投票参照

第44期予選時の、#20ナオキ君(海坂他人)への投票です(2票)。

2006年4月13日 23時18分14秒

最後の三行がなければ、この話を本当にあった出来事だと受取る読者はほとんどいなかったろうと思う。そこにこの出来事が本当にあったことだと明言する最後の三行が加わることによって、ああ、これは本当にあった思い出話であるのか、と一旦はそう思うものの、いや、待て、本当のことだとわざわざ書くのはいかにもうそ臭いではないかと思い、まるきりの作り話のように思えてしまう。ここで作者は、うそ話を聞く立場から、うそ話を語るナオキくん自身へすりかわることになる。そしてその作者自身でもあるナオキくんは若い女教師により楽しいうそ話を中断させられてしまうのだ。そこに現在の作者自身が重ねられているように思う。つまりこの話は、一見単なる思い出話のようであって、思い出し語られているナオキくんが、その実作者自身でもあるというさりげないようでいて、非常に技巧的な一篇なのだ(多分)。

蛇足ではあるけれど、関西の学校では公的な場であってもウケを取ることが尊ばれる傾向にある。もちろんそれはその場の空気を読まずに騒ぐというのとは別であって、非常に高度な技術を要し、ある種の頭のよさを必要とするのだけれど、タイミングを見計らうのに懸命なあまり授業は上の空であることが多い。

参照用リンク: #date20060413-231814

2006年3月28日 1時2分48秒

私も小学生時代に一分間スピーチでしたがやりました。
虚構、聴衆、公的な場面、という言葉と小学校という舞台とのずれが何だか素敵です。
『水位を増して』の後に『バケツにおしっこ』は綺麗ですね。(三浦

参照用リンク: #date20060328-010248


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