第233期予選時の投票状況です。7人より14票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
1 | あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる | テックスロー | 4 |
8 | いつか王子様が | euReka | 4 |
7 | カワイイヒト | わがまま娘 | 2 |
4 | ニキビ | 蘇泉 | 1 |
5 | 寄り道 | 朝飯抜太郎 | 1 |
- | なし | 2 |
嫌な話なのだけど、嫌な話であること自体がこの作品の価値だと思う。「自治会長」にクレームを入れるのは「夫人」。
ホームレスは「彼」。ステレオタイプの構図のなかに、「自治会長」の貧困からのプレハブ小屋、
夫人達が掃除機から撃ち出すのは万札、といった違和感でもって話が推し進められ、その違和感こそが作品の主軸となっている。(この票の参照用リンク)
映画のような、脳内に再生される映像の鮮やかさ。描写の分量・表現が読みやすく適切なのだろうと思う。
自分の世界に汚い(と感じるもの)を淹れたくないという人間の持つ普遍的な欲望が、1)その権利があると疑わない信念、2)行使するための力(金)、3)仲間、によりコミカルにエスカレートしていくのが2時間で終わる映画っぽさがある。貧困バスターズは、世界を札束で満たし、満足するのか、滅んでいくのか。ダイナミックな躍動を感じると共に、終末を感じさせるラストがいい。(この票の参照用リンク)
「この作品が何を描いたのか」その全容を掴むことは私には難しいが、仮説の形式でその一部でも捉える試みをしてみる。
(仮説0) 慈や善とは無縁の掃除に似た攻撃的な施し。
(仮説1) 富裕者が貧困者への慈善事業を行う心理の一側面。貧困に陥っている者の存在が、富裕者の心の平穏を脅かす。さらにいうと、富裕者にとってある種の貧困者は目障りなために、金でその目障りな貧困者問題を解決する。という指摘。
(仮説2) 金の暴力性と爽快感を前にして貧者はバトルさえできない。という指摘。
(仮説3) 【1】狭量で鼻持ちならない金持ちと、【2】卑しく目障りな貧者、の【3】対決、また【4】その当然の結果である金持ちの勝利。
仮説3の【1】【2】【3】【4】全て、私は見たくないと感じてしまう。そういう見苦しく感じるものを見せられた私の心は、この作品の冒頭の、プレハブ小屋を発見した高橋夫人の心に似ている。これも作者の意図の内かもしれない。(仮説4)
仮説3仮説4を経て、夢見がちな博愛主義者カテゴリに自分を置く。刺激を通して自分の立ち位置を認識していく読書体験ができたといえば、この作品の小説的性格は強いと言えるのかもしれない。
書かれていないことまで妄想で読みすぎていたらすみません。自信はありません。(この票の参照用リンク)
自意識を高く保つために、貧に転じた人に札束を叩きつける、すさまじいですね。貧者の経済状況の好転は金持ちにとっても利益あることなのですが、現実にはこのようなことはなかなか為されないのが残念です。(この票の参照用リンク)
「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」は、興味を持って最後まで読めたので、文章の魅力はあると思う。
しかし話の内容は、“貧困”を話のネタにしているだけに思えたので、もう少し深い考察が欲しいなと。(この票の参照用リンク)
振り返って、読み直して。
『主役が 何を どうする。』 < これが書いてない。
+++
分かりやすい短い。>魔界ストーリー 、、、では。
「のぞいてみよう」 < これだけである。
??? これでは、パンフレットを開いてのぞくのか?
あるいは、学校を訪問して覗くのか? よく判らない。
+
つまり、何をどうするのか。 まったく書いていない。
22222
>「プロット小説、マッチ売りの少女から」 <<ここでは、
なんか、大学の売り込みプレゼンティーションらしき会話。
〜では、あるが、学生募集。。。応募学生を増やすための、
会議で、誰それ、教授は熱弁をふるった。 とか、そして、嘲笑された。でも、 大いに熱狂して会議は大成功した、、、かも、
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と、言う事で、 何をしたかを書いていない。
33333
もうひとつ。>「 いつか王子様が」 <<こちらでも、
鉄棒を乗り越えた。 < 太ももを傷つけた。
カップラーメンを振舞った <お湯を沸かしたくらいで、、、
??? < カレーくらいは作れますよ。
+++
結局はっきりと、何をしたの書いていない。 どうも、
XXXX
〜それぞれ、 作者、執筆者が、、、文章の主役が、
何をどうするのか?
はっきり。動くことが、、、摑まえられて、いない?
+++
と、感じた。 書いていないだけだと、思いたいが、、、
自分の文章。小説は、、、
主役が、、、何をどうした。。。と、はっきり書こうと、決意した。
+++
蛇足
ペリーメイスンとか、車椅子の確か、、弁護士? で、
何もしなくても、主役である。。。けれど、
+++
しっかり、相談に来る人や遊びに来る人の前にいて、
説明している。 映像が何をしているのか、しっかり説明している。
+++
もし、何をしているのか姿も見えず、状況の再現シーンだけでは。
ドラマにならない。 最初に事務所の外観だけ映して、
再現ドラマ 〜ペリーメイスン。 、、、では、、、、むり。(この票の参照用リンク)
優しくて、かつ切ない、荒唐無稽な話。淡々としたところに味があると思います。(この票の参照用リンク)
王子様は幸せを運んでくれるものではないし、悩みを解決してくれるものでもないけれど、話を聞いてはくれる。実はそれって今の時代一番大切なことなのかもなと思った。疫病や戦争がタイムリーでとても示唆的だけど、実は伝えたいことはそこではなくて、じっと不安に耳を傾けることの大切さなのかなと思った。情報の消費じゃなく、消化が、王子様を王子様たらしめているのかとも思った。
主人公の最後のトンチンカンな受け答えはとても含蓄がある。自分の物語を自分の言葉で伝えることの大事さみたいなものを感じた。
個人的になんか今日は気分がすぐれずもやもやしていてたけど、この作品の感想を書いているうちに少しそれが晴れてきた。今日はこのまま眠れそう。王子様にありがとう。(この票の参照用リンク)
世俗から超越した存在として「王子様」というワードが効いている。別に王子様ではなくただの男でも、話の展開は全く破綻しないが、成立しないだろう。
あの肩のところが丸くなって縞々の服を着て、王冠をつけている、むかしの童話のような王子様を思い起こして読んだ。その姿には無害さと安心感がある。さらに作中では人の尊厳に対するリスペクトのようなものも感じる。
なので、「昔と変わらない王子様」を見て、安心して、子どもの頃のように泣いてしまう私に少しだけ共感できる気がする。
思わず少しだけ成長したことを自慢したくなる。王子さまは褒めてくれるだろうし、美味しく食べてくれるだろうし、多分自分自身とてもおいしいだろうという幸福の予感がある。(この票の参照用リンク)
少年がひと目見て王子さまと分かったと言うことは、そういう服装をしていたのでしょうね。少年に特別な印象をもたらした王子さまとの数年ぶりの邂逅、少年は少し大きくなり、できることも増えていました。状況は過酷でしたが、成長した自分を見せられた少年は嬉しかったことでしょうね。(この票の参照用リンク)
垢ぬけてない大学生の男の内輪のわちゃわちゃした感じが伝わってくる。
作者という意味ではないけれど、この文章を書いた人(テレパシー?)が、この大学生たちを、子供を見るような目線で見ていてカワイイヒトという題名にしたというメタな読み方を受信した。
いや、垢ぬけてない大学生は、実際そんないいものではないかもしれないですけど。(この票の参照用リンク)
ありがちとは言え、分かりやすい大学生の日常の一コマ、素敵な人には素早いアプローチがありがちで、仲間とだべっているようでは届かないものですね。「女には惚れるな、惚れさせろ」という車田正美の言葉は今も正しく輝き続けます。
『ウロボロスの尻尾』は、このタイトルをつけた意味が分かりませんでした。プロテーゼはタンパク質分解酵素 protease プロテアーゼではなく、美容整形で注入される物質名で、元々はオランダ語だそうです。この女性は歯も差し歯のようですね。美容整形はやり出すと際限が無くなると聞きます。どれだけやっても満足できなくなるとか。依存症の一種でしょう。それにこのパートナー(自称が俺の女性もいますし)が今後どう向き合っていくかを読んでみたかったですね。
他は…、今回は読みづらい残念な作品が多かったと感じました。(この票の参照用リンク)
シンプルに男女間のことは時間とともに気にならなくなるという話にも思えるけれども、
年を重ねるごとにいろいろなことに鈍感に生きていくことができるという、老人力に繋がる話のように思う。
鈍感に生きていける能力は幸いである。(この票の参照用リンク)
微妙で繊細な舞台設定を千字の中に形作れている気がする。
バイト代でミラーレス一眼を買うJKや、自主的に精神科へ直行するJKは、本当はちょっと嘘くさいのだが、怪異に対する冷静さや、会話やモノローグを通して重ねられるJKの心の健全性でうまくバランスをとっていて、このJKのキャラクタとして合意可能。
「JKの視界に入りたい」というささやかな願望。落ち武者のようなおじさんでありながら「嘘松確定」などのスラングを使う行為。うじうじした内面性。どれも絶妙に気持ち悪い。
千字を読み終えた時点で状況はわかるのだが、この誰も得してない状況を打破したいという願望が起こり、それが叶えられないまま終わるので、もやもやが残る。(この票の参照用リンク)