第185期予選時の、#6桃太郎(岩西 健治)への投票です(2票)。
最初、桃太郎かなと先読みしながら読んでいるとぜんぜん桃太郎じゃないし、でも昔話を思わせる単語が出てくるから知っている話かと思いきや、展開が知っている話と違うししかも各エピソードの最初と最後がループしてそうな印象で、あこれは輪廻転生でしょ、死と再生だやっぱり生物は生まれ変わるんだ、て世界観も一緒に感じられたりして、不思議な話だった。
初めてなのに初めてじゃない感じのデジャヴ(既視感)、初めてじゃないないのに初めての感じのジャメヴ(未視感)、の渦に巻き込まれる体験のできる良い装置になっていたと思う。
いきなりの例えで恐縮だけど、ドラゴンボール、ドラゴンボールの亜流漫画、ドラゴンボールの亜流漫画としてのワンピース、ドラゴンボールの亜流漫画としてのワンピースの亜流漫画としての何か、ドラゴンボールの亜流漫画としてのワンピースとワンピースの亜流漫画としての何かにインスパイアされた無料のwebコミック、みたいな、変遷を含んだ系譜の愉しさを含んでいると思う。
バーチャルユーチューバーで言えば、キズナアイを正当として、ミライアカリやシロ、そらがいる中で、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさんが出てきたわけで、そういう知識体系がないと楽しめない系譜の楽しさがここにある。
その分野に対する知識がないと、こういった作品は楽しめないわけだ。そういう意味で、皆が知ってる昔話を下敷きにしなくちゃいけなかったんだなあって思った。
理屈抜きのとことでいうと、「桃柄の織物」なんて言葉がきれいだった。カラフルな織物がどんどん出てきて気分が良くなった。展開も早かったので、どきどきした。
参照用リンク: #date20180227-061517
最後昔話に回収されないことの不安と孤独。途中「当然のごとく」老人になっているので、物語の力が強い世界のお話だということがわかる。その後、桃柄は大洪水が来て箱の中の自分だけが助かってもいいし、巨大な滝壺に落ちる動画を撮ってYoutubeにアップロードしてもいい、そういう意味で自由を感じさせる作品だと思う。(テックスロー)
参照用リンク: #date20180225-182530