第229期予選時の投票状況です。8人より21票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
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10 | 森へ | Y.田中 崖 | 6 |
4 | おはようみそ汁 | いぶき | 4 |
3 | 父親の背すじ | 朝飯抜太郎 | 3 |
9 | 警官と少女 | euReka | 3 |
1 | <住原桂花 突然の前髪ぱっつん姿に「まるで天使」「最高にかわいい」ネットで反響> | テックスロー | 2 |
5 | スナック・オア・ドリンク? | 千春 | 1 |
6 | 琴の音 | 志菩龍彦 | 1 |
7 | 月夜見 | たなかなつみ | 1 |
森の美容室? と思いながら読み進み、なんだ、語り手の空想だったかと、
一緒に森の風景を楽しんでいた自分に笑ってしまった。気持ちよさそうな美容室で、
わたしも行きたくなった。美容室って実はかなり自身の生命を預けるところだと思い出しました。(この票の参照用リンク)
想像というのは素晴らしい。想像させてくれる小説は素晴らしい、ということを改めて思った。実際の散髪は自分にとっては面倒だし緊張するし不安になるからなるべく行きたくない場所だけれど、こんな風に体を委ねて、リラックスできる場所なら行きたいと思ってしまう。(この票の参照用リンク)
現実と夢の間のにある、何かささやかな空間の話という感じがした。
現実側から見ると、美容院?などで心地よくなることは確かにあるし、この話の主人公のように夢想にふける人がいるのもわかる気がする。
そして夢の側から見ると、この美容院は現実のものではない何かで、主人公にしか見えないし行けないお店ではないかと、空想できなくもない。
現実と夢の、心地よいバランスが表現されていると思う。(この票の参照用リンク)
最初斜め読みした時は実際に森で髪の毛を切ってもらっているものと誤読し、そのあと再読して森は妄想なのだと知って驚いた。美容室は刃物や、知らない人との距離があって、自分としては緊張する場所なのだが、それを感じさせない森という表し方に感心した。森の中で髪の毛がはらりはらりと落ちていく光景、映像でも見たいなと思った。(この票の参照用リンク)
こういう美容室があったらいいのにという理想を作者と共有する作品かもしれない。
あるいは、美容室で施術されている間にこういう風景を妄想してやり過ごす、楽しむ、という経験を作者と共有する作品かもしれない。
どちらにしても私には共感できるものだった。(この票の参照用リンク)
素敵な美容院ですね。こんなところで髪を切ってもらいたいと思いました。”ドライヤーをかけられているあいだ、私は犬になっている。”比喩ではないのであれば、そのシュールさもまた素敵です。(この票の参照用リンク)
大きな事件が起こるわけではない日常譚。すごく優しい話で、
水本さんが作るみそ汁と一緒に、自分のお腹にもすとんと落ちてくるあたたかさを感じた。
冒頭段落と三段落目の細かく丁寧な描写が心地良い。穏やかで慕わしい日常風景がよいと思いました。(この票の参照用リンク)
単純に題材が好みで、音にフォーカスを当てた表現がよい。少しのシーンしかないのに長く感じられるのは、描写を積み重ねた効果によるものだろうか。
反面、文が冗長な傾向があって、例えば冒頭の二文と途中の「明確に思い出せないけれど〜」あたりは読んでいて気になった。(この票の参照用リンク)
それが誰であれ、三度の食事を作ってくれる存在はありがたい。
水本さん(男性)が何者で、なぜ主人公(男性)と一緒に住んでいるのかは全く分からなかったが、これが女性や恋人だったりしたら、ただの甘い生活を描いたものになってしまうことを考えると、同性を登場させたのは、物語のポイントを絞るという意味で絶妙だな思った。(この票の参照用リンク)
水本さんは”彼”と呼ばれているので男性でしょうけど、それなら一人称が“俺”であろうとも、主人公は女性と考えても悪くなく、いえ、男性同士のシェアハウスも最近は増えていると聞きますし…。不思議な感じが楽しげでした。体内のカルシウム量の維持のためにも太陽を浴びることはお勧めします。
『父親の背すじ』、3歳児を母親から引き離しての一泊旅行、ギャンブラーですね。そう、背筋を伸ばすのは大切なことだと思います。
『琴の音』はこれで終わるのはもったいなかったです。焦点を前半か後半か、どちらかに絞って膨らませてほしかったですね。
『スナック・オア・ドリンク?』は、背を向けてオーラで周囲を包み込めるのはかなりの力、油断させたところで放つエナジードレインでしょうか?表情や愛嬌、会話の相性などに、現代日本人に一般的な美醜の感覚を超えたものを異性に感じることはよくあることと思いますが、そのあたりの配慮が感じられなかったのが残念です。(この票の参照用リンク)
惨めな気持ちから、息子との思い出を経由して背筋を伸ばす流れが読みながら自然に入ってきて、微笑ましいラストの掛け合いに繋がっている。とても良かった。(この票の参照用リンク)
父親をしよう、父親になろうとしてもがく姿を描いた話だろうか。文章がとても読みやすくて面白い。まあなんというか、何かと父親は相対的に育児に携わる時間が短い分、子育てに意味を見出しがちなのかもしれないな、と思った。(この票の参照用リンク)
作者の書きたいものがおそらく書き切れている。十分に具体的である。(この票の参照用リンク)
何をもって「災害」「犯罪」と認定するのか。「私」が「少女」と意思疎通を図れたら、
「災害」は起こらないのか。そもそもその「災害」はなぜ「少女」の形をとっているのか。
ほのぼのとした味わいで描かれているイヤな風味の話で、そこが味かなと思いました。(この票の参照用リンク)
シュールさが素晴らしかったです。災害と認定されているのなら、いかに被害を軽減するか、対策チームが組まれるように思うのですが…。頭の黒い生物が、もふもふなのか、てかてかなのか、もうちょっと具体的な描写を読んでみたかったですね。(この票の参照用リンク)
小説のスジがある。少女が災害の様な存在。
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それで、オチ、サゲ、共有の一行で、言いたいのが伝わる。
>「みんな、あたしたちを避けるけど、あなただけはいつも優しいのね」
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職務質問というと、無機質無骨、だが、会話した愛があった。(この票の参照用リンク)
神とアイドルのビジネスツイッターの同居という構成が好きすぎた。
不穏さをにじませて、どこにいくのか想像させながら、最終的に宇宙を含めた安定に向かう流れがすばらしく上手い。権威の持たせ方にメジャーとの契約というのが納得感があった。(この票の参照用リンク)
ネットニュースの文体をよく捉えていてそれだけで冒頭を読ませる。
呟き系SNSの引用が執拗に進むにつれ、一読者である私は「この物語は犯罪方面に進むのではないか」と未来を予想し不安になる。そして不安は裏切られ、不幸のない結末を迎えて安心する。このように読者心を弄ばれる快感がある。
それニュースにするほどのこと?→これは間違いなくニュース!という筋立てでもあり、「それニュースにするほどのこと?」というネット記事の氾濫に辟易しながらも、記事タイトルに操られそういうものを大量に読んでしまっている現代人の実態も指摘している。(この票の参照用リンク)
友人A < が、、、よく判らず。初めから読み直した。
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>優しく抱かれたいと < 私に、、、伝わっている
いい小説、楽しく読みました。 ありがとうございます。
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友人A 女性 語り手、、、この三人。 ですが、、、
主役が決まると、また違う、また読みたくなる。小説に?
??? なるのでは? とか、考えました。。。(この票の参照用リンク)
神様の神域。 燃え残り、 ことの音がする。 神秘。
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火事という山場だけ。 空襲という導入だけ。
どっちの物語なのかなぁ? と、感じた。(この票の参照用リンク)
語りの強さ。反復表現がよい。連綿と続いてきた伝統が途絶えてしまうことへの寂しさ。
冒頭のシーンや、肝心の月の器がやや想像しづらかったのは残念。団子食べたい。(この票の参照用リンク)