第121期予選時の投票状況です。13人より34票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
2 | しらねえよ | 藤舟 | 4 |
14 | トカゲ | スナヲ | 4 |
18 | 巨人について(not yomiuri giants) | 伊吹羊迷 | 4 |
4 | ジョークグッズと午後の四畳半 | I | 3 |
8 | 愛護獏チャイナ | 朝飯抜太郎 | 3 |
15 | 球体関節人形さん | 西直 | 3 |
16 | 足跡 | 霧野楢人 | 3 |
9 | まぐろ その20(まくら投げ編) | なゆら | 2 |
1 | レズ/カウガール | キリ子 | 1 |
5 | 空をながめる | tochork | 1 |
6 | 近未来処理 | 岩西 健治 | 1 |
10 | 親切の魂 | しろくま | 1 |
11 | #12(仮) | 金武宗基 | 1 |
12 | 『不機嫌なモノリス』 | 吉川楡井 | 1 |
13 | まごころ | qbc | 1 |
17 | 面影〜オモカゲ〜 | プシュケ | 1 |
最後の一言が非常にマッチしていて良い。
題名を最後に持ってくるって結構難しいと思うんですが、これは成功してますね。(この票の参照用リンク)
最後の所読んで、どっかで見たどっかで見たと思ったんだけど、この人のサイトとかだったんだろうか。それかデジャブ。
とりとめない怒りやら下心やら、混乱した文章のように感じていたのが、最後のでキュッと絞られるというか、この人の心中がまさに混乱していたのだとわかる。良かった。(この票の参照用リンク)
タイトルって重要だよね、このなんとも投げやりさ(この票の参照用リンク)
改行が多すぎる、主人公のつぶやきばかり、三点リーダが二つ繋ぎでない、といった気がかりな点はある。しかし、情けない男の独り言を読むだけの娯楽作品かと思いきや最初から最後まで実はシリアス極まりない状況での話だったことに、ラスト一文で気づかされて感嘆した自分がいる(鈍感さによるのか?)。主人公のつぶやき以外の描写が少ないのはむしろ主人公における「何も見えてなさ」の表現に(構造的に)成功しているんじゃないかなぁ。(この票の参照用リンク)
今期一番印象に残ったので。ただ、ほかのかたも書かれていますが「人の形をしている」の箇所はちょっと気になりました。(この票の参照用リンク)
雰囲気があって良いと思った。のだけれど「母の指」の部分はもっと前のほうに持ってこれないものかなとも思う。「母の指」のことを語ってすぐに「トカゲの指」のことを語るのに対して、「意味づけをしたがっている」というような意思を感じ、それを俺は雑味に感じた。わかりにくくはなると思うが、この話はわかりにくくてもいいと思う。(この票の参照用リンク)
これが一番良かったというか怖かった。
何だかいい話かなと思いきや、超怖い。「トカゲ」の反転、「お母さん」の反転によって、直ぐ近くに想像していたのものが何だかわからないものに変容する怖さ。後ろを歩いていた友人が、指名手配中の殺人鬼になったような。
人間の四肢をもったサイズの黒い影が窓に張り付いてて、さらに「目が合う」んだから、超怖い。(この票の参照用リンク)
「四肢を曲げ、吸盤のように掌と足の裏をガラスにくっつけているトカゲは、人の形をしている。」この一文はちょっと分からなかった。
最後もトカゲが一匹ということに、母でもない死神を思わせられる。父親はトカゲにもなれず、どこかへ逝ってしまったのだろうか。(この票の参照用リンク)
あとこれ。(この票の参照用リンク)
読売新聞の敵さ(この票の参照用リンク)
うまい。!!
楽しんで書いている。さいのうがあふれている。……うらやまいしなぁ。(この票の参照用リンク)
面白かった。
でも、最後の一文は蛇の足。と思う。(この票の参照用リンク)
ジョークグッズですの切れ味もさることながら、全体的に漂う雰囲気が好き。
「口ずさむ歌もない」とかいいですね。(この票の参照用リンク)
これもどっかで見たぞ読んだぞと思ってたけど多分デジャブ。
詩のように単発的だが確実に何やらイメージを喚起しそうなセンテンスで、何だか憎たらしい。ずるい。ナイフや刀のような鋭さはないけれど、缶切りくらいは鋭くて、我々の心象をこじ開けるのには、それで必要十分なのかもしれない。(この票の参照用リンク)
これもすごいなぁ。文才というか情景を異化するというか。
とにかくなにかの、おもさを文章の中に支えている。
こういう天才作家たちはカネを稼ぐ収入のために書いているプロ作家たちをどう思っているんだろうかなぁ。落ち目の週刊誌や売れない単行本の作家たちを見る目がしりたいな。 ……と、感じました。(この票の参照用リンク)
これと(この票の参照用リンク)
正直、三連覇期待しているんですが。でも、僕の好みじゃない部分多分にあって。この安定感は入れておくべきなんだが。
今回は早めに感想載せますが、今までは皆さんの感想が出るまで密かに潜伏しつつ、なゆらさんのリッスン・トゥ・ハーの選評を密かに確認しつつ、一喜一憂したりしてました。
今気付いています。まぐろ その20(まくら投げ編)は、ぷるぷるとか、テカテカとか、そういった擬音語が読後感に残ります。もちろん前作も含めて、なゆら流というか。(この票の参照用リンク)
獏かわいいよ、獏。(この票の参照用リンク)
それからこれ、(この票の参照用リンク)
さん付けの丁寧さ(この票の参照用リンク)
変わらない作風に。(この票の参照用リンク)
丁寧な心情描写に。今まで読ませていただいた作品よりも少し控えめに感じられて、個人的にはちょうどよかったです。(この票の参照用リンク)
何の展開もないのだけれど、作品内に漂う空気が良いと思う。ただ「縫い包み」が最初何のことだかわからなかったり「徐に」「漸く」という漢字が作品世界にそぐわない気がしたり。文字数の関係かなと思うものの、そう思わせたら駄目な気もする。(この票の参照用リンク)
おはなしが成立しているので投票しました。
1000文字で場面にリアリティを持たせて、そのうえ時間軸をずらしたりふたりの意中を書き分ける。とても上手だと思いました。(この票の参照用リンク)
意味がわからなくて面白かった。(この票の参照用リンク)
「最初は枕であったが、やがてそこにマグロが混ざっていることに気づいた。」
こんな発想してみたい。緊迫した文章がおそろしい。その只中でマグロが泳ぎだしたときにはもうたのしくなってしまいました。(この票の参照用リンク)
全体を通して今回の対戦に流れる空気が、何かちょーいい感じぃぃぃ。ってのが第一印象。
レズ/カウガールは、何てことない感じなんだけど、すごく力を感じました。意味不明になり過ぎずボヤく流れなんかに安定感がありました。前作は関係ないと知りつつも、ついつい作者の得票結果一覧を確認しつつ、やっぱりなぁとか思いまして。
余談
ステラマリスを検索したら、ウエスティンホテル大阪にそのレストランはあった。どうやらフランス料理のようだが、地中海料理と表示しているページもある。スナックの方は検索できなかった。だからどうって分けでもないが。ラテン語で星の海=北極星のことらしい。(この票の参照用リンク)
tochorkさんもすごい才能を感じるが、文才で遊ぶより、なにか文才から見える空や空間を楽しんでいるような感じですね。
それが、文章から放れた構成空間で、届かない空を見上げるような感じ。
作者と読者が同じ空を見上げている。さあ、12時に空を見上げましょう。おなじ空を、……(この票の参照用リンク)
ごちゃごちゃしているのにテンポが良くて、何を言ってるかわからないのに何度も読み返したくなる、湿っているのに乾いている不思議でかっこいい作品でした。(この票の参照用リンク)
かなしくて、やさしくて、かなしい。(この票の参照用リンク)
結局最後は好き嫌いで選びました。
親切の魂
結局、死んでるんだけど、こういった静けさは好き。
♯12(仮)
何か衝動をかりたてられるけど、これって小説の分類ではないと思う。現代アート的な匂いがぷんぷんとして、何かを表現できそうな気が僕を眠らせてくれない。でも、こういうのも小説に入れちゃえばいいんだって自分もいるから困る。結局好きなんだな。
トカゲ
トカゲじゃないでしょ。が、ストレートに出てくる。窓の外にはりついて、吸盤のように、とくればヤモリなんじゃないかと。でも、目は見ない方がいいと。正確にはまだ見る時期じゃないと感じた。見てしまったあなたの葬儀は誰がしてくれるの?(この票の参照用リンク)
場面の切り替わり方が大きく、壮大な物語の断片を垣間見ているような気分になった。何がどうなっているのか分からず、読後感としては消化不良であるともいえるが、奇妙な世界観がこの消化不良感を丸め込んでしまうように感じられて、結局肯定した。場面同士は全然違うのに、それぞれの間の空隙にムラがない感じ、というか、虚構としての広がりを空隙の中にビシバシと感じた次第である。(この票の参照用リンク)
正直に言って読後感は「不快」というのが一番しっくり来る。ただし悪い意味ではない。爽快になることだけが読書の目的にはなるまい。女の笑い声や最後の一文の最後の「にい」の粘りっこさも不快だった。最後まで読んでタイトルを見なおしてまた不快になって、それから自分の中にはどのくらい「噂」があるのだろうと考えてやっぱり不快になった。息子の顔を旧約聖書に喩えたのは「面白い」と思うと同時に「あれも噂の塊じゃないのか」とも思ってニヒルにニヤニヤ。(この票の参照用リンク)
丁寧に書かれていることに好感を覚える。
丁寧に書くこと、分かりやすく書くこと、ここに新しさが加わっていれば多くの人に認められる作品になるが、言う程容易くない。(この票の参照用リンク)