第241期決勝時の投票状況です。10票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
6 | 蝦夷小車 | 霧野楢人 | 5 |
4 | 君に、胸キュン | euReka | 2 |
7 | Buying God Buys | テックスロー | 2 |
- | なし | 1 |
想像させられる情景のさわやかさと、主人公が感じただろう幸福感のようなものが想像できて、良かった。想像の余地もあるような気がして、最も広さを感じられたので。(この票の参照用リンク)
読んでいて全体的に安心感があった。情景の描写も個人的に好みだった。(この票の参照用リンク)
#4は、再読したところ初読時に意外だったと思ったラストが薄く感じられてしまった。ポップではあり、あえてポップカルチャーみたいなものを皮肉っているようにも読める。ただ少し都合がよすぎはしないか、あとデートって単語はあざとすぎないかとか気になった。
なお予選時の胸糞について補足ですが、二人の関係性ではなく社会的第三者の意見を挟み込む構図についての所感でした。閉じた二人の間であれば単なるイチャイチャなので、好きにすればよろしい。振り返ってみて胸糞は不適切だったと反省しております。
#7は(本作に限らずですが)皆さんの感想で少しずつ謎が解かれていく感じが楽しかった。ただ、私のなかではどうしてもこの形式にする必然性が読み取れなかった。
というわけで、予選時にはスルーしてしまったが読後感が一番よかった#6に投票する。(この票の参照用リンク)
「蝦夷小車」
白いテディベアが浮いてるように感じる。
自然や人からもらった元気を、バイタリティーに変換する。物事の良い面を見る。広い世界が目の前に開けていると感じる。そういう、ポジティブな精神が書かれている気がする。
「君に、胸キュン」
彼女(伊藤桃花さん)、僕(井上シンジさん)、ホームルームで発言している生徒、この三者のキャラクタと関係性の違いが書けているから二人の心の結びつきがわかりやすい。この伊藤桃花さんて、こんなに早くシンジをデートに誘う人なのかな?千字の狭さを感じた。
「Buying God Buys」
千文字のマエストロなのは間違いない。
感想を書くのが楽しい作品なのも間違いない。
異国語で物語を描くチャレンジを尊敬する気持ちもある。
だけど、やっぱり、英語だから、理解できているか自信がなかったので投票できませんでした。英語で書かれた理由を、「書けるから説」「書いてみたかった説」「できちゃった説」「何か作品の価値に絡む意図がある説」「このサイトに外国の方の作品が寄せられているから影響を受けた説」など、色々考えたけど、結局「何か作品の価値に絡む意図がある説」が汲み取れなかったので仕方なかった。
めっちゃいい神やん、拝みたいわ→いや、この神やっぱいらんわ。心を込めて作った商品がなんだかMOTTAINAI。ビジネスもものづくりも人に喜んでもらえてこそやわ、と、気持ちが変わったり。売れりゃなんでもええねんそれで従業員養えるんやし、祈るわ、という気持ちもわかったり。人間はどっちの心も持ってる気がするから、自分の中で意見が対立してしまう。そういう揺さぶってくるテーマも小説っぽいと思う。好きか嫌いかでいうと、普通。(この票の参照用リンク)
北海道(たぶん)の海岸沿い、列車の駅があって海岸が近くて、人は少ないけど、観光客が通りかかり…、いいですねぇ、青春ですね。北海道には、ふと出かけていって自然に包まれたくなる、独特さがありますね。
『君に、胸キュン』は虐待かネグレクトかでコミュニケーション能力に欠けた少女が、どうにか見つけた信頼できるかもしれないクラスメートに、全ての可能性を賭けて我が身を投げ出した、という感じを受けて素敵な物語に感じましたが、まぁ、おそらく他の方が票を投じると思うので自粛しておきます。
『Buying God Buys』は後半の、”Automotives, books, computers, donuts, engines, fictions, guns…”は ABC順に並んでいたのですね。分からなさが確かにマザーグースっぽいかもしれません。(この票の参照用リンク)
描写が漫画かアニメのようだが、これが小説だからいいんだと思った。漫画かアニメでよくあるからと言って、小説に描かれたものを読んで漫画かアニメしか思い浮かばないのは読者である自分自身の想像力の欠如だとおもった。漫画かアニメのように思えてしまうのは、もう一つに登場人物の類型的な所作にもあると思うが、これも、だからと言って漫画やアニメに寄せてしまうべきではないと思った。ホームルームで伊藤さんのことを告発するときに糞虫の説明がどこまで必要なのかい?
主人公であるところのシンジ君が嬉しかったり、ままよと思ったりするところは、ほかの登場人物と比べて、まっとうな感情が描かれていた。ほかの登場人物の異常さに比べて普通だと思ったし、それでいいと思った。(この票の参照用リンク)
改めて「Buying God Buys」読んで、少し迷った。こちらは書き方も内容も興味深く、考察のしがいがある。欧米にこんな寓話があると言われれば信じてしまいそうだが、うまくメッセージを掴むことができなかった。えらい不健全だなとは思った。市場経済でBuyingGodの干渉により「神の見えざる手」が働かなくなったら、例えばそのうちあらゆる値段設定が馬鹿になって結果的に貧困が発生するかもしれない。
ということで予選と変わらず「君に、胸キュン」に投票する。胸糞悪い話の裏に救いが存在すると考えると奥行きを感じて良い。コンパクトにまとまっているのは重めな話を敢えてリズミカルな仕上がりにしているようで悪い印象ではなかった。タイトルだけは鎖骨のあたりが痒くなる。(この票の参照用リンク)
決勝に残った3作どれも中身らしい中身はないように思った。表現の面白さを競っていると考えると散文詩のような本作が一番綺麗に作っていると思う。(この票の参照用リンク)
英語は最小限しか使用しない日本語使用者ですが、というか、もしかたしたら、なので、なのかもしれませんが、
読んだときのリズム感がとてもよくて、それに乗せられてすいすいと読みました。Buying God の存在のせいで、
People は学習する機会を失っている不幸な話で、prayer だけがふんだんに消費されている様に、強いリアリティがありました。(この票の参照用リンク)
個人的には物語が読みたい。
物語の中から滲み出してくる何かを感じられる作品を期待。(この票の参照用リンク)