第17期予選時の、#6蜂(江口庸)への投票です(3票)。
これを完成された小説といえるのか自信はないけれど、しかし物語としての力は確固とくてある。ハゲをかくす先生、ハゲでないという生徒の姿がありありと目に浮かぶ。脇役の生徒たちも存在感があった。
参照用リンク: #date20040108-173212
小手先の技術という点から捉えるならば、段落というものがまるで無い、「顔から火の出る思い。」など文章の組み方が安易、など欠点は幾らも数えられ、無茶な作品であるにはちがいないが、不思議な力がある。ものの見方に文学的な目が出来ているからだと思う。例に挙げて申し訳ないが、今期の『虹』とか『かえりみち』などは、表面的にはこの作品に比べればよほど小説らしく整っているが、中身は薄いような感じがするのである。
参照用リンク: #date20040107-150028