全投票一覧(日時順)
第44期予選時の投票状況です。12人より31票を頂きました。
2006年4月14日 19時38分42秒
- 推薦作品
- 劇場(曠野反次郎)
- 感想
- なんとなくロシアの劇場であるように思われたのだけど根拠はありません。(この票の参照用リンク)
2006年4月14日 9時37分45秒
- 推薦作品
- 『定員オーバー』(橘内 潤)
- 感想
- よくできた怪談だと思った。この場合たしかに南波さんは何ともなくて、戸辺さんの方が「無断欠勤を続け」ることになるだろう。霊的なものが見えるというのは半分向こうに足を突っ込んでいるわけで、本来危険きわまりない状態である。その意味でも今日び世間に持てはやされている霊能者の怪しさがよく判る。(海)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 池袋ブルース(朝野十字)
- 感想
- 調子よく流れる会話が気持ちよかった。他愛ないともナンセンスとも言えるだろうが、何度でも読み返したくなるような吸引力がある。時々こんな風に想像力を奔放に解放すれば、決まり切った日常も楽しくなるのではないかと羨ましく思える。(海)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 蚊の飛翔(藤水木)
- 感想
- 作者は前期もいじめを題材にしていたが、いわば今日の学校を舞台にした自然主義というおもむきがある。「皆及川君に生理的嫌悪感を持っている。僕も持っている。」などという一節などは、なかなか書き切れるものではないと思う。今日の学校の日常としての閉塞感がそのままに描かれている。(海)(この票の参照用リンク)
2006年4月13日 23時18分14秒
- 推薦作品
- ナオキ君(海坂他人)
- 感想
- 最後の三行がなければ、この話を本当にあった出来事だと受取る読者はほとんどいなかったろうと思う。そこにこの出来事が本当にあったことだと明言する最後の三行が加わることによって、ああ、これは本当にあった思い出話であるのか、と一旦はそう思うものの、いや、待て、本当のことだとわざわざ書くのはいかにもうそ臭いではないかと思い、まるきりの作り話のように思えてしまう。ここで作者は、うそ話を聞く立場から、うそ話を語るナオキくん自身へすりかわることになる。そしてその作者自身でもあるナオキくんは若い女教師により楽しいうそ話を中断させられてしまうのだ。そこに現在の作者自身が重ねられているように思う。つまりこの話は、一見単なる思い出話のようであって、思い出し語られているナオキくんが、その実作者自身でもあるというさりげないようでいて、非常に技巧的な一篇なのだ(多分)。
蛇足ではあるけれど、関西の学校では公的な場であってもウケを取ることが尊ばれる傾向にある。もちろんそれはその場の空気を読まずに騒ぐというのとは別であって、非常に高度な技術を要し、ある種の頭のよさを必要とするのだけれど、タイミングを見計らうのに懸命なあまり授業は上の空であることが多い。(この票の参照用リンク)
2006年4月11日 20時44分15秒
- 推薦作品
- ほくろ(りうめい)
- 感想
- これ、かなりツボ。
びっしり集まって冬眠してるてんとう虫は嫌だけど、一匹だけのてんとう虫は艶っぽいと思う。
つらりと丸い赤から、黒い点が零れるみたいに流れて、触れたところから移っていく――このイメージ、すごく素敵。
ぷるぷる震えて流れる黒点、いいなぁこれ。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- バラ4輪(しなの)
- 感想
- この流れから最後、すとんと切れ味よく落ちる感覚、心地好い。
読んだとき「おおっ」と声が出てもうた。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- トーストとトマト(冬口漱流)
- 感想
- 不思議と印象に残るのは、繰り返される「ト」のせい?
『トシオトシオと呼ぶ声は、初めのトで僕を穿ち、シオで僕を浸食する。トコトコと呼ぶ僕の声は、彼女の頭頂部を転がるばかりで、ちっとも彼女に入り込まない』
ここ、けっこう好きな下り。(この票の参照用リンク)
2006年4月11日 0時38分18秒
- 推薦作品
- トーストとトマト(冬口漱流)
- 感想
- ただのトースターではなく「電子レンジのトースター機能」であることからも、この文章の言葉ひとつひとつがものすごく練られたものだということがわかります。
たったこれだけの文章なのに、頭の中には様々なトシオとトコの物語が浮かんできました。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 虚空(ぼんより)
- 感想
- 熱に浮かされたかのようにステップを踏みながら死んでいった主人公は、ヒゲンジツな世界でとってもリアルで真摯でした。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 熱(西直)
- 感想
- こんな優しいお姉ちゃんが居たら、風邪をひくのも悪くないと思いました。(この票の参照用リンク)
2006年4月2日 22時24分58秒
- 推薦作品
- 休日(鈴木 真理子)
- 感想
- 本好きにとって、書店は聖域である。そして、生活者が、学生時代を想起するノスタルジックな場でもある。書店が隠し味になっているから心に染みる。生活に疲れた中年にも、青春時代のさわやかさを懐かしく思い起こさせてくれる傑作短編である。今回の絶対的いちおし。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 池袋ブルース(朝野十字)
- 感想
- さまざまな傾向の作品が投稿されている本サイトの特徴を逆手に取り、SFかと思わせておいて実はそうではなかったという意外な展開をコメディータッチで書きおおせた好短編である。今回の二押し。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- バスケット・クソ度胸ボール(ハンニャ)
- 感想
- ことばのギャップが楽しい、躍動感あふれる好一編である。今回の三押し。(この票の参照用リンク)
2006年3月29日 23時11分28秒
- 推薦作品
- 池袋ブルース(朝野十字)
- 感想
- 頭悪い感じがよかった。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 愛せない者は愛されない浜辺(qbc)
- 感想
- 暗くて歪んでいて苛々する。目の前で吐かれる、意味のない溜め息のような。実際に目の前で吐かれる溜め息は嫌いだけれど、そういった話は好むところ。
ただ、聞き流してくれればよいのだけれど、qbcさんには暗い話より笑い含みの話を期待しています。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- バスケット・クソ度胸ボール(ハンニャ)
- 感想
- 不覚にも「夢の荒業」で爆笑した。素晴らしい。
次点「ナオキ君」
作者のいない話を書きたい、読みたいと思う。(この票の参照用リンク)
2006年3月28日 21時26分32秒
- 推薦作品
- 『定員オーバー』(橘内 潤)
- 感想
- 戸辺さんが好きです。この会社での物語が、勝手に読者の想像の中で広がっていく、進んでいく可能性を持っていていいです。
それだけこの話には、書いてある事以上の情報やイメージを読む人に与えていると思います。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 池袋ブルース(朝野十字)
- 感想
- 洗井君が好きです。絶妙な掛け合い気に入りました。面白かったです。
しかも池袋ショッピングパーク実在するんですね。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 熱(西直)
- 感想
- お姉ちゃんが好きです。途中多少グロテスクな描写もあり、しかし「あたし」がそれをグロテスクだと思っていないから、読んでいてもグロテスクだとはあまり思いませんでした。そしてそこから、目が覚めてからの場面へつなげ方がすばらしい。(この票の参照用リンク)
2006年3月28日 1時2分48秒
- 推薦作品
- 『定員オーバー』(橘内 潤)
- 感想
- こういうのが書けたら私はガッツポーズをとります。そんなに支持は集めないだろうな、とも思いながら(失礼だ)。
とても綺麗な話だなあと感服しました。(三浦(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ドラム缶(あきのこ)
- 感想
- 死ぬほど恐い目に遭って戻って来ただけだなんて何て格好良いんだろう。(三浦(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ナオキ君(海坂他人)
- 感想
- 私も小学生時代に一分間スピーチでしたがやりました。
虚構、聴衆、公的な場面、という言葉と小学校という舞台とのずれが何だか素敵です。
『水位を増して』の後に『バケツにおしっこ』は綺麗ですね。(三浦(この票の参照用リンク)
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