第104期決勝時の投票状況です。14票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
4 | 青の男 | 和泉翠 | 5 |
18 | 蜜葬 | 志保龍彦 | 4 |
19 | 『エコーエコー』 | 吉川楡井 | 2 |
1 | 鼠と猫 | 土竜 | 1 |
14 | 夕方、一人で留守番してたら | とげとげシープ | 1 |
- | なし | 1 |
その後が気になります(この票の参照用リンク)
グットです(この票の参照用リンク)
始まり方と、それの使い方がよかったです。(この票の参照用リンク)
何より、世界観が解りやすい。長編の一部を切り抜いて納めたような、前後を想像させる感じも良かった。
よくある話な気もしたが、独自の世界観にはまって抜けられないよりよっぽど良い。
個人的な趣向も含め一票。(この票の参照用リンク)
最後すてき(この票の参照用リンク)
青の男
丁寧にまとめている。つつける重箱の隅はあっても全体的にみれば悪くない。
でも無難すぎる。映像をイメージしてもとくに心動かされず、文章の味も残るほどではない。
蜜葬
今回の投票はこれ。
不満点はある。改行ミスらしきところが目に付くし、文章の修飾もやや過剰で好みではない。
だがビジュアルが印象的なのが大きい。
今回の決勝作をそれぞれ脳裏で想像して、次の日にもすっと思い出せるのはこの作品だけだと思う。
鼠と猫
オチが弱い。
そういう話じゃないと作者が不満に思ったとしても、この流れでは読者はオチを期待してしまう。
夕方、一人で留守番してたら
改行が好きじゃない。オノマトペが好きじゃない。ダッシュの使い方が好きじゃない。なにもない展開が好きじゃない。
全体的に自分が好きじゃないタイプのお話。
『エコーエコー』
舞台設定もカタカナの使い方も、なんだか一昔前の流行物のようで気になる。
今時これでいいのか。(この票の参照用リンク)
今回は皆さんと志向が合って居た様で私が予選で選んだ3作がそのまま1位2位3位の予選順位を形成して居た。ですが今回の選は1作のみ、18と言う事でお願いします。(この票の参照用リンク)
どうとでも落としようのある作品の多かった中、この作品は逆にフェアプレイで異質でした。あくまでも相対的にですけれど。おめでとう!(この票の参照用リンク)
震災後という複雑な心境の中で、落ち着いて読めたし心にしっくりくるものがあったので。(この票の参照用リンク)
『密葬』と『エコーエコー』で迷ったけど、今回は『エコーエコー』で。
『密葬』は、日本の山奥の村の風習が描かれているのに、どこか古代エジプトっぽく感じられて面白かった。(恐らく、「屍体の保存」というミイラとの共通点と、黄金のマスクを連想したため。)
ただ、全体的にきれいにまとまりすぎている気がする。金色の屍体が千も並ぶ様子は荘厳かもしれないが、驚愕したり衝撃を受けたりするほどではなかった。蜜葬の生まれた背景、ぞっとするような謂れなんかが書かれていればまた違ったかもしれない。惜しい。
『エコーエコー』はカタカナが気になった。語り手の年齢を下げるためかなと思ったけれど、そうすると冒頭(「枢軸気温」あたり)が硬い気がする。第一段落の途中で急に幼くなるように感じた。
後半の、ほら貝から宇宙へ広がるイメージが素晴らしい。螺旋を描くような形状のほら貝の奥には、確かに宇宙が覗きそうだ。少女がほら貝に口を当てて囁く、という絵も美しくて好みだった。
宇宙のハテは自己と他者の境界で、部屋でひとりほら貝に口を当ててハテと交信する行為はつまり自らの精神の奥深くへ潜ることに他ならないのではないか。絶対の孤独を感じながら、真摯に自らの本質と向き合う行為ではないか。そんなことを思った。
静かな闇の中で一つ星が光っているような、心地よい読後感があった。(この票の参照用リンク)
「『エコーエコー』」に一票。
「青の男」
良い瞬間を千字で切り取っていると思うし、その中で登場人物が物語をちゃんと進めているという印象を受けた。が、“読めば読むほど”というものを望む個人的嗜好からすると物足りない。となれば、やはり典型から抜け出し切れていないということか。
「蜜葬」
或る種の淫靡さを漂わせた、まさしく“怪奇”な世界観が、伊藤潤二を想起させる。それが故に、「黄金色の琥珀に塗り固められた屍体」というだけで十分なビジュアル的なインパクト(旨味)があるように感じ、序盤から中盤へのもたつきが惜しい。
「鼠と猫」
ちゃんとまとまった話、という印象。落語なんかと同系統なのでは、とまで思う。だがそんなに(落語的な意味で)巧くない。
「夕方、一人で留守番してたら」
「メリーさん」をパロディにするという行為自体がもはやどうしようもない域にあるものだと思っていたのだが、「面白い」と感じる人がいるのだからまだそうでもないのだろうか。或いは私とはもっと違う文脈で本作品を読んでいるのだろうか。わからない。
「『エコーエコー』」
さまざまなものが隠蔽される一方で、そうであるが故にそれ自体何かを暴露している。「放熱スモッグ」は何かを隠蔽し、だがその何かを「嘘」として暴露していく(無論、それを真実としてではなく)。
「ほら貝」も何かを隠蔽しつつ在る。主人公がそれに教えを乞う時、暴露の中に在る隠蔽をもまた知ることになる。「宇宙のハテ」と名付けられたその隠蔽だけが、主人公達の世界におけるあやふやな「幸せ」を保証してくれる唯一のものである。
(anonym_self)(この票の参照用リンク)
#14とどちらにするか、最後まで悩みましたが、今回はこちらにします。
どちらも、今一つ何かに欠ける感はありますが、ここは面白さで考えて、こちらを推薦します。
(この票の参照用リンク)
人間が描けている。こころの動きが、話の面白さになっている。メリーさんという、ありそうな、異質さ、を利用したのもいい。(この票の参照用リンク)
4 青の男 和泉翠 3
ダメな男にひかれちゃうって話なのかな? 興味をひきつけられなかった。もっと細部が書かれていたら読めたのかもしれないなって思った。
18 蜜葬 志保龍彦 3
アイディアは面白かったんだけど、文章がうまくないんだよなあって思った。「突然のことに激しく動揺し、みっともなく取り乱したものの」とか、真剣に書いてるのか疑っちゃう。動揺したら取り乱すだろうし、みっともなくない取り乱し方っていうのもないしなあ、うーん。決勝になるとこういうの気になる。
1 鼠と猫 土竜 2
自分で造語を作って、それでだじゃれを考えたみたいなのは、良くない。なんでもできちゃうじゃん。狐である必然性は、作者がこのオチを書きたいからじゃないのかな。
あと、漫才みたいなせりふの応酬はだれが書いても辟易する。台本じゃん。
14 夕方、一人で留守番してたら とげとげシープ 2
ふふ、かわいらしいね、って思った。いつでもどこでも読めちゃう作品には投票できないなって思った。
19 『エコーエコー』 吉川楡井 2
いいと思うんだけど、ほんと「そうだね……H、A、TEだね。」ってとこが目が覚めるほどのかっこわるさなんだよな。いちゃもんをつけてるみたいだけど、ほんとにこういうとこがだめなんだ。(この票の参照用リンク)