第187期予選時の投票状況です。7人より20票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
2 | 猫の粒 | トモコとマリコ | 3 |
9 | 灰かぶり | 岩西 健治 | 3 |
11 | 鉄分いっぱいもりもりプルーン | qbc | 3 |
12 | 猫博士 | euReka | 3 |
13 | イドの蘇生 | 志菩龍彦 | 2 |
3 | I was born | shichuan | 1 |
4 | カンジャンケジャン | ぷらわん | 1 |
5 | ノイズ | たなかなつみ | 1 |
7 | 巨大なおじさん | 宇加谷 研一郎 | 1 |
8 | 空っぽの部屋 | 棚山(つなやま) | 1 |
10 | 祈り | 塩むすび | 1 |
適当でなければこの話しは成立しないけれど、もし、適当に水を量るのであれば、安い猫の粒を二つ買って、ひとつは失敗したから今度は、ちゃんと量って戻すくらいを私はする。(この票の参照用リンク)
おもしろかったけど、もっとおもしろくなる余地あるよなあ。
字数もあるし。
どういうおもしろさを足すかが、その人らしさになるから、
どういうおもしろさになるかは知らんけど。(この票の参照用リンク)
短くて分かりやすくて、なおかつ余地が残されている。世の中にはこの作品くらいの内容を、もっともらしい言葉で冗長に書き散らす作品もあるので。(この票の参照用リンク)
最初読んだ時は要素が結びつきあわないちぐはぐな小説だと思ってたんだけど、
もう一回読んだら、こういうちぐはぐさを楽しむ小説なのかなと思い直した。(この票の参照用リンク)
主軸は、主人公が立ちくらみをしてそこから元に戻るまでのあいだの描写だけれど、
そこに妹やカボチャやティッシュなどのいろんな断面的な挿話が混入されてきて、
ヒトの時間は一直線に進まないということに、思いを致しました。面白かったです。(この票の参照用リンク)
主人公のことをよく表していて、病弱? だけど魅力的に映りました。短い時間軸の中で彼女の気持ちの移ろいを感じ、なんとなく応援したくなります。(この票の参照用リンク)
一本の現実さが通っているから、そこに不明な語が介入しても破綻することがない。(この票の参照用リンク)
ここに出てくる「考えない人」というのは、本当に考えていないのかなという疑問(考え方が違う、あるいは経験不足なだけもしれない)はある。しかし、他者とのズレやそのことについての考察のようなものが面白く描かれていると思う。
それに作品としての完成度も高い。(euReka)(この票の参照用リンク)
ふざけたタイトルからの、考えるのをやめるところがいい。(この票の参照用リンク)
具体的にどこが面白いか言えないが面白そうである。(この票の参照用リンク)
この作品も各シーン同士ががちぐはぐな印象があったんだけど、
そういうパタパタと進む構成自体を楽しむ作品なのかなあと。(この票の参照用リンク)
猫のエピソードを中心にした日常譚なのかと思って読み進めたら、
後半、ばたばたと話の軸が変わって、新しい登場人物も出現して、各々の関係も変化して、
ごちゃごちゃになって、オチらしいオチで終わった。楽しく読みました。(この票の参照用リンク)
同じ記憶(情報)を持つ自分が複数存在する、アイデンティティのクローンということか。SFには詳しくないけど、ありそうでない話かもしれない。なので、もっとその意味を深く掘り下げるような内容にして欲しかったなと思う。(euReka)(この票の参照用リンク)
SF小説でしょうかね。イドと言う蘇生法?ただの蘇生術ではない。むしろ死んだことを前提に、科学省の大臣の生前の情報を培養済みの複製体に転送して作り出したイド。科学的な蘇生。自己同一性の意味に至るまで哲学的な問題もこの作品は提起して居ると思いました。(この票の参照用リンク)
辻征夫の同名詩も思い出したのですが、勿論全然違う内容なのですが、この作品では妊娠中の妻が、悪阻、腰痛を経ながらもうすぐ生まれる「息子」。習慣の「白米」すら「食パン」に変わってしまう。食べてはいけない食品のチェックなど(スマホを使って)。トイレに起きる回数が増えたり、仰向けに寝る事が出来ず、側臥姿勢に変わり何度も寝返りを打つ妻。見た目からして妊婦らしくなっていくところなど、妊娠にまつわるエトセトラがリアルに描かれて居ると思いました。(この票の参照用リンク)
行間や流れなど、読みやすく私好みでした。
彼女を観察する男性の視点や、後々彼女のことを想像する場面が面白いです。(この票の参照用リンク)
耳鳴りと言えばメニエール症候群などを思い出してしまいますが、この作品では医師の診療を通じて、治って行くさまがリアリティーを持って描写されて居ると思いました。むしろこの作品では耳鳴りがどんなものかと言う前半部分の描写と、治療の結果ノイズが取り去られた後の描写の方が多いわけですが、医師の場面は2,3行。何とも不思議なテイストの作品だと思いました。登場人物は地の文の視点でもある「私」と最後だけに出て来る「彼女」だけでしょうかね、医師を除けば。「無音の部屋」「彼女の声は聞こえない」が印象的でした。(この票の参照用リンク)
何かを交換することがテーマになっていて、それが上手くいったときの心地よさが描かれている。
途中の「巨大なおじさん」の話がわかりづらい気がしたが、全体的にみるとテーマを上手く表現できていると思う。(euReka)(この票の参照用リンク)
最後の余韻でのぞわぞわ感をすごく感じました。
始めの会話の部分を読み返すと、最初読んでみた時とはテンションが違って読んでしまいますね。独り言として成立してるけど、それに相手があっても会話が噛み合うところが面白いです。(この票の参照用リンク)
母親の最期の言葉を聞けなかった痛みを指の痛みとして切断する前半は、非常に辛い。
中盤からの少年とその母のエピソードが解決法のようだけれども、それは存在するズレが、
「結果オーライ」になるというもので、そのあやふやさが現実というものかと思いました。(この票の参照用リンク)