全投票一覧(日時順)

第247期予選時の投票状況です。6人より16票を頂きました。

#題名作者得票数
7ルーシーは赤ソーセージの夢を見るか?euReka5
5朝飯抜太郎3
6メマトイ霧野楢人3
8天使の剥製志菩龍彦2
2モートン・フェルドマンに寄せて蝸牛1
3飛文症吟硝子1
4ペットショップDewdrop1

2023年4月30日 23時25分42秒

推薦作品
メマトイ(霧野楢人)
感想
よくまとまった厭な話。涙をすするハエのイメージが不快で面白いが、実在するとは……。眼球にハエが止まっているイメージは荒木飛呂彦がよく描きそうなので、マンガで想像できた。(この票の参照用リンク
推薦作品
ルーシーは赤ソーセージの夢を見るか?(euReka)
感想
個々の不思議な要素がかっちりと噛みあって物語になっていて気持ちが良い。ニコラス二世と言う名前の不思議さが、最後の「ニコラス三世にいつか自分が殴られる日」で回収されるとか。
良くできてるなと思う。(この票の参照用リンク
推薦作品
天使の剥製(志菩龍彦)
感想
舞台が最もスッと入ってきた。
再読すると、主人公の感じた「言い知れぬ不安」というようなものもわかる気がするし、自分でも感じたことがある。
「天使だって作り物に過ぎない」と思いつつ、「天使だって死ぬような世の中」を想像してしまう。薄暗い空間。見世物小屋。ミイラ。天使が死んで見世物になる世の中。などなどの印象や想像が心細さや怖さを生んでいることがわかる。(この票の参照用リンク

2023年4月19日 18時47分30秒

推薦作品
モートン・フェルドマンに寄せて(蝸牛)
感想
これで完成とするなら、詩じゃないかな?
階段、足の裏の感覚、五線譜、鳥、夜、夜明け、病床、闘病。これらのイメージは、お互いを支え合い、響き合っている。言葉の質量や配分が行き届いている。(この票の参照用リンク

2023年4月19日 8時12分4秒

推薦作品
(朝飯抜太郎)
感想
構成の巧さに。後半の畳みかけるような一人実況が好き。コミカルな語り口と、引き込まれるラストの差もよい。(この票の参照用リンク
推薦作品
メマトイ(霧野楢人)
感想
目に見えないが、睫毛に触れる足と口吻を認識する描写の生々しさ! 思わず目が痒くなってくる。
ラストがやや弱いのが難点。(この票の参照用リンク
推薦作品
ルーシーは赤ソーセージの夢を見るか?(euReka)
感想
どういうことなのかさっぱりわからないが面白い。信頼できない語り手というか、登場人物全員が信頼できない。掴めない登場人物たちの関係性だけが確かにあり、その歪な印象が強かった。(この票の参照用リンク

2023年4月17日 12時50分2秒

推薦作品
(朝飯抜太郎)
感想
今期、小説と呼べる作品は、『粋』『メマトイ』『ルーシーは赤ソーセージの夢を見るか?』の3作である。特に『ルーシーは……』が傑出しているが、ほかの2作にも独特の味わいがある。
「枠」は単なる思い付きにとどまらず、登場人物がきちんと運動し、その運動が物語の推進力となっていることに感心する。学ランの男が狼藉を働いたかと思うと、次の瞬間、実は真っ当な行いであったことが判明する。この右往左往の運動が、この小説におかしみを与える。ちょうとバスター・キートンのサイレント映画のように、運動それ自体が笑いを呼び起こすのである。(この票の参照用リンク
推薦作品
メマトイ(霧野楢人)
感想
この作品には力強い描写の力がある。1000字という短い小説の中で描写の力に賭けるのは大きな冒険だが、作者は果敢に挑んだ。最後まで読ませるのは、精錬された文体によるところが大きい。(この票の参照用リンク
推薦作品
ルーシーは赤ソーセージの夢を見るか?(euReka)
感想
傑作の一言に尽きる。1000字の掌編をコントロールする最大の鍵は、結局、何を書き、何を省略するかという、シンプルだが困難な課題をどう攻略するかに尽きる。この小説はその模範解答。1000字小説を単なるプロットの提示にせず、骨はあるが肉もちゃんとついている小説として仕立てている。(この票の参照用リンク

2023年4月17日 12時9分43秒

推薦作品
ペットショップ(Dewdrop)
感想
家族の「小ミーティング」という言い回しが好き(この票の参照用リンク
推薦作品
ルーシーは赤ソーセージの夢を見るか?(euReka)
感想
結局ルーシーが何なのかよくわからなかったが、ニコラス二世という名前とファンタジック?な世界観が良かった(この票の参照用リンク
推薦作品
天使の剥製(志菩龍彦)
感想
ありそうでなさそうでありそうな感じが絶妙。(この票の参照用リンク

2023年4月13日 17時16分52秒

推薦作品
飛文症(吟硝子)
感想
よく知られた”飛蚊症”からこんな設定を思いつけるとは。他にどんな字が飛ぶのか、どう目を逸らせたらその情報から逃れられるのか、いろいろ気になってしまいました。人との出会いや心の揺らめきは、本当にふとしたきっかけで思わぬ方向に動いていくものですね。(この票の参照用リンク
推薦作品
(朝飯抜太郎)
感想
ドローンによる〜が今どきで、それに対するのがリーゼントに学ラン、ついつい夢中になってしまうのも分かる気がしました。(この票の参照用リンク
推薦作品
ルーシーは赤ソーセージの夢を見るか?(euReka)
感想
題は映画『ブレードランナー』の原作である『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のパロディーですね。そちらのヒロインは、ルーシーではなくレイチェルですが。シュールでありながらも、今となってはやや古風な展開が郷愁を呼び覚ましますね。

『メマトイ』はぞわぞわする感じは悪くないとは思いますが、なぜ自分の後ろめたさを自覚するようになったのか、妻は指摘してしまうことが自らの〜を逆に気付かせてしまうことを意識しなかったのか、などなど、何かすんなりと理解できないと感じてしまいました。

『天使の剥製』は竹内文書や山根キクさんを持ち出したのは興味深かったのですが、舞台装置としてはうまく機能していないように感じました。天使というのであれば、立位で、羽が強調されるように展示するべきでしょう。“一寸法師”が本当に一寸法師であるなら、より極端にファンタジーと読む必要が出てきますが、全体の流れはそうでもないようでしたし…。ちなみに『光は東方より』だと小泉八雲の著作が検索されてしまうので、『光りは東方より』と送り仮名をきちんと送った方が良いと思います。

『ペットショップ』はあまりに普通の日常が描かれていて、この物語から何を主張したいかが分かりにくく感じました。犬猫は知人から貰うのでなければ、かなり入念に下調べをしてからペットショップに行かないと、子供対応が大変になってしまいますね。ちなみに、値段はピンキリではありますが、実は柴犬の方がトイプードルより高価のようです。

『ゴブリンキーパー』はありがちな状況に対する分かりやすい諷刺となっていますが、日本人はこの文字の並びからは、中国語で言えば[虫章]螂を想起してしまうので注意が必要です。

『モートン・フェルドマンに寄せて』は全く分かりませんでした。すみません。図形譜の発案者だそうですが…。ジョン=ケージにつながる現代音楽とは違う、おそらく後年の作曲作品を想定しているのだろうな、とは思ったのですが…。(この票の参照用リンク

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