第17期予選時の投票状況です。18人より39票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
7 | (削除されました) | - | 5 |
11 | マンホールの家族 | 川島ケイ | 4 |
12 | 十二月、九龍尖沙咀にて | (あ) | 4 |
17 | DRIVE | るるるぶ☆どっぐちゃん | 4 |
4 | かえりみち | 長月夕子 | 3 |
6 | 蜂 | 江口庸 | 3 |
8 | 私の二酸化マンガン | 朝野十字 | 3 |
2 | 未明に | くわず | 2 |
3 | 珈琲ブルース | 宇加谷 研一郎 | 2 |
10 | 僕のほこり | 真央りりこ | 2 |
13 | 時には昔の話を | 曠野反次郎 | 2 |
15 | 夏の日 | 西直 | 2 |
5 | 虹 | 眞鍋知世 | 1 |
14 | ケンカ道場 | 五月決算 | 1 |
- | なし | 1 |
明るい未来っていうのは、やっぱりないんでしょう、きっと。そう感じさせる力がある作品でした。徹底的に管理され、そして、殺すなんて重い言葉もきっと不要で、そんな状態だからこそ「生」のイメージを持つ「木」が輝くと。ストレートに伝わってくる作品でした。(この票の参照用リンク)
こういうのをやってみたいと思うんですが、私では真似できないなぁと思いましたので。読み物にとってリズムが大切だということを感じました。(この票の参照用リンク)
なんか知らんが「うん、捨てよう」という気分になったので。
容易に周囲と同調するのがとても日本人っぽい。(この票の参照用リンク)
言葉は決して現実の等価物にはなりえないし、特にここでは1000字という制限もあることだから、何をテクストに組み込んで(あるいは組み込まずに)、何を表現するかということに皆工夫を凝らすことになる訳だけれども、この作品は「会話」に一点集中することで、直接書いてない事を陰画のようにして最大限に語らせるのに成功している。小説を読む楽しみの一つは想像力を働かせる事にあって、それが満足された時の快感をいかんなく与えてくれる。
作者自ら語っているが、私も『静かな木』(11期)など連想した。作者は以前熱心に批評活動の中で取り上げていて、こういう成り行きこそ、インスパイアされたと言うのだと思う。『短編』がそれだけ年輪を重ね、積み重なるものを残しているということは喜ぶべきである。(この票の参照用リンク)
前回覇者の作品。リズムがあって読みやすい。さすがだと思う。(この票の参照用リンク)
蓋を付けたまま出入りするのはなかなか大変そうなのでせめてもの一票。(この票の参照用リンク)
情報の箇条書きあたりは、もう少し削ってもいいのかな、とも思いましたが、ラストの「蓋の重さを微塵も感じさせない、爽やかな笑顔だった」という一文が秀逸でした。光一の家の様子と家族のようすをもっと見たかったような気がします。(この票の参照用リンク)
なんだってマンホールという究極の? なのにどこか今の自分と
シンクロしている。なんだよ、なんだよと思いながらも最後まで
読ませるものがある。だって笑顔なんだもんなぁ、やられちゃうよなぁ。(この票の参照用リンク)
「マンホール=人の入る穴」という発想を展開させたものだと思います。こういう特に意味のないと思われる話(悪い意味じゃなくて)はわりと好きなので。ただ、もっとはじけてほしかったなーと思いました。別の言い方をすると、もうひと捻りあったら、という感じでしょうか。人のことは全く言えないんですが。(この票の参照用リンク)
トレンディドラマの一シーンのよう。洒落た雰囲気をくずさない文章、セリフ、エピソード。なにげないが、これだけのことを、なにげなく書いてしまうことに感心した。ただひとつ登場人物二人の関係がぼんやりしているので最後のシーンがなぞだったのが残念。(この票の参照用リンク)
よくある感じの話ではあるが、バックグラウンドの確かさが良い。リアリティがある。会話と字の文のバランスも良い。すがすがしい。(この票の参照用リンク)
もう一つ状況がつかめなかったんですが、でも心理描写がいいと思ったので。あえて状況説明を足りなくしたんでしょうか。わかりませんが、そうした不完全な部分を勝手に想像するのはけっこう好きなので。今期の、個人的ツボに入った作品です。(この票の参照用リンク)
男女一組をとらえてつくられた作品の中で、この距離感が一番好きです。(この票の参照用リンク)
もうついていけない壊れた世界です。一つ一つが「こうすればああなる」からかけ離れたものばかりで。でも、リズムともいうべき何かが作品全体を貫いていて、やっぱり読んでいて心地よさを感じます(この票の参照用リンク)
イメージが美しいです。「詩」「石像」「花」など雰囲気のある言葉がうまく絡み合っています。ただ最後の一行はあまり好きではありません。(この票の参照用リンク)
面白い(この票の参照用リンク)
特異な感覚と喚起的な描写がとにかくずば抜けている。これまでに類似の情景が全く描かれなかったという訳ではないだろうし、ストーリーなどは無いに等しいが、それでも一つの作品を読んだという充実感がある。(この票の参照用リンク)
子供二人を主人公に据えて平仮名多用であるにも関わらず、読んでる間ずっとしてた乾いた感触が心地よかったです。(この票の参照用リンク)
かえりみち
平易な文章で読みやすい。オチがはっきりしていてわかりやすい。ひねりがないのでもなくひねりすぎでもなくちょうどいい。この程度の当たりまえのことのできている作品が八割がたで、残り自己陶酔型とか独りよがり型とかが二割ならば、そんなに傑作がなくても読者はついてくるはずだが、現状は割合が逆になってるからな。そんな中で貴重な作品。(この票の参照用リンク)
ころの帰ってきた嬉しさと川で死んだ男の寂しさが心を揺るがした。だって、子供たちはころが帰ってきた事で嬉しさいっぱいで、死んだ男の人なんてどうでもいい話だからだ。子供の無邪気で純朴な悪が出ていて良かったです。きっと死んだ男の人はかえりみちに会った男の人なんだろうね。(この票の参照用リンク)
一息に読ませることを意図されているようで、それが内容と合致して非常におもしろかったです。(この票の参照用リンク)
これを完成された小説といえるのか自信はないけれど、しかし物語としての力は確固とくてある。ハゲをかくす先生、ハゲでないという生徒の姿がありありと目に浮かぶ。脇役の生徒たちも存在感があった。(この票の参照用リンク)
小手先の技術という点から捉えるならば、段落というものがまるで無い、「顔から火の出る思い。」など文章の組み方が安易、など欠点は幾らも数えられ、無茶な作品であるにはちがいないが、不思議な力がある。ものの見方に文学的な目が出来ているからだと思う。例に挙げて申し訳ないが、今期の『虹』とか『かえりみち』などは、表面的にはこの作品に比べればよほど小説らしく整っているが、中身は薄いような感じがするのである。(この票の参照用リンク)
「二酸化マンガン」と呼ぶ彼女は自分的には絶対に許容されなく、主人公のように同情することは間違ってもないと思うのですが、でも何か現実味がありました。そういう人っているよな、という感じで。
結局、文章がしっかり描けているからこそこういう感覚が生まれるのではないかと考え、一票を投じます。(この票の参照用リンク)
言葉の遣い方もそうだが、話し方全般が奇妙だなと思いつつ一票。(この票の参照用リンク)
面白い(この票の参照用リンク)
今回はこれだけ。文章の精度はどうあれ、主題は買い。ていうかこういうかんじのをネットでここまで読めたのは(文章の精度はどうあれ)あまり無い気がします。(この票の参照用リンク)
シンプルで、かつ重厚。即物的な対比に終始しているだけだが、なにくそそれが面白い。削り具合が宜しい。(この票の参照用リンク)
ソクラテスの顔って一目見てわかるものかどうか気になりつつ一票。(この票の参照用リンク)
鮮やか。私は「短編」さんには結構長いことお世話になっているんだが、この『珈琲ブルース』は今までの落ちのある作品の中で一番鮮やかに決めてくれた。等身大の青春も感じる。うまい。(この票の参照用リンク)
想像すると気持ち悪いのであまり想像したくはないですが、面白いアイデアだと思います。そしてゴンタレスさんのいかにも外人くさいしゃべりがいいです。(この票の参照用リンク)
重なっちゃうのかー。そうか、重なりやすい体質なんだ、と、妙に納得して読んでしまいました。こうやって重なっている主婦はけっこう多いかもしれない。もしかしたら自分も、そういえば最近肩凝りがひどいのはそのせいか、などと思いながら楽しみました。前回のサンタに続いて、真央さんは「家族」を描くのが上手いですね。(この票の参照用リンク)
大人の女になった奈津子といまだ変わらない僕、の対比がうまく描けていると思います。(この票の参照用リンク)
あっさりしていているんですがどこも足りなくない、バランスの取れた佳作いうイメージ。ふいをつかれて、ほっとしてしまいました。(この票の参照用リンク)
面白い(この票の参照用リンク)
何でもない風景の何でもなさが心地よく、ユーモアと才気が感じられる。読む者の目をちゃんと意識しており、掴み・展開のヒット&アウェイが良く作られている。すばらしい。(この票の参照用リンク)
正統派という感じの作品ですが、素直で優しくて良いと思いました。やはりこういう作品の読後感は、心地よい。作者の優しい視線を感じました。(この票の参照用リンク)
日常ありありの内容で、最後のセリフとタイトルが見事にマッチ
している。おもしろかった。(この票の参照用リンク)
推薦作品がない場合、「なし」を選ぶべきか投票せずにおくべきか悩む。
ちょっと気の利いた文言の連なりや、情景にもならない断片や、そんなものが読みたいわけではなく、小説が読みたい。(この票の参照用リンク)