひとつ過不足のない完成度の高い作品だと思った。なぜ生を断とうとしたのかという問いすら、完結した世界の外側で騒いでいる程度のものでしかないだろう。
「遊星が大地に挨拶を交わして光り輝く三日前。」は私も何のことかわからなかったが、物語の定石である「いつ」から書き始めることに従っただけで、その内容に意味はないのだろうと思った。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
好き。(この票の参照用リンク)
隠喩に隠喩を重ね、悪い夢のような現実感が出ているのがいい。人が絶望したときはこんな精神状態になるのだろうと共感できる。黒い羊は容易に悪魔を連想させてしまうので、そこの使い方の是非は難しいところだが。(この票の参照用リンク)
今月はぱっとしなかったです。 個人的に好きなこれをワンプッシュです。(この票の参照用リンク)
あら、そういうオチだったのね・・・と。おもしろかったです。(この票の参照用リンク)
好き。(この票の参照用リンク)
小説に託す理由がわからないが、かと言ってそうしなければうまく形をとらないような気もするのはなぜだろうか。
人間の心理描写ができるのは素晴らしいことだ、と月並みなことしか言えない。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
夢オチってか小説オチにする意味はあるのか。ないのか。おれってひらがなで書くと筒井康隆っぽい。(この票の参照用リンク)
最後の一文のメタ落としが、逆にこれって実話じゃねぇの?疑惑が湧き上がり、作品を二倍楽しめました。(この票の参照用リンク)
1000字の枠内では少々ひねりすぎかも、とも思いましたが、世界観がよかったです。(この票の参照用リンク)
読んですぐに大正浪漫風の情景が浮かび上がってくる。イメージが出やすい作品というのはそれだけでいい。
当初は妾か浮気の話かと思っていたので、このオチは予想外だった。
お話の締め方も心地よい。(この票の参照用リンク)
不満から先に書いてしまうと、この話はあと400字も残しておわっている。贅沢を言うならば、この話の中に流れているであろう時間をもっと描いてもらいたかった。つまり、400字をつかって、リカちゃん人形の持ち主であった少女はどうしているのか。少年はレッドキングを忘れたかわりに何に夢中になりはじめているのか。あるいは、少年はいつかレッドキングを思い出すことがあるのかないのか。この話はいくらでも膨らませられる……664字の必然を感じない。
しかし、そんな不満よりも、いい作品を読ませてもらったという思いの方が強い。どうも主観がつよい、どちらかというと作者の悩める思いをもろにぶつけた感じの作品が多かった今期において、怪獣の結婚がテーマは新鮮で、斬新で、それでいて新しさに溺れていない点がよかった。まあ少年がリカちゃんのスカートを弄び、体位を試す、というところは発想に何のおもしろみも感じなかったけれども。(この票の参照用リンク)
忘れられたものの話は好きです。
子供ってそういうものだ。
好きな型の話が、湿りすぎず乾きすぎずうまいこと書かれていたので、文句なく一票。
作品は明らかに虚構であるけれど、こうして押入れの奥で眠る怪獣は実際多く存在したのだろうと思う。(この票の参照用リンク)
たとえば今期の作品「霧」に比べると、私はこの「写真班員と市場」を強く推したい。個人的な好みとして、作者や主人公が頭のなかで考えたであろう抽象表現が好きではない。この「写真班員」の、
<肉屋の台には、牛や豚の部位ごとに切り分けられた肉が無造作に並べられるか、または吊られていた。脇には重さを計るための天秤が、極端に肩を斜めにしてぶら下がっている。嗅いでみれば湿った肉と、市場の生活の臭いがした。肉屋の店の奥では家族が小さな鍋を囲んで椀を啜っていた。>
という描写を読んでしまうと、そうだ、小説とはこれだ、と思ってしまう。主人公の独白小説が結構多い作品群のなかで、この鍛えられた文体は魅力的だ。こんな文章が書ける作者だったっけ? と疑った。作者がわざと直接描かなかったものに、共感をおぼえる。
この話を読んで、実は私はあまり内容がわかっていないのだけれども、私は久しぶりに空虚だとか虚無だと形容されるアノ感覚をひりひりと思い出していた。なかなか悪くない時間だった。
(この票の参照用リンク)
「いつ消えるか知れない一冊の本」が魅力的(この票の参照用リンク)
濃い霧に遭って考えてみたこと、のように読めた。物語性はないが、所感としては良い。
感性も良いが、小説という形に起こすのも上手いと思う。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
うまい。(この票の参照用リンク)
わん。(この票の参照用リンク)
これはすごい。
他は読んでないけど圧倒的であることは明白だ。
そしてさらに言えば他を読む事はない。(この票の参照用リンク)
『私』と無愛想な客とのやり取りが面白かったです。
マニュアル通りの答えでなく、『私』の素直な言葉が客の心を動かしたのでしょうか、ほほえましいです。(この票の参照用リンク)
百人一首とのかけあいが面白かったです。楽しいきぶんになりました。(この票の参照用リンク)
どうにも不思議なのが、他の作品とくらべてやけに話が長いように感じられることだ。もちろんいい意味でだが。
改行が多い文体のせいだけではなく、重要なところだけを切り出して話を圧縮する手法が優れているのだろう。
百人一首はよくわからないが、こういう風に世俗的な解説がつけられると微笑ましく親しみが持てる。
文学館の玉砂利を撫でるシーンは風景として非常に綺麗で、ことによっては作者に狡さまで感じるほど良かった。(この票の参照用リンク)
『私』の心に入り込んで読めました。
なので最後の展開にどきどきしました。で、最後の「さよなら」の一言が儚いです。
(この票の参照用リンク)
この作品はあまりにも面白かったので、コメントできない。今期一番よかった。(この票の参照用リンク)