第25期決勝時の投票状況です。19票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
23 | 宿命 | 桑袋弾次 | 9 |
22 | 風の惑星 | 朝野十字 | 4 |
6 | 夏祭り | とむOK | 1 |
- | なし | 5 |
残った作品の中で、この作品が好みでした。
最初は落ちが怖かったが、もう一度読み返すと、容器を手に取ったときの唐突なセリフが面白いなと思った。この一言が、ホラーな状況をうまく救っている気がした。海外ドラマなら、ここで見えない観衆の笑い声が挿入されているかも。そんなことをあれこれ想像して、楽しくなりました。(この票の参照用リンク)
面白いし、他の作品が好みでないので。
題材の時点で好きになれない作品をどう扱うべきかいつも悩むが、それは無視してでも自分の好きな作品に票を入れていかないと段々楽しめなくなっていく気がしてきたので、投票にはなるべく積極的に参加していきたい。(この票の参照用リンク)
予選のときからこの作品だと思っていたので、今期は迷わずこの作品で。面白しろおかしく書いている表面上と、書いていないのだけれど感じられる裏側の部分のバランスが良かった。(この票の参照用リンク)
桑袋弾次の作品はだんだん堕ちているように感じるが、そのわりに票を稼いでいるのが不思議でならない。
今期の『宿命』を桑袋の過去作品と比べて、ぜひとも推したい、とは思わないが、「短編」の過去優勝作を思い出すと「推せないほどに悪い作品」ではない。ショートショートとしてもアイディアが生きてるし、目のつけどころも良く、センスを感じる。ただ、『宿命』はそれだけのみで書いてしまったような、薄さを感じた。
しかしそれは、「桑袋弾次の作品」として感じたものであり、決勝で推すのに『宿命』は上々。(この票の参照用リンク)
癖っ毛の女の子の気持ちは、癖って毛の女の子にしかわからない。
頭なんてなくなっちゃえばいいのよって思ったかどうかは書かれていないが、溶けてしまうところがリアルだな。
まだ間に合うとパパがヘルメットかぶせるのもかっこいい。(この票の参照用リンク)
今回は、問題なく「宿命」で良いと思う。わりかし叙情的な作品がウケそうな「短編」においては一見、異色作ながら、世にあまねき短編界においてはひとつの王道であり、軽妙洒脱なコメディ・ノワールとなっている。モラリスティックな観点から好き嫌いが分かれやすいかと思ったが、予選に残った時点で、もうそういう部分は問題にならなくなった。今期のラインナップと比較しても本作単体で読んでも、今回は「宿命」で間違いないだろう。(この票の参照用リンク)
全体的にとても好きです。話の流れも言い回しも。少し怖いけれど入りやすかったです。(この票の参照用リンク)
個人的には「風の惑星」のような未来ファンタジックな作品が好きです。ただ、今回の「宿命」はそれ以上に感じるものがありました。
最初の親子の会話では愛情や、片親が苦労しながらも信念を持って子育てをしている、そういう日常が描かれていて応援したいような仄かな気持ちになります。次には母親の行方については悲哀の様相さえ感じられ、そこから子供の危機の場面に移るまでは自然な流れ。しかし最後に母親の行方についての答えが明らかになるとともに、「半分溶けた」という異常な状況でありながらも「まだ間に合うよ」といって冒頭に描かれた日常と同じ世界へ立ち戻ってゆく。そういう、中盤までの流れと終盤の描き方がとてもいい、と感じました。
現実に母のいない親子がいたとして、母親についての意外な何かがわかったとしてもそれを受け入れて生き続けるしかない。そういう意味で「宿命」でもあるのかな。タイトルについてはそんな風に納得させられます。(この票の参照用リンク)
読みやすくて面白かった。ちょっと怖いけれど、話としては好きです。(この票の参照用リンク)
『宿命』父と娘の会話がなかなかよかった。たとえば「さっさと着替えないと遅れちゃうぞ」…「マナちゃん、保育園は何時にはじまるの?」あたり、男手一つで子育てをしている父親の雰囲気がよく出ていたように思う。予選で意味が通じなかったという感想もあった「助教授」云々は、すなわち妻が失踪したときには主人公は助教授であったのが、娘を育てるために講師に降格を願い出たということだろう。実際そういうことがありうるかどうかわからないが。
この作品が今一つ私の好みに合わなかった、というのは、いわゆるショートショートなる分野に対する無理解であろうか。結末がいかにも救いがないようで、父親が半分溶けた娘の頭にヘルメットをかぶせてそのまま保育園に行こうとする、というのも、動転しているのだと言われればそうかなと思ったが、何か大事なところをはぐらかしたように感じられたのであった。
『夏祭り』ぴちぴちした生きのいい文章がとにかくよかった。但しこのままでは優勝作とするには粗削りだろう。――予選通過以上の作品には、結果の出た事後に、校正程度の改稿は許されてもいいのではあるまいか。手続きは難しそうだが。――この作品の場合は無論、「沙織」という脈絡のない人名が突然出てくるのがあまりに惜しい。普通の文中の誤植とはわけが違い、人名の錯誤は、作品世界をつくる意識そのものを疑われてしまうと私は思う。
『風の惑星』完成度の高さは群を抜いている。前二作は、作者が楽しんで書いていることはよくわかるが、(これはこれで大切なことだ)この作品はそのうえ読者を楽しませようという精神があり、それを支える想像力や文章のたしかさがある。
ときに地球大使の娘の口走る「人権」云々で、今日のアメリカの手前勝手な横暴を連想してしまったのだが、それは作品世界には直接関係はなさそうで、深読みというものだろう。(海)(この票の参照用リンク)
3作を読み直してみましたが、予選通り「風の惑星」を推します。全体的な話として好みなのが1つ。あと一般受けするアイテムから読み物を作り出すセンスというのもあると思ったので。(この票の参照用リンク)
予選票の感想でも言われてましたが、千字では勿体無いような、しっかりした世界観ですね。
個人的には余り読まない類の物語ですが、質の高い完成度と言うか、格のようなものを感じ、一票投じることに致しました。(この票の参照用リンク)
こういうの好きっす。
1000字でも別世界を描けるんだねぇ。(この票の参照用リンク)
私が押してた「夏祭り」と「宿命」が両方残ったので、どっちにしようか迷いに迷ったけど、どっちがより好きかというとても単純な視点で考えた場合、「夏祭り」だったのでこちらに決定。ところで文中に沙織という人が出てきますが香里の間違いですよね?香里と思って読みましたが、大丈夫でしょうか?(この票の参照用リンク)
予選で押したのが通らなかった時はもうなしにしてしまおうと思ったのでなし。(この票の参照用リンク)
「風の惑星」は、口づけするラストがどうしても腑に落ちなくて、それと映像的な物語として読んだので、やっぱりラストは引きの画で終わって欲しかったなあという希望がありました。タイトルも「風の惑星」っていうくらいですし。
「宿命」は、「マナちゃん、急げばまだ間に合うよ」が面白くて仕方ないんだけど、そうすると、冒頭からシデハラが急げ急げとはやし立てて、その勢いで上の台詞を言いながらハーレーで疾走してゆくという話がよかったです。
「夏祭り」は、台詞を読み返しているうちに違和感が出て来て、会話の内容としては正解なんだけど、言葉の並びとしては不正解という気がしてしまいました。(この票の参照用リンク)
3つとも、優勝作品と呼ぶには躊躇いがある。巧いとは思う。読んで楽しくはなかった。
この中から作家になりそうな人はいない。桑袋さんは、2作目までは良かった。
あとのふたりは似たような文章を書き続けて終わるんじゃないだろうか。期待できない。
同時に、それでもなんとかしてほしいと思う。
えらそうなこと書いて済みません。(この票の参照用リンク)
あざとい作品ばかり残った印象。(この票の参照用リンク)
予選で推した作品がことごとく落ちてしまい、残っている作品は自分的にはツボらなかったものばかりだ。そのなかでも「風の惑星」は評判もいいし、世界観が面白いのは認めるけど、ラストが腑に落ちない。最後のせりふはかわいいけど、その前に少女が発したせりふに続くものとも思えなかった。私の読みがへたくそなのか。「宿命」は確かに不条理マンガのようで面白い。「夏祭り」のせりふの面白さは多少認めるけど、沙織ちゃんが唐突な感じ。香里ちゃんとのつながりがよくわからなかった。これも読みがへたくそなのかな?そうなるとスムーズに読めた「宿命」に票を投じるべきかと思うのだが、不条理な世界にせよ、きれいさっぱりと消えてしまったというのがちょっと物足りない。なんか微妙。よって今回は「なし」でお願いします。(この票の参照用リンク)