第4期決勝時の、#15暮れの密猟者(紺詠志)への投票です(3票)。
改めて読んでみると、予選では投票していなかった『エチュードをもう一度』もよいと思えてきて迷ったのですが、最終的には好みで選ばせて頂きました
参照用リンク: #date20021219-032617
この作品の魅力は、私たち誰もが知っているものを題材に取りながら、徹底して現実を離れて、全くの別世界を作り上げた力業にあると思う。サンタクロオスという外形に対して、意味は極限まで解体かつ再形成されているので、これを鉄砲で撃つという展開にも陰惨さはない。どこか別の宇宙に、こういう世界があるかも知れないと思わせられる。
参照用リンク: #date20021215-220230
これと「エチュードをもう一度」のどちらに投票しようか予選でもかなり迷ったし、いまも迷っている。
「エチュード」は感傷的に過ぎるが、そのムードのなかではきれいにまとまっている。しかし最後までなじめなかったのがカタカナの使い方で、「フリードリッヒ君」と言いながら「アパートメント」「ピアノ」「ピアニスト」と、英語系のカタカナになっている点にひっかかりを感じた。もちろん、なんでもかんでも原語主義にしたほうがいいとも言えないのがむずかしいところだが、せめて「ドレミ」ではなく「CDE」になっていれば、と思う気持ちを止められない。
その点「暮れの密猟者」の用語には統一感があり、鳴き声の描写でもクスリとさせられる(余談だが、うちのあたりではサンタクロースへの手紙の宛先は郵便番号「H0H0H0」だったりする)。
今回の対戦は個人的には「作品内言語対決」の様相を呈していた。語感、統一感、イメージの喚起力から「暮れの密猟者」を推す。
参照用リンク: #date20021205-024540