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第76期予選時の、#10写真班員と市場(クマの子)への投票です(2票)。

2009年1月31日 23時47分31秒


たとえば今期の作品「霧」に比べると、私はこの「写真班員と市場」を強く推したい。個人的な好みとして、作者や主人公が頭のなかで考えたであろう抽象表現が好きではない。この「写真班員」の、

<肉屋の台には、牛や豚の部位ごとに切り分けられた肉が無造作に並べられるか、または吊られていた。脇には重さを計るための天秤が、極端に肩を斜めにしてぶら下がっている。嗅いでみれば湿った肉と、市場の生活の臭いがした。肉屋の店の奥では家族が小さな鍋を囲んで椀を啜っていた。>

という描写を読んでしまうと、そうだ、小説とはこれだ、と思ってしまう。主人公の独白小説が結構多い作品群のなかで、この鍛えられた文体は魅力的だ。こんな文章が書ける作者だったっけ? と疑った。作者がわざと直接描かなかったものに、共感をおぼえる。

この話を読んで、実は私はあまり内容がわかっていないのだけれども、私は久しぶりに空虚だとか虚無だと形容されるアノ感覚をひりひりと思い出していた。なかなか悪くない時間だった。

参照用リンク: #date20090131-234731

2009年1月26日 11時43分41秒

「いつ消えるか知れない一冊の本」が魅力的

参照用リンク: #date20090126-114341


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