第226期予選時の投票状況です。6人より10票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
4 | 夏の住人 | euReka | 4 |
1 | 二日目 | テックスロー | 2 |
5 | 狩人 | 霧野楢人 | 2 |
2 | 何より大事なことなので | たなかなつみ | 1 |
3 | 鬼 | Y.田中 崖 | 1 |
永遠に続く夏の世界に入り込む話というと、自分にはすぐに思いつく小説があって、
その記憶にどうしても意識が引きずられてしまうのですが、
後半ののんびりした違和感を面白く読みました。自分なら千円プランかなと思います。(この票の参照用リンク)
主人公のとぼけた感じと、夏の住人の温度差が面白かった。
あと、老婆の狼狽(!)からの口調が変わるところが癖になりそう。価格設定が雑なところも気に入りました。(この票の参照用リンク)
意味はよくわからないのですが、そのシュールな感じによって短編小説にちゃんとなっているので良いかな、と思いました。季節も夏ですし。(この票の参照用リンク)
シュールな感じが良かったです。何気なく出された飲み物が驚くほどこうかだったりするのは、ぼったくりバーだけでなく、海外の旅行先でもよくある事なので、気をつけた方がたびを楽しめますね。
『何より大事なことなので』は言葉と情景が攻め込んでくるようで肌に合いませんでした。『鬼』もシュールなグロテスクさが話の筋にうまく嵌まってないように感じました。
『狩人』は…先日も札幌市東区にヒグマが出没し、住宅街で男性が襲われて大怪我を負ったそうですね。蕗はクマもシカもイノシシも食べるそうです。ヒト・イヌ・ネコが食べるときにはあく抜きをした方がいいそうです。ヘリが追っているならアフリカのサバンナ?でもコンクリートがあるし、至近距離で轟音が鳴っても逃げおおせているし、情景が捉えきれなかったのが残念です。
『二日目』は…、両親が離婚した子供は親の双方にとても気を遣うので駄々をこねたりしません。面会日以外でもし同居しない親を見かけても、声を掛けないものです。別れた親同士も生活空間が重ならないように気をつけて暮らします。実際の生々しい話をいくつも聞いていると、本作は空疎に感じられてしまったのが残念です。(この票の参照用リンク)
大いにありうることが丁寧に描かれていて、面白く読みました。
それが誰でも相手によって見せる自分は異なるもので、
想定外の人に自分の別の面が見られてしまうと大いに狼狽えてしまうものですね。
最後の段落が効いていたと思います。(この票の参照用リンク)
前半と後半(キレイと汚い、理想と現実)の落差で、思わず笑ってしまった。
常にキレイで正しくはいられないのが人間なのかなと思うと、少し気が楽になる。(この票の参照用リンク)
爆縮という言葉を初めて知ったし、いい使い方だなあと思った。「俺を見ろ」と言う主人公は、一見熊を自分と同じ対等な生き物として、いやむしろ畏怖して丁寧に扱っているようでいて、その実生殺与奪の件を握りながら熊の感情を味わい尽くそうとする。それはとても贅沢で残酷な行為だと思った。小説を書くことにも通じるなと思った。(この票の参照用リンク)
瞬間の文学。猟師と熊の(熊ですよね?)間にだけ広がる世界がある、という描き方、見せ方がうまいと思います。熊への語りかけの形式も、そこに二人しかいないように感じられてよかったです。全体を通して、息が詰まるような緊迫感がありました。(この票の参照用リンク)
反復によって朝が引き延ばされ、写真という二次元媒体によって四方八方に広がるイメージがよかったです。反面、「今日をそのまま貼りつける」というのがイメージしづらかったかも。
モノが溢れた状態を前にした焦燥感がひしひしと伝わってくる。大事なことを保存する、増やすのが幸福という一種偏狭な価値観の歪さが浮き彫りにされるようでした。(この票の参照用リンク)
細かく分かれた断片的な文章が重なることで、コマ割りのような雰囲気が現出して、
まるでビデオテープを観ているような気になりました。
亡くしたものを、なんとかしてもう一度、という雰囲気に合っていて、よかったです。
タイトルがよいです。(この票の参照用リンク)