第83期決勝時の投票状況です。12票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
8 | ベイビィポータブルボム | キリハラ | 5 |
23 | 夏の鐘 | euReka | 4 |
17 | 赤い糸 | qbc | 1 |
18 | 午後五時四十五分の悲鳴 | 宇加谷 研一郎 | 1 |
- | なし | 1 |
とても楽しく読ませていただきました。(この票の参照用リンク)
『ベイビィポータブルボム』に一票。他三作品がこのウェブサイトで受けそうな小説という印象だったのに対し、同作品は良くも悪くも他の似たようなコンペティションでも同様の受け方をするものだと感じた。「短編」内で考えるならば他の作品を推しても良いのだが、少々大仰ながら普遍性という点から今回はこの選択とする。
というか、たまにはライトノベルっぽい作品も優勝しないと。いつもここらしいままでは不健全じゃあないですか。(この票の参照用リンク)
「何も考えずにただ楽しめるものを作る」というのは、実はかなり難しいことだと思う。実感としてそう思う。作者がどんなことを考えてこれを書いたのかはわからない。が、でもそんなこと関係なしに、これはただただ楽しいのがよかった。(この票の参照用リンク)
おなじみの全感想というやつを書いている中で、感想を書くのに窮してしまった作品がある。それは今期決勝に残った『ベイビィポータブルボム』と『赤い糸』の二作だ。どちらの作品も完璧な出来栄えで隙がないと感じた。じつに困ったことだ。感想を書く上での取っ掛かりが見えない……。それに引き換え『午後五時四十五分の悲鳴』はつっこみどころ満載だ。「知悉」、「黄菜子」、兎のぬいぐるみに時計を埋め込むような訳の分からない主人公など、感想を書く者にとってはとてもありがたい、親切な作品だった。
さらに前者の二作を分けるとすればこうなるだろうか。まず『ベイビィポータブルボム』の方は、何の裏もなく、読者を楽しませることに100%徹した、限り無く読者に開かれた作品という印象を受けた。一方『赤い糸』の方は、内側に何かを抱えつつ、他者から自分を閉ざそうとしつつも、どこかで他者と繋がっていたいと願う、切ない祈りのようなものを感じた。(この“切ない祈りのようなもの”は『午後五時四十五分の悲鳴』にも同様に感じられた)
予選では『ベイビィポータブルボム』を推しているのでそのまま一票入れるのが順当なことだと思うのだが、正直言って迷っている。
(euReka)(この票の参照用リンク)
単純に一番楽しかった。(この票の参照用リンク)
今期の決勝は出て欲しい作品全て出たから満足。
その中でも優勝するならこれ一択で。(この票の参照用リンク)
ベイビィポータブルボム
初読で素通りしてました。
ところどころで光る節回しがあるものの決勝に残るとは思ってませんでした。
そうそう。みなさんが絶賛している「志穂はボブを整えて指揮官の顔になる」のフレーズ。
身近にボブヘアの子がいない私はボブと言う言葉がヘアスタイルと結びつきませんでした。私が生まれる前に流行った髪形ですね。ボブと聞くとサップしかなくて。この辺りはジェネレーションギャップでしょうか。
逆に「最近の若いもんは日本語が乱れていてけしからん!」と言われたりします。しかし、赤点組に古風な言い回しをさせたりするとキャラが成立しないわけで。受けるためには対象読者の年齢層まで考慮に入れなければならないんだと、勉強になりました。
いま読み返すと。ギリギリまで削った作業は評価に値すると感じました。
赤い糸
「牛タン弁当食べたくなりました」これ、作者様に対してのStanding ovationです。きっとどんな評価よりも貰いたかった一言なのでは。
冗談はさておき。設定への突っ込みどころが満載なので片っ端から速射砲してみます。
まずはネットで知り合った正体不明の三十男さんと一対一でオフ会なんて普通の女子高生ではありえません。私の知る限り、そんな度胸のあるひとはいないです。しかもランケーブルを赤マジックで塗り潰すようなひとと会うのにセーラー着ていって挑発するなんて。援交目的金目的だったのでしょうか。その手のキャラ設定でもなさそうだし。
>私が来たことで彼女の気分が明るくなって良かった。
こう持ってくるには、会ったばかりの音絵ちゃんは鬱ぎこんでいなくてはならないはずなのに、セーラーではじけてる?! ってことは一人称が自意識過剰と匂わせる効果なのかなとも取れるのですが、そういう方向でもないみたいです。
夏の鐘
推薦理由を述べるにあたり、まず作者様についてふれなければなりません。
エウレカさんの作品は初めて読んだときから特別な何かを感じました。
ファンタジーベースで登場人物を介して心の内にある“なにか”を表現しようとなさっていると。その「なにか」がなんなのか私は解りかねておりました。発想自体が常識を突破していて、ノリピーと薬物を服用しながらでなければ創作しえないのでは、とさえ感じていました。その答えは、つい数日前に覘いた掲示板のなかにありました。
「言葉で表現できないものを言葉で表現する」
トラックに轢かれたような衝撃を受けました。いえ、実際にトラックで轢かれたことはないので、こんな衝撃なんだろうなとの想像なのです。そう。確信ではなくて想像の衝撃。なぜならはっきりと言葉に出来ないからです。
おそらくは求めているもの、到達したい地点が似通っているのではと感じました。特別な何かを感じたのも、いまならなるほどなと思えます。
しかし今期の作品はもっと詰められたはずです。突き詰める。ファンタジー故の曖昧さ、読者ごと千差万別に受け取られるイメージの曖昧さをいい意味で残したまま、より深い場所へと誘導できたのではないでしょうか。このジャンル、書き方だからこそ、さらなる詩的な領域へともう数歩踏み込んでも良かったのでは。詩的な領域というのは、言葉の使い方に脳みそを削るという意味です。千文字以内で、たった千文字だからこそ必要な作業。
こんな作業の繰り返しで「言葉で表現できないものを言葉で表現する」へと近づける気がします。
それと一般的な小説作法に則って創作されることをお勧めします。小説なのですから記号などのニュアンスに頼ったりせずに全て文字で表現していただきたいのです。
あれこれくだらない主観をならべましたが「夏の鐘」は素晴らしい世界観を表現しています。(この票の参照用リンク)
「ベイビィポータブルボム」
素直に面白いといえる。文章・表現ともに高水準。優勝してもいい作品だと思う。
が、物語に惹かれるものが少なかった。物語は小説を構成する重要部品の一つだと考えているので、そこだけが残念だ。
「赤い糸」
中年男がネットで知り合った女子高生と会う。普通に考えても援助交際を連想させる不純な筋だ。
そこをあえて純粋なところに落ち着けたのが、この話のメインだと思う。
しかし笑顔を見ただけで色めいた期待がなくなるというのはどうも腑に落ちない。中年男になれば理解できるのだろうか。
すっきりしたお話のはずなのに、どうも納得の行かないもやもやが残った。
「午後五時四十五分の悲鳴」
迷った。ものすごくよい。とくに主人公の世間ずれしたところに好感がもてる。
きっとこの主人公が黄菜子を誘ったのには、なんの邪気もないのだろう。黄菜子の方が恋心のようなものを見せているのに、主人公の朴念仁さが心地よい。
「夏の鐘」
今期の投票はこれ。幻想的な物語がたまらない。
多少文章に粗がある気もするが、描かれている景色の素晴らしさに負けた。
この作品は感想が上手くかけないのが悔しい。(この票の参照用リンク)
交差する受け渡し、道行きがある、赤い糸には交差がないように感じた(この票の参照用リンク)
ベイビィポータブルボム
文が読みやすくない上に人物が多いので、初読では難しく感じました。1000文字で、しかもコンテストだから繰り返し真面目に読む人がいる、ということを逆手にとったと言えなくもないので、そこをマイナスにとるかどうかは好みの問題かなという気がしないでもないですが。
「志穂はボブを整えて指揮官の顔になる。」はとてもいいと思いました。今期一番グッときたフレーズでした。
赤い糸
予選で推した通り、この作品に投票します。
一人称が複数混在しているのはよくないと思いますが、どの程度よくないのかよくわからないのが困ったところです。
「インターネットの、(中略)LANケーブル」という言い方はどうかと思いましたけど、どうなんでしょう。
午後五時四十五分の悲鳴
はじめは、ずいぶん平和な職場だな、と思ったのですが、男が賭けをするのを初めて見たからビックリ、という描写があったので、実はダークな職場なのかもしれないと思い直しました。既にそれなりに男のことを意識していたということをほのめかしているのかもしれませんが、そっちの方が深読みに感じられました。
『結局男が目隠しを外す前に時計を抜き取って、男は女子数人にランチをおごった。顔色一つ変えなかったが「ハズすなんて……」と男が呟いたのに黄菜子は気付いた。輪に入っていたけど黄菜子は嘘が嫌いだった。』というのが一段落なので、視点とか主語とかいった観点からみてひどいと思いました。
夏の鐘
「埃のかぶった箱」は、埃をかぶった箱、じゃないでしょうか。
ピストルは、撃つ、だと思います。
話としてはよくできていて、おもしろいんですが、なんか既視感がありました。つい頭の中で、海岸とピストルと男と女か、ってまとめてしまうような。(この票の参照用リンク)
初読で最も印象に強く残ったので、この作品を推します。
時計の秒針を心臓の鼓動になぞらえるところでやられてしまいました。
何度か読んでいるうちに黄菜子の必要性に疑問を感じましたが、まあそれはそれで。(この票の参照用リンク)
確変男になりたいよう
エゴいスタア
コント「ブランコと僕」
の3つがたんじゅんに好きなのですが
決勝にのこっていないので残念です
(もっともらしい推薦理由がかけなかったので予選では投票しませんでした
なんか好き
なんて書いたら不純な票におもわれそうで・・・)
決勝にのこった4作品は
みやげもの屋においてあったら記念にかっていくけどな・・・
というかんしょくでして
みばえもして、つくりもよいかんじで
ここいってきたよー
とトモダチにわたすのにはいいのですけれど
じぶんのうちにもって帰ったとすると
愛着がわかずにおき場所にこまってしまいそうだなー
というような印象なのです
ごめんなさい・・・
ホントはイゾルデに投票したいのですが
決勝にのこっていないですしそれいぜんに自分のなので投票できません・・・・・
こういうことかくのってホントはいけないんですよね・・・・
ごめんなさいっ
みうら(この票の参照用リンク)