第5期予選時の投票状況です。14人より34票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
8 | 傘を広げて | 川島ケイ | 9 |
9 | 砂のユートピア | 逢澤透明 | 4 |
14 | 人の声にその本性が顕れることについて | 海坂他人 | 4 |
7 | 数 | 朽木花織 | 3 |
13 | (削除されました) | - | 3 |
2 | 見送り | マサト | 2 |
10 | ホワイトクリスマス | Nishino Tatami | 2 |
12 | プロ・ドール | ラリッパ | 2 |
15 | 河童 | 曠野反次郎 | 2 |
4 | 涅槃 | 坂口与四郎 | 1 |
6 | あるプロポーズ | のぼりん | 1 |
11 | くたばれホピエンサモス | 紺詠志 | 1 |
ネーミングセンスが大変ツボです。(この票の参照用リンク)
幻想的で穏やかな、いい話。
作者の設定とは違うだろうけれど、ガンダムに出てくるスペースコロニーでの出来事のように感じた。
低重力下で傘をさしながら頭上の街に遊びに行く少女たち、というイメージが浮かんだ。
<久遠>(この票の参照用リンク)
もしかすると、これは彼女たちの心の遊びで、実際には浮いていないのかもしれない。浮いていたとしても浮きすぎていないのがちょうどいいのだろう。キャラ設定などはいまいち物足りないが、作品のムードを壊すまでに至っていないので、まずはよしとする。 (ラ)(この票の参照用リンク)
なんとなくほんわか。(この票の参照用リンク)
なにげない二人の日常を描いているようで、ファンタジーであり、成長をも感じさせる。読んだあとに、さわやかな気分が残った。(この票の参照用リンク)
迷ったが、「砂のユートピア」に足りなかった自由さ・奔放さを備えて
いたという点で、双璧となる。感性は随一のものを感じる。作中人物の
感動が読者側の感動と重なるという点が柔良く剛を制した。
「おーいいねでっかい傘は」という科白が世界観を良く反映し、また
作者の個性をも良く表した。地上←→飛翔という転換にもっとアクセ
ントが付けられていたら文句無く良かった。眼下の街並について描写
するとか、道行く徒歩の人物を背景として挿入するとか。あるいは鳥
やたんぽぽの花やそういう「飛翔する仲間」的な存在を挿入すること
でも良い。あるいはたくさんの人が傘で飛翔する中に合流していくと
いうようなスペクタクルな展開であっても良い。その点では「砂の
ユートピア」に一歩譲った。(この票の参照用リンク)
他の人の感想で「メリーポピンズみたい」と述べているものがあったけど、なるほどそうかもしれない。
会話に独特のリズムがあって楽しめた。(この票の参照用リンク)
感じがいいです。イメージが好き。それ以上のものがあるかはちょっとわからないけれど。(この票の参照用リンク)
いちばんひっかかりなく読めた。(この票の参照用リンク)
ちと空行がうるさく感じられたが、統一感があるので不問。
ほら話にも似た壮大な話。
些細なことだが、以下の文章に作者の細やかさを感じた。
▽
この地図にある家々の書棚に納められた本を一冊とってみれば、最後まで読むことができるという。
△
本は最後まで読めて当たり前のように思える。
が、世界のイミテーションにすぎない地図に存在するイミテーションの本まで「精密に作られている」というイメージから、壮大かつ緻密なことが伝わり、全体をさらに引き締めている。
<久遠>(この票の参照用リンク)
何やら残念な個所が多い作品である。実物大の地図が姿を現すきっかけが雨季であったのは何よりも残念。あと、「古文書にはそう記されていた。」の一文の前後で同種の表現が登場する。そして引用の部分が「」表現されているが、それほど必要性を感じない、など気になる部分がいくつかあったが、壮大なイメージの作品である点を推したい。 (ラ)(この票の参照用リンク)
壮大なナンセンス、と言うほかにとくに感想が思い浮かばないけれども、とにかく壮大なナンセンスだ。それを言えばピラミッドだってナスカの地上絵だって、どんな用途であれきっと現代から見れば無意味にちがいない大事業で、あるいはわれわれはそれらのとほうもない無意味さに圧倒されて古代の神秘にこころをひかれるのかもしれない。きわめて単純に、好きなタイプの作品だった。ただ、ところどころ表現がちょっとガタガタしている。言葉がしっかりハマっていないというか。気どりがすぎたかな。(この票の参照用リンク)
ロマンです。カタストロフィがある。まず予感があって、それが
期待に変わって、次にずっしりしたイメージの手ごたえが残る。
最後に補足説明があり、イメージをきちんとした形で収束させる。
スケール感があった。欲を言えばシメの一文をよりドラマティック
に、つまり、より詩的に作って欲しかった。
ストイックさが足枷となり、せっかく読者が感銘を受けているのに
「ぼく」とそれを共有できないもどかしさが残る。(この票の参照用リンク)
実話でなかったら本当に脱帽です。(この票の参照用リンク)
臆面のない善意は、傍らの者に羞恥心を感じさせる事がある。この講習会に登場する女優くずれの怪女たちも、無邪気に純粋な善意を表現して、一般人をたじろがせるタイプのようだ。あたかも、誤って宗教団体の集会に紛れ込んでしまったような、作者の溜息が聞こえてきそうなエッセイである。
(ラ)(この票の参照用リンク)
素朴なスケッチ、というとイージーなかんじだが、なかなかマネできるものではない。最後は、読者の太宰観とでもいうべきものに左右されるところだろうが、笑ってしまって、また困惑に共感できた。言わずと知れた文人を出されるのは光栄でありながら、太宰治となるとタイトルにいう「その本性」はダメ人間だと言われたようなものでもある。困らずにおれようか。しかもこういう自虐のユーモア・センスも太宰的だというのがいっそうおかしい。(この票の参照用リンク)
文学老女に囲まれる主人公の戸惑いがうまく描けていたと思います。(この票の参照用リンク)
小気味良かったです(この票の参照用リンク)
最初第三席は「推薦作なし」にしようと思ったけど、どうもそうゆうコトが出来なそうなのでこの作品。理由は全体的な雰囲気が良かったから。(この票の参照用リンク)
?と!のあとは1マス空けるのが通例だと思う。あとアラビア数字が混在している。まあそれはともかく、荒っぽくもいきおいがあっておもしろかった。情けない人の情けなさが、情けなく描かれている。読んでいて情けなくなってきたのは、もちろん共感しているからだ。コミカルのようでいて、じっさいかなりリアルだと思う。(この票の参照用リンク)
この作者には珍しく(と言っていいものかどうか)明るい読後感を与える作品だったと思う。
基督がこういう、物にこだわらない森の精霊みたいなすがやかな存在であったら、現在の世界ももう少し平和だったかしらんという気がする。日本的な基督像の試みと言えるのではないか。(この票の参照用リンク)
構成の仕方が優れている。「僕」が残る世界と、「白い人」が人々を
誘う世界との二重構造があり、そしてどちらが「楽園」かという辛辣
な対比がある。二重構造の世界は完全にふたつに分かたれているわけ
ではなく、現に「白い人」はふたつの世界の間に存在している。そこ
に、世界の境界を越える神性を伺わせる。会話文を主としてこの世界
の分立を自然に表現した。やや道徳臭い部分は話の性質上やむをえず
あるが、それを反転させて描いたことが結果的には功を奏した。
何を書いたか、という以上に、何を書かなかったか、という所に含意
がある。それも功を奏した点である。(この票の参照用リンク)
外部からの接触がまったく無い平和と豊穣に包まれた世界で過ごせることは、幸せに違いない。しかし、その世界と「白い人」の話す楽園の違いはなんだろうか。まったく同じものに感じる。主人公は『白い人はまだ戻らない。』と言っている。同じ場所なのだと思うと、その歪みで楽しくなってきた。(この票の参照用リンク)
自分の家庭がそういう風でもないのに、何ともリアリスティックに感じました。(この票の参照用リンク)
情景がすごくリアルです。そこはいいと思います。あともう1歩深さが欲しかったけど、そんなものはないところがまたリアルで、きらいじゃないです。(この票の参照用リンク)
文頭一文字落とし無しと空行が気になったが、統一感があるので不問。
珍しい金持ちの話で少し癪に触るけれど、優しさのある話。
「華麗なるギャツビー(フィッツジェラルド)」や「金色夜叉(尾崎紅葉)」と比べると金持ち度はスケールダウンするが、たまには裕福な世界を垣間見るのもいい。
しょっちゅうだと腹が立つかもしれない。
<久遠>(この票の参照用リンク)
なんとなくほのぼのした。話のスケールはごくありふれたものだってけど、それが逆に好感が持てた。
一つだけツッコませてもらえるなら、チャイルドシートに座るような年齢の子供が父親のことを「お父様」なんて呼ぶのかな?(この票の参照用リンク)
何度読んでもよくわからないのだけど、最後の絶望的な幕切れは良かった。それに他にはない作風に一票。(この票の参照用リンク)
説明不足でついていけない部分がたくさんあるのですが、1000字でこの内容を表現しようとした努力を買います。(この票の参照用リンク)
日常に仕掛けられた罠。(この票の参照用リンク)
どうしてこう読みにくく書いたんだろうかなあと惜しかった。とか言うとまたいかにも偉そうであるが、単に字があまりにも四角く詰まっているという話である。
作者のHPを拝見して、同じテクストが掲載されているのを発見したが、そちらの方がしっくりと嵌っているように思えた。
お話の流れとして、妻が河童であるというところで終わっても勿論いいんだけれども、じゃあ自分はどうなるんだ、という所まで行くのが、この手の話のお約束である。主人公の長話はいい加減に切り上げて、その辺も読ませてほしかったとおもう。(この票の参照用リンク)
今回、読んでいることを忘れられた唯一作品。内容は既視感があるが、テンポよく展開して、面白かった。(この票の参照用リンク)
特にこれがいい、ということはなかったのだが全体的によくできていたと思う。情景描写には少しくどいと感じるところはあったが、さほど気にならなかったし、スッキリまとまっていた。
物語のメインの
「父も見たい→乳揉みたい」
という聞き間違えも実際にはありえないことだろうが、それが逆に小説ならではの醍醐味と言えるだろう。
複数のギャグを散らさず一つに的を絞ったのがよかった。(この票の参照用リンク)
何年か前に社会に衝撃を与えた「少年A」の「バモイドオキ神」は「バイオモドキ」のアナグラムであろうと言われていたのを思い出した。お釈迦様の「天上天下唯我独尊」を引くまでもなく、自分こそ世界で唯一特別な存在であるという意識は、もしかすると人間と動物を区別する特徴の一つであるかも知れない。(この票の参照用リンク)