第239期予選時の投票状況です。10人より24票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
4 | 立てば芍薬 | 朝飯抜太郎 | 5 |
10 | 朝が来る | 霧野楢人 | 5 |
8 | 日々是山崎 | 伊吹ようめい | 4 |
9 | ミュージック | Y.田中 崖 | 4 |
1 | タクシードライバー | 蘇泉 | 2 |
7 | 暗闇で育っていく | たなかなつみ | 2 |
2 | がんばりましたね | テックスロー | 1 |
5 | ハル・ナツ・アキ・フユ | euReka | 1 |
タイトル好き。花になる絵がよい。(この票の参照用リンク)
「我ながら陳腐だ」と自覚しながらも、”笑顔→すごくかわいい。”とつい書き留めてしまうのが微笑ましいですね。身体能力の不便さを受け入れたことで得られた邂逅が素敵でした。(この票の参照用リンク)
芍薬が百合になってまた芍薬になるという表現にとても魅力を感じた。ここでイメージを喚起させるまでの流れが良くできているからだろうか。
最終的にとびきりの笑顔を頭が花に喩えられずただ「かわいい」となるのはリアルで良かった。綺麗なオチだと思う。
顔が花なのは何か楽曲のジャケ写にありそう。
わがまま娘さんの「声が聞きたい」も良かった。(この票の参照用リンク)
メモの時点では意味がわかっていないという背景がよい。タイトルどおり「立てば芍薬」
に沿う流れの最後で、その姿が「花のような笑顔」に見えたのがわかりやすく微笑ましい。
他の花々も意味があるかもしれないが雰囲気だけでも充分。「牡丹」がないのは少し残念。(この票の参照用リンク)
最近分かりやすい物語に惹かれる。でもわかりやすさって何かしら。全体的に説明がちりばめられていたらわかりやすいのか、それとも簡単な言葉で書かれていればわかりやすいのか。読者として少し体力がなくなってきているのかもしれません。有名人の本とか、人気がある作家の本とか、何か賞を取った本とか、そういったフックなしで分かりやすくどん、と書きたいことを書くって相当大変なことだな、と思う。何もよりどころなく。
すみません、前置きが長くなりました。本作はとても分かりやすいというか、ぐぐーんと惹きつけられるものがありました。ええやん、笑顔かわいいの、ええやんか、それを言いたいし、それはすごく伝わった。自分は、花畑などに行ったり、花をたまたま見かけたりして、フーン、花やなあと思うけど、あんまりきれいだなとかは思わないので、花鳥風月の最初のところで挫折しているのだけど、花のような笑顔というのはあるし、見たことあると思うし、それはすごく好きだ。(この票の参照用リンク)
絵本の「ぎふちょう」を思い出した。
自然を描写した物語に引き込まれた。(この票の参照用リンク)
描写。美しい。ただ、緩急があまりないせいか文字が滑りがちだった。(この票の参照用リンク)
文体が好み。(この票の参照用リンク)
自分の目では捉えられない世界を体験させられる物語性に殊に惹かれた。活き活きとした
映像を喚起する描写と近景と遠景との巧みな切替で、蝶の細く強い小さな命とその生死が
繰り広げられる場の広がりを、その残酷さも含めてこれ以上なく愛おしく感じさせられた。(この票の参照用リンク)
書き尽くされていて美しい。読み進めるにつれて感動は強くなっていく。(この票の参照用リンク)
面白かった。何かあるのかなと思いきや、それしかないところがよい。(この票の参照用リンク)
これもわかりやすくて好き。笑かしたろうという意図が巧妙にいろいろなディテールで固められて、補強されて、物語になっている。素敵だ。でも、デイリーは、別にええやんか、とちょっと擁護したくもなる。デイリー頑張ってるやん。あかんの? ちょっと前だったらサンクスとかがここに入っていたのかしら。周辺住民に月二千払い続けるコストと新たにセブンやローソンを誘致することを天秤にかけないお役所のおかしみがほの面白い。(この票の参照用リンク)
少しクスッとしてしまう。DY=かわいそうだとか、しょぼい認定証のディテールとか、登場する二人の様子とかもちょうど良い。嘘くささがなく、好感度がある。(この票の参照用リンク)
最初はお酒の山崎だと思いました。読んでみたら、なるほど、って感じでした。文章のスタイルにとても惹かれていて、なんだろうね。ずっと投稿をしていて、投票はしたことなかったが、この作品のために初めて投票しました。理由はわからないが、こころに打つものです。(この票の参照用リンク)
あの少年は、どこかに存在しているのか。彼女の理想のイデアのようなインスピレーションなのか、そのあたりを想像させる余地があるのもよい。(この票の参照用リンク)
素敵な音楽との出会いってこういう感じなのかもしれませんね。最後が”十年”なのが長すぎる気もしましたが、また出会えたらいいですね。
『がんばりましたね』も迷いましたが、勝手に同僚の仕事に手を出して疲れ果て、依頼者も誰に依頼したかも把握していないなんて、どちらも仕事の仕方がずぶずぶで、どうしても受け入れられませんでした。
『朝が来る』はひたすら美しい光景を美しく描写していますが、“普通”と感じてしまいました。普通でも素敵な文章はありますが、本作は説明がくどく、やや読みにくく感じてしまいました。
『声が聞きたい』はそんな距離感の相手に結婚を考えるとか、結婚式に招待するとか、ちょっと現実離れしているように思えてしまいました。まぁ、最近は人とつながってないことを不安に思う人が増えているので、このくらいの距離感が健康的かもしれませんが。
『日々是山崎』はシステムの不備が気になりました。利用するたびにスタンプを押してもらい、30回溜まったら〜などとしたら、普通に機能すると思うのですが…。そもそも便利だったら、無名の商店でも日々利用しますね。構成にあと少し練りが足りず残念でした。
『ハル・ナツ・アキ・フユ』は、普通ならこの手のファンタジーは好きなはずですが、本作は何を言いたいかが分からず残念でした。
『暗闇で育っていく』は…、すみません、恐怖を煽るだけの文章に感じられ、どうにも受け入れられませんでした。(この票の参照用リンク)
音らしい表現をほとんど使わずに音の豊かさを伝える芸術的な描写が良い。それが作品の大半を占め、かつ無理なく小説を成立させており、描写力と構成力それぞれの高さを感じる。ただ、「サビ」はなくても盛り上がってる感じ(それによってイメージが飛躍している)は表現されている。(この票の参照用リンク)
語り手の視界の描写がとても丁寧で楽しく、語り手が聴いていた音楽と同時に語り手が
感じていた興奮を読みながらともに味わうことができ、楽しい読書経験だった。語り手が
演奏者としてその情景を追い求め続ける結末も、希望が先へと続く未来が見えて好もしい。(この票の参照用リンク)
なるほど、今のタクシーは料金もアプリで処理されるから、幽霊であれ何であれ関係ないということか。
面白い視点だと思う。
それに、こういうシステムしか知らない子どもには、タクシーの幽霊譚の意味が少し違ってくるのかもしれない。
ちょっと前に話題になった『ごんぎつね』の解釈みたいに。(この票の参照用リンク)
今期で一番笑ってしまった作品です。見事にオとしてくれましたね。カギ括弧(「」)の文章が連続しても同一人物の発話であることは読んでいけば分かりますし、それによって文章にリズムを作ろうとしているのも受け入れられました。(この票の参照用リンク)
厭さ。不快感。何度の文字が繰り返されると狂気が増幅される。上手い。
最後に「小さなできもの」が子供に接続されて、狂気が裏返る。できものが狂気の元ではなく、主人公自身にあるとわかる。と読んだ。
いつまで! というラストがいいな。(この票の参照用リンク)
誰しもが持ちうる狂気性とか病的な部分を抉り出した作品は刺さる。できものの不気味さが何の象徴かはわからないが、なんだかそれに酷く焦燥している感じがよく伝わってきた。こんな悪夢を見た気がする。(この票の参照用リンク)
彼女だけしか知ることがないがんばりがよく書かれているところが良い。あと終わりにキレがあるから、作品の焦点が定まっている。(この票の参照用リンク)
今回もっと読みたいと思った唯一の作品。10万字位書いたらグルーヴ感が生まれそう。(この票の参照用リンク)