第243期予選時の投票状況です。6人より15票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
8 | マイナンバーの功罪 | 朝飯抜太郎 | 4 |
3 | グロリアスハイジェットでいこうぜ | 霧野楢人 | 3 |
2 | 大切な仕事 | たなかなつみ | 2 |
4 | 住宅地にある喫茶店 | テックスロー | 2 |
5 | いなり寿司パン | euReka | 2 |
6 | 明日、地球人になります | 吟硝子 | 1 |
7 | 部屋 | Y.田中 崖 | 1 |
最後に大学の講義だったことがわかって文体や視点がとても腑に落ちた。しかし元の生身の体はどうなるのだろう。ナノマシーンで個人が分散可能になったというアイディアは面白いが、そのへんがどこまで練られた設定なのかも気になる。(この票の参照用リンク)
マイナンバーと呪いの組合せただけでも面白い(実際のマイナンバーの胡散臭さとか、すでに色々な意味で呪われてそうだから)。その上でSF的解決をはかり、さらに鮮烈なイメージと「先に半身帰っとったんかーい!」というツッコミどころまで入れてくる結末。こんなのずるいでしょ。(この票の参照用リンク)
ひょっとしたら筒井康隆さんの影響を受けているのではないかと思いました。上手いです。(この票の参照用リンク)
内容の無茶苦茶さでは前作の『九九連続殺人事件の解決』に匹敵し、”ありそう”とつい思わせてしまう筆力が魅力ですね。ただ、本作は話が広がりすぎて、焦点が掴みにくく感じられたのが残念です。群体となれるのなら、講義に出席する必要もなく、講義者が持つ情報は直接リンクできそうで、学校や大学の存在意義もなくなりそうです。あと、8行目の陰陽”丁”は”庁”の誤植だと思います。(この票の参照用リンク)
ラストで、タイトルがもう一度現れる類のロードムービー。
最初と最後で、タイトルから受け取る感情の差異を楽しめる。
始めと終わりで雰囲気を変える作品で、単なる驚きとかではなくて、豊かさを感じれるようになるのは、良い作品。(この票の参照用リンク)
大学生めいたふざけたノリからの反転、しかし読み返してみれば最初から反転などしていない。登場人物が紹介されたとき、私はどうして生きていると決めつけてしまうのだろう。無意識の祈りをミスリードにし、彼らの行動をノリやネタから昇華している。恐れ入りました。(この票の参照用リンク)
1番よかった。
(1)バランス感覚が良い
生命力があり、しめっぽくなりすぎない。
仲間意識や、別れの儀式が、美化されすぎない。
車窓、車体を彩る紅葉や、見事な山の形が突然でてきたりして、十分に華やか。
タイトルをグロリアスハイジェットとして、本文と対比させたことが、テーマに効いている。
(2)エピソードの編集がうまくて効率的
(3)懸念事項
スマホが割れた経緯、美人局のエピソードを、盛り込む予定だったのでは?書くべきものが千字の制約のために省略された可能性がある。
私は良い創作だとおもったが、免停のくだりがドラマチックすぎて、5人組のしょぼさを損なう可能性がある。(この票の参照用リンク)
大切な仕事だと思えているのなら、幸せなのだろう。
意味のない穴を掘りつづけるのは、よくあるモチーフだと思うので、それ以上の何かを受け取りたかった。(この票の参照用リンク)
これは好みで。読み手の日常を刺してくる感覚がたまらない。(この票の参照用リンク)
良いスケッチだと思った。(この票の参照用リンク)
普通の日々が普通に肯定される素晴らしさが描かれていて、年末の慌ただしい時期に一息つかせていただいた気がしました。『いなり寿司パン』も普通さを肯定する点では似ていましたが、ややバタバタした印象となったのが残念でした。
『立教大学』では、日本では周作人よりむしろその兄の魯迅の方が有名なので、そのことも記述していただければなお良かったと思います。周作人の人道主義にも触れていただきたかったですね。兄弟とも漢籍に深い教養があったとか。魯迅の『故郷』は高校の教科書で読んだと思います。
『大切な仕事』は読者の心をえぐる作品ですが、えぐりすぎて読後感があまりよくありませんでした。いえ、受け取る側の問題とも思いますが。
『グロリアスハイジェットでいこうぜ』は前作とあえて文体を思いっきり変えられたと思われますが、あまり成功したとは思えませんでした。
『部屋』は…この作者の近作はこの手のものが続いていますが、私は以前の『電子海』や『ガベージ・コレクタ』のような作品の方が好きでした。ごめんなさい。(この票の参照用リンク)
「投げやりなセンス」が作品全体から感じられて楽しく読んだ。展開がトんでいるのは、適当なようでもあり、計算されたもののようでもあり、ちょっとはぐらかされているような読後感が心地よい。(この票の参照用リンク)
とぼけた感じで、深いような、何でもないような。
いなり寿司パンの絶妙に美味しくなさそうさ。
それだけじゃダメなのかい? いいのかな。(この票の参照用リンク)
1000字のさらに半分の 500字での挑戦を続ける作者ですが、本作はきれいにまとまりましたね。読みやすく、起承転結もすっきりしていて、爽やかな読後感に包まれました。担当しているうちに感情移入してしまったのでしょうね。まるでウルトラマンみたい、だったのかもしれませんね。(この票の参照用リンク)
感性の塊みたいな作品。ひたすら難解ではあるが、広がるだけ広がった世界が最終的に最初の閉じられた部屋に戻ってくるので、読者的には迷子にならずに済んだ。迷子にはならなかったがゾワゾワした感じが残った。(この票の参照用リンク)