全投票一覧(日時順)
第192期予選時の投票状況です。4人より12票を頂きました。
2018年9月30日 22時10分1秒
- 推薦作品
- 誕生(たなかなつみ)
- 感想
- 夢の中の出来事のような不思議なイメージ。そのイメージが何を意味するのかは分からないが、人生における絶望の起源のようなものを物語化したのかなと思った。(euReka)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 彼岸の森(塩むすび)
- 感想
- 内容は悲惨だが、言葉が比較的簡素なせいか、落ち着いた雰囲気さえ漂っている。絶望の向こう側には、もしかしたらこういう静謐な世界が広がっているのかもしれない。(euReka)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- スカーフのゆれかた(ハギワラシンジ)
- 感想
- 内容は、自分の後輩がチンピラのようになってしまったという、ただそれだけのことなのだが、「静かにしていることが美徳だと思うなら土にでもなってしまえばいいんですよ」など、表現が面白いなと思った。
しかし最後の、高校の時の友達に会ったという部分は、後輩の話と繋がっているのかいないのかよく分からない感じになっているので、何なのだろうという気がした。(euReka)(この票の参照用リンク)
2018年9月24日 11時54分33秒
- 推薦作品
- ババーキッチャ(テックスロー)
- 感想
- 好き嫌いとは関係なく、ある集団の中で生きていかなければならないことを幸美は無意識的に感じ取っているのかも知れない。それは神話的であるとも言える。他者から見れば歪んだ世界に映るかも知れないが、循環するひとつの世界であると考えれば、完成された世界であるとも言える。何かの縮図を象徴させる素晴らしい作品だと思った。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- アンドロメダ(霧野楢人)
- 感想
- 会話からの二人の関係性、僕の美結に対する心情。説明させ過ぎてはいない世界観の広がりも申し分ない。一歩間違えると意味不明な小説になりかねないが、そうならないバランスは絶妙で、そこの余白が読者に考える隙を与え、探求欲を満たすものになっている。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 彼岸の森(塩むすび)
- 感想
- 異常さのなかから、ある種の正常さを感じ取った。観念だけではなく、死へのプロセスの描写が現実性を生み、そう感じさせたのだと思う。そこには今までの作者の作品にはない生々しさがあった。(この票の参照用リンク)
2018年9月16日 1時7分33秒
- 推薦作品
- ババーキッチャ(テックスロー)
- 感想
- ホームスチールの表現が秀逸だと感じた。そのぶん、スチールを阻んだ幸美が損をするのは初読で納得がいかなかったが、再読すると「あらそう」が良い意味であっけなく、意図された肩透かしのようで好印象に転じた。最後の一文もなかなか含蓄とユーモアがあってよいと思う。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 人間型(安井 馨)
- 感想
- Mが言うほど2人はおんなじだと思わないし、Aが言うほどMがキチガイだとも思わないが、肉体的(可視的)なこと、精神的(不可視的)なこと双方に対する問いかけのようなものを感じて印象に残った。思春期の彷徨めいたものも感じられて、少し懐かしい。「私のことを〜思わないでほしい」の部分は面白かった。どこか演劇っぽい気もする。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 彼岸の森(塩むすび)
- 感想
- 雨が「ずっと」「降り続いていた」ことを強調する意図は何だったのか気になったものの、その後はするすると読めた。父の殺害が初めて自分が為せた仕事だと感じる点はかなしいが、それが根拠であっても主人公がこの世界でやっていける(生きていこう)と考えているのは辛うじて救いであるとも思う。その一方で、主人公はこれから死出虫の夢に毎晩うなされるのかもしれない。暗い話だが、色々と感じる部分があった。(この票の参照用リンク)
2018年9月15日 11時10分6秒
- 推薦作品
- アンドロメダ(霧野楢人)
- 感想
- 過去の出来事を銀河に重ね合わせて怒涛のように思い出す。焦点を宇宙の一点に合わせると、それが無数の星の集合体であることに気付き、自分を取り囲む思い出に意識が向く。ばかになった自分のレンズを目の前の女性にフォーカスするためにキリキリと合わす。近くて遠く、一つでたくさん。面白かった。 (この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 小説機械(euReka)
- 感想
- 忠実に話が脱線するところが、計算されていると思えば機械的だし、機械の人間的経験の蓄積によるものだと思えば人間臭い。南極のくだりが、わざわざ「これは小説ですよ」と言っているようで面白い。機械なりの人間的経験によって機械は小説をひねり出さねばならない。それは単なる機械の身辺雑記の記録にとどまって……いけないことはないのだけど、それでも小説としては成立するのだけど、南極の飛躍は機械が導き出した小説の形として感じられ、面白い。 (この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 双眼鏡(岩西 健治)
- 感想
- 一読して、作品内でも言及されている「くねくね」の話を思い出し、恐怖を覚えた。なので、その怪談をより仔細に書いた小説かな、と思っていたが、違った。これは超克の話。姉は自殺し、母も精神を病んだが、それでも生きている
し、不幸におぼれはしない。双眼鏡の前の母の目の色。怪談などに回収されてたまるかというやり場のない怒りと、それでも前に進むという気持ちが、はっきり書かれていないけれど感じられた。 (この票の参照用リンク)
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