全投票一覧(日時順)
第212期予選時の投票状況です。8人より20票を頂きました。
2020年5月31日 13時38分28秒
- 推薦作品
- ポスト兵馬俑(きえたたかはし)
- 感想
- 収集癖らしき様子と手紙を出す行為のふたつの角度から男の姿を追うことができて面白い。
生きたポストは手元で並べた時点で死んでしまう。寄付された蔵書も同じでしょうか。
たった一冊の寄贈本が男と「私」とをつなぐ便りにもなっているのが心憎いと思いました。
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- 推薦作品
- ストライク! ストライク!! ストライク!!!(テックスロー)
- 感想
- 大傑作だと思います。ひとつひとつのカットはほぼ名詞が並ぶ静止画。けれども、
カメラが寄ったり引いたりしながら細かく動くにつれ、そのひとつひとつのコマが、
躍動感をもってつながり、緊張感を維持しつつ爆発的な終幕につながる。唸りました。
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- 推薦作品
- スマートタタリ(えぬじぃ)
- 感想
- 同じ事象を、辿った結果が積み重なった面倒な必然と見るか、オカルトと見るか。
前者であれば当人にはどうしようもないが、後者であれば精神的な逃げ場ができる。
コメディとも読めるけれども、編集長と一介のライターとの差異として読むのも面白い。
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2020年5月28日 19時17分6秒
- 推薦作品
- ポスト兵馬俑(きえたたかはし)
- 感想
- この方の作品は、センスやユーモアを感じで好き。
抗議文を投函した理由が、そんな可愛いものだったとは…。と寄付主のギャップにほっこりした。
随所に、いいなぁ、とツボな箇所が散りばめられてる。
ただ、最後寄付主を引っ越しさせなくても…と個人的には思った。大事なポストがなくなったからといって、引っ越しするかなぁと。(引っ越しのタイミングがたまたま取り壊しのタイミングだっただけなのかもしれないが)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 裏通りの目薬(しおん)
- 感想
- 状況説明が少し、たどたどしい感じがして若干読みづらさを感じるものの、お話の発想が面白い。
妹が目薬の呪いを解くすべを知っているのは、御都合主義に感じたけれど、1000文字で完結と考えればそうもなるのかな。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- スマートタタリ(えぬじぃ)
- 感想
- 安定しているので、安心して読める作品。
癇癪を起こしている主人公に言う編集長の最後の一言、いい味が出ている。すーっと後引く読後感。(そんなに怖くもないのに)
初見時、一番いいと思った作品だった。(この票の参照用リンク)
2020年5月15日 21時52分57秒
- 推薦作品
- スマートタタリ(えぬじぃ)
- 感想
- 調べたら祟りはどっちかっていうとバチが当たるとか、そういう意味で、呪いは人の怨念ということでした。どっちにしても、タタリとカタカナで書くことで、どちらの意味にもとれるようなアバウトさが出ていていいと思いました。「ケータイ」のような、言葉の使われ方。
呪いも祟りも、怨念も、広い意味ではストレスと解釈できる気がして、そうすると、SNSの怨嗟にも、絶え間ない小さなストレスと、その後ろにあるであろう人の、もしくは人の集合の暗い思いが感じられ、現代の呪いだなあと。数十年後には、炎上という言葉がエンジョー、として、新たな呪いの言葉になったりして。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ポスト兵馬俑(きえたたかはし)
- 感想
- ポストの林立するさまが兵馬俑に見えるというのは、確かにそうかもと思いました。この場合登場するのは、角ばったあのポストではなく、一昔前の丸形ポストであることが兵馬俑という言葉で一瞬で光景として浮かびます。(この票の参照用リンク)
2020年5月14日 21時15分7秒
- 推薦作品
- ストライク! ストライク!! ストライク!!!(テックスロー)
- 感想
- 野球経験者としてはピッチャーがサウスポーでない点が最後まで気にかかった。本作の設定を活かすならサウスポーの方が違和感は少なかったかなと思う。まあそれはそれとして、本作で描かれる世界はとても美しい。ピッチャーとランナーとバッター、三者三様の生き様が見事に描かれている。ピッチャーは2ストライクになったことでセットポジションをやめ、ワインドアップを選択する。ワインドアップは隙の多いモーションだが、敢えて選択したのはバッターを打ち取れる自信があったからだろう。
ランナーはそれを見てホームスチールを敢行する。バッターはフルスイングで応える。あるいは最初からランエンドヒットのサインが出ていたのかもしれない。最終的に血豆を潰してまで全力投球したピッチャーが勝利するのだが、そこに至るまでに一貫して描かれるのは三者の交錯する思考と思惑、ひとつの壮大なドラマだ。助詞を極力省いた文体に一箇所だけ比喩表現が入っていたりするのも面白い。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- スマートタタリ(えぬじぃ)
- 感想
- まずタイトルが良いなと思った。「祟り」と書くとおどろおどろしくて怖さを感じるけど、「タタリ」に表記を変えるだけでふわっとした軽やかさが出る。本作に出てくる幽霊もまさにそんな感じ。人に害なす存在であることは間違いないけど、どこか小物っぽくて憎めない。妙な愛敬がある。SNSへの悪口は幽霊が直接書き込んだのか、幽霊が人に取り憑いて書かせたのか分からないけどやっぱり小市民臭さが漂う。そこが良いと思う。(この票の参照用リンク)
2020年5月14日 8時14分48秒
- 推薦作品
- スマートタタリ(えぬじぃ)
- 感想
- 展開が上手いです。ホラーというよりも、この作品を読んで最近の情勢のことと重なりました。感染症よりバッシングなどする(悪意かどうかによらず、ですが)人間の方が恐ろしいということです。(この票の参照用リンク)
2020年5月13日 21時56分28秒
- 推薦作品
- 一歩手前(糸井翼)
- 感想
- わかりやすく、読後感がいい。
順調にいかない恋愛物は奇抜さこそないものの安心して読んでいられるのもいい。
心も揺り動かされてばかりだと疲れてしまうのだ。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ポスト兵馬俑(きえたたかはし)
- 感想
- この老人の気持ちはまったくわからないのだが、わかりたいと興味を抱かせるキャラ造形がよかった。
兵馬俑のようだというのだから、やはり円筒形の丸形鉄製ポストなんだろうか。最近見ないので懐かしい。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 風待ち鷄(ゼス崩壊)
- 感想
- ゼス崩壊さんの描写する文章はなぜか現実の生々しさではなくキャンバスに筆を走らせたような綺麗さを感じて好きだ。逆に言えば世離れているという批判にもなりかねないが少なくとも自分は好きだ。
この作品も関東のどこかではなく、想像上の美しいヨーロッパの話のように思える。
ところで鳥が好きなのだろうか。愛が伝わってくる気がする。(この票の参照用リンク)
2020年5月13日 12時42分53秒
- 推薦作品
- ストライク! ストライク!! ストライク!!!(テックスロー)
- 感想
- 一見して読みにくく、読むのをやめようかと思いつつも頑張って読んでみたらあら不思議、夏の野球大会の一場面がこんな風に描けるなんて思ってもみませんでした。ちょくちょく謎の単語が挟まるのがシュールさを増して良いですね。肉刺が”まめ”であるのは知りませんでした。ホームスチール、恰好いいですね。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 一歩手前(糸井翼)
- 感想
- 内容的にはありきたりですが、今回の作品では一番登場人物の心情が美しく描かれていたと思います。「このままでいちゃいけないのかな?」って思う時点で後悔先に立たずなのですが、踏み切れないのならそれは本当の恋ではないのも事実で、その間の心の揺れ動きが青春だなぁって思います。(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ポスト兵馬俑(きえたたかはし)
- 感想
- 身につまされる気がしました。人間らしいなぁって思いました。
『初恋』は前作『永遠の絆』の違う視点の物語でしょうか?美しい物語とは思いますが、状況が把握し切れなかったのが残念です。
『風待ち鶏』も情景が美しく描かれていますが、雰囲気先行で状況が理解し切れないのが残念でした。
『裏通りの目薬』は提示したい筋は理解できましたが、最初と最後がちぐはぐに感じました。
『スマートタタリ』はホラーとして、完成度では今回一番だったのかもしれませんが、現在の世間の状況の中、できるだけ明るくしようという意気込みが感じられる作品群の中で、ちょっと違和感を覚えてしまいました。選ばなかった理由がそんなのでごめんなさい。(この票の参照用リンク)
編集:短編 / 管理者連絡先: webmaster@tanpen.jp