第180期予選時の投票状況です。5人より14票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
9 | いつか私を殺しにくる | euReka | 3 |
11 | 川向の喫茶店 | テックスロー | 3 |
7 | 闇と光と | わがまま娘 | 2 |
1 | 魔女の空 | ハギワラシンジ | 1 |
3 | 第二幕 | 岩西 健治 | 1 |
4 | ルーティン人生 | はんどたおる | 1 |
5 | ある夜 | 井戸水 | 1 |
6 | 羊飼い | さばかん。 | 1 |
8 | 遠い西洋 | 宇加谷 研一郎 | 1 |
予選で三作品を入れると決めた。だから、いいとは思わないが、相対的にこの作品を決めた。(この票の参照用リンク)
擬人化はおもしろい。話も展開しているな、と感じた。(この票の参照用リンク)
最初の段落から、つかみがうまいと思った。「痛み」を象徴する人物との「結婚」というイメージは広がりがあってよかった。深読みができる余地があると思う。ただ、全体として少し乱雑な印象を受けた。(この票の参照用リンク)
前半(「国の保護下で暮らすことになった。」まで)は、AIが人間を試すなど、SF的な興味を引く話が描かれていて、個人的には好きだ。しかし後半は、社会から疎外された主人公の姿をただ描いているだけなのが不満。もう一つ展開が欲しいところ。(euReka)(この票の参照用リンク)
これはすごい。ディストピアの説得力、破壊される思考能力、ラストの皮肉と、ピースがぴったりはまった良作だと思う。過去作『いつも大変お世話になっております。』とあわせて読みたい、近未来労働SF。(この票の参照用リンク)
背景の説明を上手にこなせていた。展開がきちんとまとまっていて、比較的きれいに着地まで決まっている作品だと思う。(この票の参照用リンク)
雰囲気が好きです。距離が近いはずの人物すら「隣の部屋の住人」と記すことにどうしようもない隔たりを感じる。ややわかりにくいのが難かと。(この票の参照用リンク)
ラストが印象的だった。台詞と行動のギャップが可笑しく感じる。それより前の文章はよく分からない。(この票の参照用リンク)
襲ってくる魔女と戦闘する話。ハードボイルドとファンタジーを足したような内容や書き方が面白い。短い文章を連続させることで、上手くリズム感を出している。
ただし、回りくどかったり、よく分からない表現も多い(「僕は轟音の後ろに座っている」「プリン体による不健康な細胞の活性化によって」「その夜を編みこんだ黒い羽を無邪気に見せびらかす」「赤い誘惑」)。言葉を工夫しようとしているのは分かるが、やりすぎるとくどくなってしまうと思う。それから、状況を描写しているだけで物語に広がりがないような気がする。そういう書き方もアリと言えばアリかもしれないが、少し物足りない。
あと、最後の「そのほっそりとした手を握る。手には指輪がはめられていた。それは僕が妻にプレゼントしたものだ。」というのは、つまり元妻が魔女になってしまったということなのか。よく分からない。(euReka)(この票の参照用リンク)
前半は映画かドラマの撮影の場面で、後半は映画やドラマとは違う現実の場面。しかし主人公は、どちらの場面でも基本的には観察をするだけである。とはいっても、後半はちょっとした事故を傍観している自分に対して主人公は罪悪感を覚えている様子なので、ただ観察をしているのとも違う。ただの観察者の立場から、事故の当事者や状況が発する引力のようなものによって心理的に引きずり込まれている。事故で倒れた人を助けられない主人公は情けない人物だとは思うが、そのことがかえって人間ぽさを表現している。
それからこの作品は、読者を物語の中に巻き込むような仕掛けになっていると思う。物語の中に出てくる主人公にとっては、前半はフィクションで後半は現実という構成になっているが、この物語を読んでいる読者にとってはどちらもフィクションでしかない。しかしこの物語を読み終えた後、読者は再び現実の世界に戻るのだから、本当は読者も主人公と同じ立場なのだということにふと気づかされてしまう。物語の主人公はフィクションと現実の切り替えが上手くできなかったようだが、果たして自分にはそれが上手くできるのかなと少し考えてしまった。
作品の出来については、読みやすくはあるが、解釈を読者に委ねている度合いが大きいという印象。もう少し読者との対話(読者がどう読むかという想像)が欲しいところ。しかし、読んでいて考えさせられる部分が多いのは自分的にはプラスだった。(euReka)(この票の参照用リンク)
オチとタイトルは何とも言えない。
そう強く思うのは、描写が面白くて読んでしまったから。
夢、夢かぁ…。残念さがある。途中まで面白くてオチがどうなるのか期待しただけ残念。(この票の参照用リンク)
美しいものを作ろうという意気込みを感じた。ただ「勝手なノスタルジー」という言葉が全体の雰囲気から浮いているように思った。この作風でそれを言ったら終わりでは。(この票の参照用リンク)
予選で三作品を入れると決めた。だから、いいとは思わないが、相対的にこの作品を決めた。(この票の参照用リンク)
今回はこの作品が一番いいと思った。真面目におかしなことを語るというギャップに妙に納得させられる。(この票の参照用リンク)