第185期予選時の投票状況です。8人より19票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
12 | 私立うっふん学園 | テックスロー | 4 |
2 | 蜘蛛 | 5895 | 2 |
6 | 桃太郎 | 岩西 健治 | 2 |
8 | ぼたんゆき | 宇加谷 研一郎 | 2 |
10 | 手続き | euReka | 2 |
11 | 新しい | qbc | 2 |
1 | 怠け女 | shichuan | 1 |
3 | ぬるっと暑いこんな日は | ウワノソラ。 | 1 |
4 | ドライサーディン | ハギワラシンジ | 1 |
5 | おでんわ | 雪深うず女 | 1 |
7 | 君が好きで。 | さばかん。 | 1 |
単純におもしろかったー。
この作品を思いだした。
http://tanpen.jp/33/7.html(この票の参照用リンク)
どこかにありそうな馬鹿げた趣向の風俗店。笑える部分が随所にあってそれは良かったのだけど、ありがちな話かなと思う(終わりの部分は多少オリジナリティがあると思うが)。
それから、店のシステムが今一つ分からないので、「五万円」というのがぼったくりの金額なのかどうかが少し分かりにくいし、仮にぼったくりの店であるなら「大阪では無償化」という反論ともつかない反論だけで引き下がるだろうか(店の奥から恐い人が出てくるという展開はないのか)。あと、大阪が舞台になっているようだが、なぜ登場人物は関西弁を喋らないのだろう。(euReka)(この票の参照用リンク)
学生服泥棒。おもしろいな。(この票の参照用リンク)
この手のナンセンスな小説で、オチがきれいに決まると、全体が引き締まる。 くだらなさが好き。(この票の参照用リンク)
不満を言えば状況描写だけで、動機や感情が希薄なところであろうか。(この票の参照用リンク)
読んで気持ち悪いと感じたから、成功しているのだと思う。(この票の参照用リンク)
最初、桃太郎かなと先読みしながら読んでいるとぜんぜん桃太郎じゃないし、でも昔話を思わせる単語が出てくるから知っている話かと思いきや、展開が知っている話と違うししかも各エピソードの最初と最後がループしてそうな印象で、あこれは輪廻転生でしょ、死と再生だやっぱり生物は生まれ変わるんだ、て世界観も一緒に感じられたりして、不思議な話だった。
初めてなのに初めてじゃない感じのデジャヴ(既視感)、初めてじゃないないのに初めての感じのジャメヴ(未視感)、の渦に巻き込まれる体験のできる良い装置になっていたと思う。
いきなりの例えで恐縮だけど、ドラゴンボール、ドラゴンボールの亜流漫画、ドラゴンボールの亜流漫画としてのワンピース、ドラゴンボールの亜流漫画としてのワンピースの亜流漫画としての何か、ドラゴンボールの亜流漫画としてのワンピースとワンピースの亜流漫画としての何かにインスパイアされた無料のwebコミック、みたいな、変遷を含んだ系譜の愉しさを含んでいると思う。
バーチャルユーチューバーで言えば、キズナアイを正当として、ミライアカリやシロ、そらがいる中で、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさんが出てきたわけで、そういう知識体系がないと楽しめない系譜の楽しさがここにある。
その分野に対する知識がないと、こういった作品は楽しめないわけだ。そういう意味で、皆が知ってる昔話を下敷きにしなくちゃいけなかったんだなあって思った。
理屈抜きのとことでいうと、「桃柄の織物」なんて言葉がきれいだった。カラフルな織物がどんどん出てきて気分が良くなった。展開も早かったので、どきどきした。(この票の参照用リンク)
最後昔話に回収されないことの不安と孤独。途中「当然のごとく」老人になっているので、物語の力が強い世界のお話だということがわかる。その後、桃柄は大洪水が来て箱の中の自分だけが助かってもいいし、巨大な滝壺に落ちる動画を撮ってYoutubeにアップロードしてもいい、そういう意味で自由を感じさせる作品だと思う。(テックスロー)(この票の参照用リンク)
みそ汁を食べ物としてでなく飲み物として供して、飲んでいる。我々が知る味噌汁とは別のものだろうか。黙って味噌汁を飲むといっても、熱いだろうに、ずずずという音はしないのだろうか。しているとしたら、なんかとたんに生活臭が立ち上る。コーヒーじゃだめだったのだろうかと思って読み返すと、なんかコーヒーでも行ける気がする。コーヒーより透明感のある、暖かいが生活臭のしない「飲み物」としてひらがなのみそ汁を道具として使っているのであれば、成功していると思う。
最後みそ汁を与えるのではないのだな。味しないもんな。赤味噌でごりごりのナメコ汁でも出したら、その匂いと味で結婚の自覚なんかも出てくるんではないか、とこれは勝手な想像。(テックスロー)(この票の参照用リンク)
読んでいて自然に話に入っていけるところ。作者の意図が透けないというのはけっこう重要な気がする。あとは「結婚するの」からの動きがよかった。
70〜80年代を感じる。彼女はきっと携帯電話を持っていない。(この票の参照用リンク)
猫と人間の違いってなんなんだろうね、ってことをつらつら考える。
猫と国民という言葉の柔らかさ、堅さのコントラスト。
途切れない文章がもたらす圧迫感。
大事なことっぽいのにそれを「手続き」の一言で済ませてしまうシステムの不気味さ。
小説としてうまいのは、やっぱりこのモチーフを市役所の説明トークっぽいスタイルで切り取ったところだと思う。
国家システムの不条理って言えばすぐカフカが思い浮かんじゃうんだけど。(この票の参照用リンク)
この作品だけは腑に落ちたというか、もやっとしなかったので(この票の参照用リンク)
ちゃんとした死と、ちゃんとしてない死の違いや、死を受けいれられることと、受け入れられないことの違いは何だろうなということを考えてしまった。単なる気持ちの問題だけでなく、社会の中でどう生きてきたかという問題も絡んでいて、だから死というものが物語になるのだろうと思った。
この作品の最後は「まともに死ねなかった父親の息子はどうせまともに育ってない。家族はできない。」と、ネガティブなことを言っているけれど、どこか開き直ったような強さも感じる。(euReka)(この票の参照用リンク)
ずぶずぶと沈んでいく。沈んでいく話はあまり好みではないけれど、うまいと思った。(この票の参照用リンク)
植物状態のような何かの病気にかかっているわけではなく、ただただ怠惰なためほとんど動かなくなってしまったということだろうか。夫が妻に対して行っていることは病気の介護と同じようなことだけれど、美しい妻を独占しているような感覚や、「人形」という表現を見ると、いわゆるラブドールを連想してしまう。なので、「女に「生」を見た」と言っても、どこか虚しいものを感じるし、本当の「生」ではないような気がする。設定やストーリーには面白い部分があるが、空虚な話だなと思う。(euReka)(この票の参照用リンク)
読者の年齢によって、感じ方が変わるだろうけど、時間軸が少し古いだけで小説の色が変わる。(この票の参照用リンク)
迷った。小説自体に何もない。ただ、一周まわってそれはそれでいいのかもしれないと思う。(この票の参照用リンク)
言葉というものは自分で思うよりも不確実であり局地的には意図などまったく伝わりはしないが、続けていくうちにそれでもなんとなく伝わるものがあったりするのだということを骨子として電話になぞらえ、聞き間違いがいい感じに混ざってきた頃合いで食べ物やザーメンなどの単語を捻じ込む遊び心をもつ作品。
二つの意味を持つ言葉を甲と乙がそれぞれ違う解釈をしたまま話がすすんでいくという小話でもあり、韻を踏みあうラップとしての側面も感じた。
そうじゃありません→相違ありませんというまったく逆の聞き違いに端を発した一連の流れだけれど、実生活でもメッセージの誤変換をいちいち指摘したりはしないし、電話は往々にして空耳と解釈と探りで構成されているなあと思った。(この票の参照用リンク)
思春期の思いと独りよがりが一貫して書かれていて良かった。プラトニックな流れだったのに、君を「犯す」という言葉が浮いている気がする。君に母性であるとか、優しさを所与のものとして認めているのに、別に犯すなどという言葉を使わなくても、受け入れてくれればいいのではないかと思った。ただ、主人公(中学生?)がその限られた語彙の中で性行為を指す一般的な用語として犯すという言葉を選択しているのであれば、それは成功していると思う。(テックスロー)(この票の参照用リンク)