第4期決勝時の投票状況です。13票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
3 | 強盗 | 黒木りえ | 4 |
14 | エチュードをもう一度 | 逢澤透明 | 3 |
15 | 暮れの密猟者 | 紺詠志 | 3 |
2 | 命のともし火 | のぼりん | 2 |
13 | 鳩と幼女 | 海坂他人 | 1 |
おもしろかったよ〜(この票の参照用リンク)
やはりこれかと。(この票の参照用リンク)
投票のまえに、予選通過作を再読しましたが、どれもうまいなあ、とあらためて思いました。
「強盗」は語りの魅力、「暮れの密猟者」はディテールが作品に与える世界観、「命のともしび」は丁寧ながらそれを感じさせないギャグ、「鳩と幼女」は鋭い観察眼。
「人に勧められる作品である」というのを投票の基準にして、絞り込み、「強盗」と「命のともしび」の2作のうちどれかとおもいましたが、結局、初読の印象をとって投票しました。(この票の参照用リンク)
同じようなオチの話は読んだことがありますが、しかしそれでも、きれいに書かれていると、改めて読んでもおもしろいもの。いかにも書き言葉な文体が、やはり書かれて鼻先につきつけられたものなのだろうな、というふうに私は読み納得しましたが、そのところが読みきれない人もいるかもしれない(その人にはふにおちない部分が残るかもしれない)
海坂さんの作品は、少し最後に言い過ぎているのが惜しい。「私」が爽快な気分を感じた、と言ってしまうのではなくて、地の文で虐げ>爽快を感じさせてほしい。そうでないと、読んで得られるカタルシスが少ないと思う。(この票の参照用リンク)
面白かったから。(この票の参照用リンク)
その後の二人を考えると、いい話ではないのですが、思い出の人との交流だけではなく名ピアニストの生き様まで感じられました。老人ほどの腕でしたら、本当は指使いだけでピアノの音が聞こえるのでしょうけど、紙に描いた銀盤を弾いたことで主人公を二十年前に戻したあたり、たいへん素敵だと思います。
再読しても余韻が続くことが心地良いです。(この票の参照用リンク)
予選投票の際は第一印象で投票したのだけれども、決勝投票では各作品10回程度読み返してみた。その結果がこの作品。
今回決勝に残った作品の中では唯一作品の前後に物語を感じられる。
確かに他作品のように強烈なインパクトはないけれども、主人公の感情を排してただ淡々と綴られているため、読み手にとってはどのようでも受けとることができる作品になっている。つまり、主人公が悲しんでいるのか、憤っているのか、哀れんでいるのか、それとも喜んでいるのか、それは読み手に任され、物語に対する想像の余地を残している。それが魅力の作品だと私は思う。(この票の参照用リンク)
改めて読んでみると、予選では投票していなかった『エチュードをもう一度』もよいと思えてきて迷ったのですが、最終的には好みで選ばせて頂きました(この票の参照用リンク)
この作品の魅力は、私たち誰もが知っているものを題材に取りながら、徹底して現実を離れて、全くの別世界を作り上げた力業にあると思う。サンタクロオスという外形に対して、意味は極限まで解体かつ再形成されているので、これを鉄砲で撃つという展開にも陰惨さはない。どこか別の宇宙に、こういう世界があるかも知れないと思わせられる。(この票の参照用リンク)
これと「エチュードをもう一度」のどちらに投票しようか予選でもかなり迷ったし、いまも迷っている。
「エチュード」は感傷的に過ぎるが、そのムードのなかではきれいにまとまっている。しかし最後までなじめなかったのがカタカナの使い方で、「フリードリッヒ君」と言いながら「アパートメント」「ピアノ」「ピアニスト」と、英語系のカタカナになっている点にひっかかりを感じた。もちろん、なんでもかんでも原語主義にしたほうがいいとも言えないのがむずかしいところだが、せめて「ドレミ」ではなく「CDE」になっていれば、と思う気持ちを止められない。
その点「暮れの密猟者」の用語には統一感があり、鳴き声の描写でもクスリとさせられる(余談だが、うちのあたりではサンタクロースへの手紙の宛先は郵便番号「H0H0H0」だったりする)。
今回の対戦は個人的には「作品内言語対決」の様相を呈していた。語感、統一感、イメージの喚起力から「暮れの密猟者」を推す。(この票の参照用リンク)
そのままでも面白いが、「ひとりを除く全員」という表現を裏読みすると「命のともし火・カニバリズム編」も楽しめて一粒で二度おいしい。 (ラ)(この票の参照用リンク)
これぞショートショートという王道をぶつけてきた一本気さを評価。
仕掛けも面白い。常連偏重主義になってはならないというこの時期に
この作品が出てきたのは、渡りに船というものである。思わず乗った。(この票の参照用リンク)
ほかの作品はどれももう一味ものたりないかんじがした。(この票の参照用リンク)