第232期予選時の投票状況です。7人より16票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
4 | シンデレラックス | テックスロー | 3 |
9 | 会社のトイレの窓が低い | 朝飯抜太郎 | 3 |
11 | 帰宅部の活動 | Y.田中 崖 | 3 |
5 | 受精 | たなかなつみ | 2 |
2 | 呪文 | Yasu | 1 |
6 | 雄弁は銀メッキ | なこのたいばん | 1 |
7 | メモリーバンク | 蘇泉 | 1 |
8 | 時代考証 | 志菩龍彦 | 1 |
- | なし | 1 |
読んでいてニヤニヤしてしまう。パワーワードだらけ。強い。(この票の参照用リンク)
控えめに言って最高。無茶苦茶に見えて、数あるシンデレラの中でぶっちぎりの幸福度。「明日の舞踏会、シンデレラックスも行こうよ」って見栄とか打算とかなしに言っちゃう感じとか、洗脳・物語の要請的な改心ではない無理ない感じがしてきて心地良い。人間なので、これから喧嘩とかやっぱり嫉妬とかも出てきちゃうかもしれないけど、お風呂に入って思い出して仲直りすんじゃないかな。やっぱりお風呂最高だな。デラックスってこういうこと。
最後の文章も良い。個人的に最後ぐっすり眠る小説は良い小説。(この票の参照用リンク)
今回良いものが多くて選びきれない。
#4 シンデレラックス を推します。
これが本当の、めでたしめでたし、ですよね?
内容(シンデレラの幸せの再提案)もいいが、表現の仕方が良いです。シンデレラックスとかルビーサファイアパールとかシャイニングゴールドサプライズとか何やねん!って思うには思う。千字なのにそれ詰め込みます?って思う。義姉x2微笑とかは、そこは省略するんかい!と思う。一見しておかしさ・おふざけさがあり、そこがかるふわスフレみたいな読み味にもなる。それだけではなく、例えば、風呂場のシーンで、大きなシャボンの泡をパールと表現して体現止めしているところ。そこにゆるゆると漂う大きなシャボンの泡にカメラをフォーカスしていくゆるやかな時間が見えます。気に入って読み返すと、カタカナのけったいな表現を使ったシーンに、おとぎ話を彩る、華やかなきらめきが見える。美しい絵の美しい物語が見えます。仮にこのテーマをシンプルな文章で書いたバージョンがあったとして、それよりこちらのバージョンの方が完成していると思う。
シンデレラの幸せの再提案という骨格に、今風ブロークンな言葉選びを取り合わせ、カタカナの輝きをちりばめたところ、言語センス、バランス感覚など天才的だと思います。
#5 受精
シンデレラックスの後に読んだので余計に、和語の丸みの良さが感じられてよかった。言葉は美しく、神秘的であり、最後まで淀みなく心地よかった。タイトル「受精」もビリッと決まっていてカッコ良い。
#6 雄弁は銀メッキ
うまく言えないが、汚さと美しさ、低俗さと崇高さ、物悲しさと明るさ、のような相反するように見えて同居可能な価値観のせめぎ合いを感じ、心が揺さぶられる。軽薄な表現になって申し訳ないがWABISABIが有る。文章の装飾はないが、テーマに強度があって印象的。タイトルもいい。(この票の参照用リンク)
トイレの窓が低い、それだけの話と断っておきながら、溢れる緊迫感、追い詰められていく焦燥感。私は何を読んでいるんだ、となった。紛れもなく小説だった。(この票の参照用リンク)
良いものが多くて選びきれません。
#9 会社のトイレの窓が低い を推します。
読んでいる私にもその窓の存在が感じ取れる。描写が具体的で、ユーモアがあって読みやすく、その魅惑的な窓が孕む危険性も我がごとのように不安に感じられた。面白かった。タイトルを読んで、読みたい!と思った。読んだ後、期待通りのものを読めた感触があった。
#8 時代考証
壮大なドラマが始まる→実は撮影でした→実はすごい未来でした。という驚きの三段構造が綺麗。4Kとかスマホとか入っていても最初気づかなかった。時代劇とかも今は減ってしまったことを思ったりして、ノスタルジックでセンチメンタルな気持ちにもなる。最後のオチで今も昔も変わらない部分を見せているのだと思う。
#10 女子寮
女の子に女子寮に連行されて二人っきりでちょっとそわそわして、何が始まるんだーみたいなところから「わたしは、あなたの心の中に棲む女性で~」と流れが変わってフリーズして、徐々に納得していくだけの話なのだが、男の子の気持ちの変化が細かくて読んでいて気持ちを入れやすかった。(この票の参照用リンク)
高さが2m、という記述は、縦が2mのほうがよかったのでは。細かいですが。狂気に取りつかれたというか、魔が差したというか、そういう瞬間をうまく描写していると思う。(この票の参照用リンク)
多分、人体が直接ネットワークに接続され、「帰宅」がスポーツ化されている近未来や、主人公と、主人公に告白?したような同級生の存在や、超えるべき壁としての姉(鬼畜)といったキャラクターとの関係性を詰め込んで、疾走感がちゃんと残る素晴らしさ。
惜しむらくは情報密度が高すぎるのに疾走感があるので一読目は情報をうまく呑み込めなかった。2回目、3回目を読む楽しさがあるというのはそう。
分量的に2倍くらいあった方が読みやすさと豊かさのバランスがよさそうに感じた。歩道橋の踊り場にガードレール・ポスト・フェンスで着地したのが最初誰かわからなかった。その前に既に四段飛ばしで階段が上がっているので姉ではないと論理的にわかるけど。
あとお姉ちゃん、足止め目的ならちょっと酷すぎないですか。男子小学生なんか悪いことしたの?
あと気になったもの。
#2 呪文
なんで、みんなに慕われるおじいさんがそんな呪いを残したのかと思っていたけど、他の人の感想を見ると催眠と描かれていて、腑に落ちた。呪いというより催眠に近いものだとしたら、慕われるところからすでにおじいさんの術中であり、何でそんなことしてるの?という狂気が見て取れて、とても良い。
#6 雄弁は銀メッキ
しんどい世界に対する態度として、#1の話と対称的のようで、実は似ているというのが面白い。
タイトルも小説の一部であることがわかる小説。男は作中で喋らないけれど、ステレオタイプ的に見える、毛髪と成長がなくて泥臭くい中年の行動・存在そのものが雄弁であり、それは、この世の若さとか成長とか意識の高いキラキラしたものに対して、腐食してしまわないための実用的なメッキなのだ。装飾を目的とした(それだけじゃないけど)金メッキでないところも良い。
完成度高し。
#12 フグ村フグ太くん
1000字なのに最初にフグ村フグ太の歌が出てくるあたり、最初から贅沢な感じがある。
ノブレス・オブリージュを受け入れている人間のつかの間の休憩だったのか。切実さのようなものを裏に感じつつ、本人が言うように抑制された嗜み方を感じる。
大富豪の気まぐれに巻き込まれる一般人という形ながら、奥さんのことをフグ村フグ太くんと呼んで、彼のことを思い出すぐらいに、語り手にとって豊かな時間だったのに違いない。親愛のある人にしかフグ村フグ太とは呼べないよね。(ほんとか?)
確かにそういう豊かさを感じる小説だった。(この票の参照用リンク)
良いものが多くて選べない。
#11 帰宅部の活動 を推します。
アルティメット帰宅部とでもいうのか。躍動感のある漫画のコマ割りで読んでるような、シーンの緩急とドラマがあり、王道なエンターテイメントがあります。
#12 脱力系ですが、なんか好き。フグ村フグ太が伝染していく物語の一部かもしれない。
違う世界の人間の人生がほんの一瞬重なる、その短い時間がお互いの人生を豊かにすることがあると思います。(この票の参照用リンク)
動作のスピーディーな描写にわくわくしました。パルクールですね。アクロバティックな動作で周囲を魅了するフリーランニングと違って、最速の移動を目的とするスポーツだそうですが、真剣に取り組んでいる様が伝わってきます。”帰宅部”ってこんなにハードな部活だったのですね。(この票の参照用リンク)
とにかくイメージが好み、としか言いようがない。(この票の参照用リンク)
人と人が偶然出会って、ややこしい関係性を作っていくことが、なんとも事故のように突然で必然性がなくて、そのくせ不可逆で厄介なものであるということが、絡まる糸を通して伝わってくる。さらに自分が解けていくことは、開示していくことやすり減らしていくことの暗示のように思えて、なんとも理不尽だ。そして、最終的にそこから生まれたものに、全てからめとられてしまう。
短い文章の中にそれらが完璧に表現されつつも最後まで「救急車を呼びましょう」というような抑制された人間が書かれていて、現実と抽象が調和している。技術の高さを感じる。(この票の参照用リンク)
最後まで興味を持って読めたので一票。
文章を読ませる力や魅力があると感じた。
ただし、オチはありがちかなと思う。(この票の参照用リンク)
タイトルがいい。コンビーフ丼がおいしそう。ごま油はかけないのだな。と思う。これはでも好みだな。考察をはさみたくなるが、はさむ余地のない歯切れのいい文がいい。断定的に進む文章は男の割り切りを示しているようだ。(この票の参照用リンク)
この作品も最新技術による近未来を描いていますが、描かれている世界が身近で猥雑な感じで、そのギャップを楽しめました。ちょっとしたトラブルがこのシステムで解決するのなら悪くない気もしますが、費用対効果が低すぎて、継続が難しそうなのが残念です。
『シンデレラックス』はみんな仲良く楽しげで良かったです。最後の”四人娘”には「継母は娘じゃないだろう」とは思いましたが。
『呪文』は、一人で死にたくない老人の妄執が少年少女に予備催眠を掛けた状態になっていたのでしょうね。でも、利己的な人はそんなに子らに慕われないと思うのですが…。
『会社のトイレの窓が低い』は作者の実体験かもと思わせられました。高所にいるとつい惹き込まれそうになる人もいるとか。気をつけましょう。
『ボクの不安の8割はキミでできている』はその不安でいずれ鬱を発症しそうですね。ありそうなシュールさが怖かったです。
『真っ白な世界』『女子寮』『受精』はイメージ先行で、イメージ以上のものが感じられなかったのが残念です。(この票の参照用リンク)
阪神・淡路大震災から 27年、東日本大震災から 11年、現在はまだまだ記憶に生々しい災害ですが、これらも歴史の年輪を経てドラマで再現されるようになるのでしょう。難病患者の脳に機器を埋め込んで意思疎通を図るシステムは実現したとも聞きます。一方で、その機器で意思疎通を図ることが一般化した社会では、ドラマも AI と CG で作られ、俳優も失業していそうで怖いですね。(この票の参照用リンク)
なし。
すら〜と最後まで読んでしまった。読みやすいので、
会社のトイレのまどが低い。。。を、例に出します。
(ほかのは、つまらなくて読めないのが多かった。)
雑念、雑想像。。。で楽しむ。 斎藤一人サンの好演に、
星空を見て、宇宙人が来て とか、色白むっちりTバック星、から、円盤が飛んできて、ひとりサンはさらわれちゃう。
さらわれちゃうんですが、、、ひとりサンはそんなことでミサヲを守る。 って、脅かすセリフ無い。 けど、さらわれると、
何かされる。。。 って、話なって。
おちは、あなたは、星を見て、ここまで考えられますか?
って、サゲ。
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福上司には定義があって。愛人とラブホで死なないと、、、
だって、家で死んだらおろされて。 笑、、、 其れで終りジャン。
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とか、話の組み立て、構造がよく出来ている。
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其れなのに、トイレのまどは、まどから、落下自殺する。
暗喩? だけで、、、面白くない。
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いや〜な、読後感。 とてもお金を払って読む気はしない。
????
繰り返しますが、他のもっと読めない。小説が多かった。
何篇かは最後まで読みましたが、、、(この票の参照用リンク)