全投票一覧(日時順)
第175期予選時の投票状況です。5人より15票を頂きました。
2017年4月27日 22時37分41秒
- 推薦作品
- 神の在る国の物語(たなかなつみ)
- 感想
- 同時に存在しつつ交わることのない「ふたつの国」や「ふたりの人」というイメージが面白いと思う。パラレルワールドとも違う、作者独自の世界を感じさせる。
物語に漂っているのは、静かな絶望感とでも言うべきものであり、その絶望感の中に癒しを求めているようにも思える。しかし、できれば癒しだけでなく、その絶望感の先にあるものを書いてほしい気もする。
それから、「日の昇る国」を「日出ずる国=日本」のこととして読むと、何らかの政治的な意味が出てきて、相容れない二つの政治勢力の対立といったものを暗に表現しているのかなと思ってしまう。(euReka)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- そうじゃくなて(わがまま娘)
- 感想
- 亡くなった親から、そのまま引き継いだ家に住む夫婦の話。2階部分にばかり物が多かったり、家の重量バランスが悪かったりするエピソードを展開させることで、主人公の結婚相手である「キミ」の、母を失ったことによる埋めることの出来ない空白のようなものを、上手く、面白く表現していると思う。そして、そんな「キミ」に寄り添う主人公の、さりげない感じもいい。
前回に引き続き、良作。(euReka)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 夜桜(宇加谷 研一郎)
- 感想
- 冒頭は、普通の人にはよく分からないウイスキーの銘柄や種類を意図的に使っており、専門用語ばかりの文章や、ウンチクを鼻にかけるような文章をパロディ化しているようにも見える。
中盤では、「瞬間にしか存在しない」という珈琲のうまさについての話題を持ち出し、美には、瞬間にしか存在しない美と、後世に残っていく美があるという考察を提示している。
そして最後に、グレンロセスというウイスキーを主人公に教えてくれた「昔の恋人」をウイスキーに投影し、ウイスキーの美味しさは不変だが、昔の恋人につながる美の記憶ははかないという結論へ至る。
よくできた構成だし、物語がしっかりと着地していると思う。
ただし、一番最後の「夜桜をみたい気分となった」というのは、話の流れとして少し唐突な感じがする。「美」という点では、夜桜も共通していると思うが、無理に押し込んだように感じてしまう。(euReka)(この票の参照用リンク)
2017年4月23日 20時7分48秒
- 推薦作品
- 送別会(岩西 健治)
- 感想
- 好みの空気でした。「ランチメニューの電光掲示板」とか、うまいなーと思う。想像の余地がある話は読んでいて心地よい。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 部屋(euReka)
- 感想
- 給料のあたりでにやにやしてしまったのが悔しい。現代的な王だ。王様ってどん詰まり感がある。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 夜桜(宇加谷 研一郎)
- 感想
- コーヒーおいしそう。ウイスキーには明るくないのであれですが。夜桜への繋げ方がちょっと強引な気がした。(この票の参照用リンク)
2017年4月23日 16時25分39秒
- 推薦作品
- そうじゃくなて(わがまま娘)
- 感想
- 前作なんかと比較すると、少しパンチ力が弱いとも思うが、言いたいことは正しく表現できている。この感情を、わたしは作者の感情にかけて掲示板に書いているのでそちらも見てね。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- リンク切れ(Y.田中 崖)
- 感想
- 思い出を大切にする理由が書かれている気がした。残らないものであったり、はかないものであったり。ハードディスクには取りあえず色々と情報を保存だけはしてある。その後、一生見ないものもあるであろうが、とりあえず保存はして、二重のバックアップをしていないからハードディスクが壊れてそれまでになる。ないならないでなんとかなるものだ。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 部屋(euReka)
- 感想
- 面白いし、作品を娯楽として見た場合の皮肉やオチといった面の構成もしっかりと出ている。最近、安定していると感じる。(この票の参照用リンク)
2017年4月16日 19時50分40秒
- 推薦作品
- バーダー/ビッター(テックスロー)
- 感想
- ふたりの登場人物が近づいて声をかけあう話でよいでしょうか。
両側から少しずつ近づく感じ、文体と視点の違いによる描かれている内容の同質性と差異、
そういったものをすごく面白く読みました。前半のほうが読みにくいというのが巧みです。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- そうじゃくなて(わがまま娘)
- 感想
- 「ボク」の側だけから見た夫と妻と義母との三人の関係が、透けて見えるようです。
「キミ」の側の心情が直接は描かれていなかったり、義母がすでにいなかったりという、
欠けているものの存在をすごく大きく感じます。読みながらちょっとぞくぞくしました。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 部屋(euReka)
- 感想
- お伽噺のような背景をもちながら、歪なほどに細々とした生活状況が描かれていて、
そのギャップにまず惹かれました。話の流れ自体がいっそチープなぐらいなのもよくて、
8 畳間の間仕切りカーテンの演出もよかったです。考えどころの多い話でもありました。(この票の参照用リンク)
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