第225期決勝時の投票状況です。7票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
1 | 家を育てる | たなかなつみ | 1 |
4 | ようそろ | テックスロー | 1 |
7 | ヤシの実スリッパ | kyoko | 1 |
8 | 夢の中の家族 | euReka | 1 |
未公開票 | 3 |
見える情景が美しく、心地よかった。(この票の参照用リンク)
宇宙船地球号の船長と向き合える機会はそうあるものではありませんね。地球を動かす、自転と公転の双方の動力に、莫大な量のストレスが必要となりますから、一人一人と会って話をする余裕はないでしょう。主人公の生み出すストレスは特別なもので、船長もひと目会ってみたいと思ったのかもしれません。…などというのも余計なお世話ですね。テンポ感もシュール感も今期で飛び抜けて秀逸でした。
『夢の中の家族』も夢と現実の交錯を描きながら、暗くなりそうで暗くしない筆の運びが秀逸だったと思います。ただ、働かずに生きてきた男性が、女性と子供のために働かざるを得なくなったのは、できれば幸せな結末だったと思いたいですね。
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「絶望の淵」「よろよろと」「このまま消えてなくなってしまいたい」「本当に本当に好きだった」「幸せだった」といった、
語り手の自分の情に対する定型的で大げさな表現が並ぶのと相対して、ほぼその願いどおりに現実に起こっていく事象自体は、
「ぶちりと」「ぷちりと」といった言葉とともに、酷すぎるほどに淡々と進んでいくのが、とても面白く、好きな話でした。
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静かで暗い地下鉄の廃駅が、悪くない居心地というのは、男の心象風景を指しているように思える。結婚して子供が生まれてなお感じてしまう孤独感やいたたまれなさに、子供や、妻が光を当ててくれるように見える。ただ、一方的に地下鉄のねぐらが暗くて、悪いもので、家族との生活が光ある正しいものと描かれていないため、変に読者にプレッシャーを与えないところがよかったと思う。(この票の参照用リンク)