第242期予選時の投票状況です。7人より18票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
12 | 九九連続殺人事件の解決 | 朝飯抜太郎 | 5 |
7 | 薄明 | 霧野楢人 | 3 |
3 | 記憶の向こう側 | たなかなつみ | 2 |
4 | セメゲィ | テックスロー | 2 |
9 | すたんばい | Y.田中 崖 | 2 |
1 | 上海ホテル | 蘇泉 | 1 |
5 | 離魂丸 | 志菩龍彦 | 1 |
6 | 一時的リカバリーモード | (あ) | 1 |
11 | さて、醤油麹でも漬けるか。 | 吟硝子 | 1 |
死にすぎ。(この票の参照用リンク)
上手すぎます。脱帽です。(この票の参照用リンク)
娯楽作品として優れている。(この票の参照用リンク)
サービス過剰の面白さ! マザー・グースをもとにしたミステリ感もあり、少年漫画の
探偵ものを思わせる流れもあるけれども、何よりナンセンスな死因がいい。「71人」の
理由が「8の段」とか。エンディングもホラーでおさまらず、さらにその先に落ちが!(この票の参照用リンク)
読後、つい笑ってしまいました。その時点で負けですね。かつてよく事件物を投稿してくださっていた朝野十字さんの作品を彷彿とさせ、久しぶりに読み直したりしてしまいました。(この票の参照用リンク)
抜群に良かった。
澄み切った朝方に聞いた虫の声。疲れ病んだ心が少しだけ快方に向かう瞬間、その前後の対比が鮮やかに、ただタイトルのようにささやかに描写される。(この票の参照用リンク)
丁寧な描写。(この票の参照用リンク)
満ちる情感も、文章から見える風景も、すごくよかった。真夜中の心許ない目覚めや、
同居人の睡眠を慮る背徳感や焦り、虫の声や、口ずさんだ歌声が恥ずかしいといった、
経験しがちな場景が的確な言葉で象られ、妻の寝顔が軸の心情の変化がとても自然でした。(この票の参照用リンク)
「おれら今から〜」のリフレインが記憶のわだかまりとして効果的に響いてくる。
文章から湧いてくる心許なさとかなんとも言えない情感が良かった。(この票の参照用リンク)
いつまでも後を引く学校生活の思い出ですね。心理状況的には高校のような気がしますが、中学とは。中学生は壁を作っている同級生には声をかけないようにも感じますが、”かれ”からすると主人公は心が通じ合うように感じられた同級生だったのでしょうね。最後の一文が、主人公のその後の生活の不安をほのめかし、独特の余韻をもたらしているように感じさせられました。
『絶望六人組』もシュールさときれいな落としどころから推したかったのですが、今回はライバルが強力すぎました。
『薄明』はいつもながらの美しい文章で、愛妻家ぶりが惚気として伝わってきて微笑ましく感じつつも、その仕事の大変さに同情を感じましたが、故郷を離れたその場所が、故郷とどのように違う土地なのか、虫の種類を示すことで示していただければ、より臨場感が出てきたかも、と思ってしまいました。…北海道はあまり虫が鳴きませんね。
『さて、醤油麹でも漬けるか。』はさらに短い500字での挑戦を続けられていて、きれいに情報を整えて、話がまとまっているのは見事だと思います。余韻も素敵でした。ただ、他の 1000文字作品を超えるには至っていないのが残念です。
『セメゲィ』は same again でしょうか?でも”発明された言葉”だそうですし…。1960年代のヒッピー文化を彷彿とさせる作品と感じられましたが、その文化がよく分からなくって、すみません。
『一時的リカバリーモード』はリカバリーされた結果は良かったのですが、経過が分かるような分からないような。IT という略語には、情報技術の他には統合テストと核異性体転移しかなく、何かを含意したわけでもなさそうでしたし…。字数制限もあったのでしょうけど、「ふりをしてほしいです」は「ふりをしてほしいのです」の方が文脈に合っている気がしました。
『類友』は…、物語として意図したいことは分かるのですが、読みにくく、状況が把握しにくかったのが残念でした。
『離魂丸』も分かりやすいお話しではありましたが、ネタが案の定で、”〜だったらどうするの?”がそのままで、読んでいて想定を超えなかったのが残念です。
『コールドスリープ』もありがちな話で、落としどころも案の定なのが残念でした。(この票の参照用リンク)
最初、攻めゲイだと思ったが、死にたい。他の方の感想にあるように、Same Again(もう一度やってほしい)だと意味が通じる気がする。
デジタルデトックスで、言葉からも離れて、限りなくアナログに近くなろうとする葛藤、輪郭が曖昧になり、ぼやけていく世界の中で、感覚だけが増大していくような、そんな物を表現しようとしているのがスゴイ。(この票の参照用リンク)
乳房を掻く描写の倒錯した比喩が良かった。ギタリストの記述からロックなイメージが膨らんで、文体の崩し方から作品全体がロックな気さえしてきた。(この票の参照用リンク)
完全に理解はできないが、その文章なのに映像、動きの鮮やかさ! 素晴らしい。
落語家、控室、ゲーム、骨、ドッペルゲンガー(残機?)、要素の融合感がまた良いな。(この票の参照用リンク)
畳み掛けるような戦闘の描写が表現に富んでいて良かった。全体の台詞回しや文体も作品の雰囲気に合っている。
「なんだか今日はおかしいぜ〜」のリズムが良く、場面転換の起点として光っているように感じた。ただ話の流れは難解だった。
「離魂玉」はまさに落語という感じがあり、オチは読めたが期待通りの展開だった。
「絶望六人組」は、表面的な部分だが麺を乗せる姿がシュールで良かった。勝手にパスタを思い浮かべたが、蕎麦なんかでも面白い。
「九九連続殺人事件の解決」はぶっ飛びかたが面白かった。この子すごい。(この票の参照用リンク)
今回は読み応えがある作品が多かったのですが、きれいに落としてくれたという点で、本作は素晴らしかったです。違う結末を予想して読んでいましたが、やられました。(この票の参照用リンク)
語りのリズムとバランスが良い。形式が良い。(この票の参照用リンク)
各登場人物の背後にある、ここに書かれていない物語。(この票の参照用リンク)
細かい言葉や文章の重ね方がとても巧みで引き込まれる。「ああ、そういうことじゃ
ないんだよ」からの烏賊なしの盛り合わせとか。実家のエピソードから写真への挨拶まで、
いなくなった身内の誰かへ自然に思いを馳せ、あたたかなご飯の場景を感じました。(この票の参照用リンク)