rocketttt
瞬間のやりとり過ぎて余白が多すぎるように思った。
余白=疑問が多い。
なぜ二人はこんなことをしているのだろうか?
> 宇宙に行きたいとは思った。
なぜ?
想像はできるけど、もうちょっと固めてもいいのでは?
あと、こんかい、ぼくも人物に名前を付けたけれども、
1000字というスパンでは、名前を付ける必要はあまりないんじゃ
ないのかと思う。
短いお話の先生、星新一さんはエヌ氏ばっかりだった。
これ、とっても成功事例だと思っています。
花火の火薬を集めたりは、よくしちゃうよな、という、
良い素材だと思いました。
お支払いはカードで。
「カード破産」ネタのショートショートとして読みました。
こう「カードで」とフレーズを連呼されるとカードの虚しさが
浮かび上がってくるのは、言葉の面白さだなあと思います。
こういう話を私が書くならば、ということを言いますが、
私だったらまず説教話をベースにします。
こういうのはクッキーの型と同じです。
「赤ずきんちゃん」の童話は、森は危険だよというメッセージが
隠されているようですが、そんな感じで話を作る。
ある人物から「魔法のカード」を渡される。
限度額がないカードだよ、なんて言われて。
そして使いまくったら身内が死にまくる。
それでもカードを使いまくるとどっかの国で戦争とか起きて
さらに人が死にまくる。
ある人物また現われる。
じつはそのカードは人の魂を金に代えていたんだだって俺死神。
真相を知った主人公が次にどういうアクションをとるか、
オチをどうするかはむつかしいところだと思います。
プランA:知らんぷりして人類最後の一人になってまでカードを使い、
ああ良かったこれでお金を遣わないですむ、とハッピーになる。
プランB:そんなことをしてしまったのか俺はー、
と叫んだ途端に目が覚める夢オチ。
プランC:俺はそんなことをしてしまったのかー、
と後悔してカードを捨てて、てきとうな慈善事業を始める。
10年後、その事業は大きくなり、主人公は現代の偉人に。
しかしそのカードをこっそり拾って使っている男が現われた。
俺があのときてきとうに捨ててなかったならばー、
と後悔し、カードを拾った男vs主人公の少年ジャンプ的戦いが始まる。
オチが決まったらそれにあわせて相応しいっぽい文体を考えて
あわせれば良いのではないかと思います。恐縮です。
憩いのひととき
茹でたうどんはぼくも好きな言葉です。
良いハンドルですね。
全体としては悪くないと思うのですけれど、
物足りなさが残ってしまうと言うのが感想でした。
なんでもないことを書くといえば、
川野さんのヌマエビみたいに、
http://tanpen.jp/64/17.html
思考を描くと言う感じも良いかと思いますし、
ロストしたあらのさんもお得意ですし、
あらのさん川野さんをパクってわたしが書いた、
http://tanpen.jp/52/10.html
これも参考になるかもしれません。
UCCコーヒーなんかはコーヒーに関するショートショートを
募集していたかと思いますが、そのようなミルクティー販促小説の、
ように読めたりもします。
そういった類が悪いというわけでは決してないですし、
物を販促させる力を持った小説も素晴らしいと思いますが、
これは自戒も含めて言いますが、もっと読者を楽しくすることが
できる装飾がもっとあったら良いなと思いました。
憩いのひとときに、家族のことを思い出させるのでも良いし、
ウェイトレスが従姉に似ているとかでも良いし、
とにかくもうワンアイディア欲しいと思いました。
真夜中の待ち合わせ
悪くないのだけど物足りないという印象でした。
とても便利な女性かと思うのですが、男としてはのちのち
面倒になりそうなので避けて通りたいなという感じです。
///
「燃えよペン」という漫画で、恋愛漫画を先輩漫画家に持ち込んで
読んでもらう新人漫画家というお話があるのですが。
その中で確か、男の子が告白して「はいお終い」という作品に
対して、「こんなんじゃまだまだだ、この先の展開が読者は気になる」
という指摘があります。
この作品にもその感じがあって、その先が読みたいと思いました。
なんだかよく分からないがだらだらと一人の人間を追いかけてしまう
ことはよくあることですが、需要のつきない関心事でもあると思います。
素材は良いのだから、これから先、男と加也と彼女さんの三角関係を
じっくり描いてみるともっと良いのでは、と思いました。
そんなの1000字じゃ無理、と私も思うのですが、
無理だと思った時点で無理なので、1000字に無理なことはないと
思ってやっています。
仰ぐ空と花言葉
たいがい悪いところはないと思います。
描写も丁寧ですし、もちろんもっと描写を面白いものを
することには可能かもしれませんが、このあたりの
軽さで良いのではないかと勝手に思っていたりします。
あと内容としてもシンプルで普遍的なもので良いと思いました。
///
私ならこう構成するというところを書いてしまいますと、
劇的な部分は花言葉の意味になるかと思いますので、
ここに展開のピークが集中するようにします。
花言葉の意味がその場で分かってしまうのはインパクトが
弱いように思います。
できれば花言葉はあとでその意味が分かったほうがいい、
できれば彼氏の口から出てこないような構成が良いのではと
思います。
女の子待っている、
男の子来る、
遅刻したので女の子ちょっと怒っている、
男の子花を渡す、
だけど花言葉の事は男の子恥かしくて言わない、
しかも忙しいとか言ってすぐに帰ってしまう、
女の子本格的に怒り家に帰る、
お母さんから花言葉の意味を教えてもらう、
※女の子のお父さんと男の子が似ているという設定
面白いかもしれないですね。
なぜ知っているかというとお父さんも同じことをしたことがあったから、
オチは実は男の子と女の子のお父さんが事前に打ち合わせとか
してたりしたらいいんじゃないでしょうか。恐縮です。
君の瞳
ちょっと感動した。
主人公がヘタレでいわゆる「ごんぎつね」的なものがなしさ。
それは文章の拙さも手伝っていると思う。
幼稚園児の描いた絵にだって驚かされることはあるし、
上手くないけど切なくなってしまった。
へんに上手いと作り物めいた感じがでてしまうから。
永遠にお別れってわけじゃないはずなのにお別れだと思うのは
幼いからかもしれない。
あと
>受験生の中で、一人だけ、僕に笑いかけてくれた。
なんていうのも妄想もいいところではないかと思うけども、
でも、きっとそう思ってしまったんだろうなあ。
あと小説を褒められてそれだけでなんだか気にしてしまうっていうのも
すごく分かる。
俺なんか今でもそうだよ。
このあたりで補正のついた感想になっているかもしれません。
道端で拾った落し物の手帳に書かれていた日記を読む楽しさ。
拳銃の神様
なっちゃんだったりワルサー(推定)とか文章を書くのに
慣れた感じがするのだけども、どこへ向かおうとしているのか
よく分からなかった。
拳銃に魅入られる方向に行くんだけど、でもそれを
なんとか回避したというお話だったのでしょうか。
ちなみにぼくは早く結婚したい派です。
どうしたら結婚できますか?
The Little House
丁寧な文章なんだけれども、何を伝えたいのかが不鮮明だった。
「ちいさいおうち」というのは実際にあるようですが、
これを読むとバーローwww的に謎がぜんぶ解けるのでしょうか。
私は体は大人なのに心は子供で非情かつ残念です。
これは女優が結婚しなかった理由を、
>「わたしは木でできた人形。鼻の低いピノキオ。いつか人間になれる、いつか
>「そして、あなたはピグマリオン。あなたは、わたしに自分の幻想を映して、ついには溺れ死んでしまうのよ」
>「真実か、それとも虚言か。そんなことはどうでもいい。私はおまえに、溺れてしまった」
あたりに仮託しているのでしょうか。
たぶん私が読みこなせなかったのは、どの人物の視点に共感していいのか
分からなかったからだと思います。
「父とそっくりの男性=演出家」に対して「父」があまり良い感情を
もってないことは「父」の素っ気無い態度から分かるのですが、
ただそこを描いているのが孫娘視点。
この孫娘視点は祖母のあたたかな人柄をしのばせることに機能している
と思うのですが、ここと「父」の素っ気無い態度とがちぐはぐな感じ。
そして女優のかりそめの恋(虚構?)と
女優と言うよりかは祖母の姿(現実?)の対比で、
その関係の崩壊として家が取り壊されるという感じなのでしょうか。
ここに、「父とそっくりの男性=演出家」を出して「父」と対決させ、
人間的ドラマのピークと家の取り壊しという象徴をリンクさせたらば
良かったのでは、と思いますが見当違いだったらすみません。恐縮です。
二人
ちょっと物足りない、先が読みたいなと思いました。
なんでお姉さんがこうなってしまったのか。
それを事件で表すとか。
モノローグのようなカタチで進んでしまって平坦。
今月の川野さんのようなことができたら、
モノローグでつっぱしっても良いかと思いますけれど。
なんでこうなったのか。
なんでこう思うのか。
といったあたりをつきつめていくと、
不満が残る文章かと思います。
陰と陽の問題はありふれていますが、
でも気付かない人もいるし、だから、
そのポジとネガに気付いた感性を活かして、
それを知らない人に伝えるにはどうしたらよいかという
あたりを切り口に書きすすめればと恐縮ですが思いました。
剥がれてしまったので
短編で優勝するにはどうしたらいいんだと考えることが
ぼくは多いのですが、そのポイントは、
1象徴を使う
2印象に残るフレーズをひとつでも書く
3文体じたいが面白い。
といったあたりです。
わたなべさんの作品は、1は「剥がれた爪」で満たしかけて
ているのだけど、ちょっとそのヒントが少ないと思いました。
どうして「爪」なのか、またその爪の形状を視覚的に描写するなどして、
読者にイメージさせ、この象徴っていったいなに?と考えさせれば
安定するのではと思います。
2に関してはあまり魅力的な部分はありませんでした。
ぼくはよく台詞でこれを満たします。
2、3は重複するポイントですが、るるるぶさんとあらのさんが
好例だと思います。
最後、落ちをお医者さんの一言で閉めているので、
お医者さんの「仕事」ってあたりを文体で表現したほうが
良いかと思いました。細かいところですが。
医者へ行くのではなくて、○○科へ行ったとか。
爪が剥がれたら何科に行くのかちょっと興味あります。
数学と生活
数学の話が読ませる牽引力になっているけれど、
物足りない印象だった。
ただ1000字で衒学やると字数かさんで足枷に
なるかと思う。
孤独と向き合う手法についてはありふれていて
かついろんな解決策が講じられているので、
それをいかにドラマとして読者に提供するかと
いう問題になってくるかと思う。
ぼくも前月「キメラ」でやってみたけど、
1000字だとその解決策にたどりつく助走距離が
作れなかった。
コーヒーと食べ物が好きですよね。
無色
こういう話がなんとなく気になるのは、
ぼくの頭の中と似ているからだろうか。
だいたい、小説をネットに投稿してみようという
時点で似通ってくると思うのだけれど。
北村さんお疲れさまです。
ただ無色と言うには一面白で、白は無色じゃないと思う。
あと紅のカーテンは無いと思った。
なんだか訳の分からない世界に、
周囲からの圧迫だけが残る文章でした。
木蓮を踏む
良いなあ。
ともだちにとても似ている文章を書く人がいて、
その人かと思った。
俺の私見なんだけど、女の子っぽい文章で、
名詞コレクターみたいな感じ。
ビルディングとか演繹とか帰納とかムーミン谷とか、
その言葉を使いたいために書いているような印象すら。
ただ劇の盛り上げ方に不満がある。
最後、木蓮を踏んだことに関して、斜読みしたときに
気付きにくい。斜め読みしてても気付くくらい
印象的な構成っていうのに挑んでみても良いかと思う。
的外れなこと言っていたらすみません。
そして私は月光の道をたどり、この場所へ帰ってきた
1000字を書く素養は詩とテレビアニメで培われると
思っています。
詩は言語の魅力を発揮しているし、そして今月の三浦さんの
文体、ちょっと長篇でこれをやられたら読めないよなという
リズムの文体も、1000字でならできる。
テレビアニメの30分という枠は短く話しをまとめるという
訓練になるかと思う。
さいご、踊らせてしまうのは絵本みたいで、ちょっと
逃げているように思った。
頃合
これはきららの佳作です。
台詞以外の文、地の文は、台詞と対比(こんとらすと)を
つめるために意図的に混乱を招くように複雑にしました。
やりすぎてしまったようですが。
コントラストとは、たとえば黒い背景に白い円を描くと
目立つといったように、目立たせたいものを目立たせるために
する技です。
地の文の読みにくさで読者にストレスを与えて、
台詞の簡潔さで読者に開放感をあたえる処置でした。
テーマは頃合です。
親密な二人だけれども、その間にある、時間、空間的な
距離感、他人の心には永遠に共感できないという人間的な
すれ違いを自分が感じたので、したためてみました。
ただそれだけではあまり面白くないので、
うだつのあがらなさそうな、平凡な若いサラリーマンの
くだらない会話という形を与えてみました。
「私から出て私を滅する」文章というのは、さいきんわりと
言われることです。
私小説がちやほやされすぎた反動かと思いますが、
私が苦労したから同情してくれという文章は、
がんばっている人には不必要かと思われますので。
2006年9月に書いたものです。
沼蝦
川野さんの魅力は知識。
ヤマトヌマエビと月に関する知識と、その関係の知識は面白い。
今月の「数学と生活」のようにそれだけで読みすすめられる。
のだけど、川野さんの旧作と代わり映えが無いとも感じる。
これは意地悪で言うのだけれど、この局部に神経質になる
感性は、携帯小説で恋愛レイプ堕胎に過敏になる感性と、
変わらないのではと思う。
もっと大風呂敷広げていいんではないのかと思う。
偽装☆少女 千字一字物語19
いいよ黒田さんいいよ。
でも長月さんからのつっこみが入らないくらいに
描写の勉強してくれと思います。
ただこの穴のあるところが魅力なのかもしれない。
じゃっかんのえろげ臭がある。白で。
マスターよしえ
もっと複雑なはんにゃワークを見たあとでは物足りなかった。
依然にもっと良いもの書いていたからね。
あと構成的に3ひねりくらいしてほしかった。
ストレートで、山場が「よしえ」ひとつしかなかったのが残念。
qbcさん、アドバイスありがとうございます。
〉短編で優勝するにはどうしたらいいんだと考えることが
〉ぼくは多いのですが、
今回は、私も、珍しくちょっと意識したので、
qbcさんに、こうした感想をいただけたことが、嬉しいです。
そしてご指摘のポイントも、とても的確だと思いました。
次の投稿の方針は、まだ決まっていないのですが、
また入選を意識したときには、ぜひ参考にさせていただきます。
…なんか、口先だけのお礼に読めそうな文面だ…(泣)
ホントに、参考にさせていただきますので!