第146期決勝時の投票状況です。15票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
4 | 才能 | 海見みみみ | 5 |
16 | ほんうたい | 常葉 コウ | 4 |
7 | 魚符の吏 | 吉川楡井 | 3 |
2 | 同窓会 | ちゅん | 1 |
- | なし | 2 |
シチュエーションがおもしろい。実際、近い事も世間ではおきているのではないか(この票の参照用リンク)
最後のオチがよかったです。(この票の参照用リンク)
ラストで掴まれましたwくすっと笑ってしまうオチが良いですw(この票の参照用リンク)
僕にも覚えがあります・・・
どちらの立場かは秘密です(笑)(この票の参照用リンク)
小説などあまり読まない素人の意見ですが、短い物語での起承転結のリズムの良さを感じました。また、文字には起こされていない二人の感情までも手に取るように伝わってきました。最後には「なるほど、そうきたか。」と思わされる作品でした。(この票の参照用リンク)
「ほんうたい」というアイデアと、ひらがなの使い方などの、文章のやわらかさがよかったです。うまく肩の力が抜けたもので(そう感じるだけかもしれませんが)こちらも楽な気持ちで読めました。(この票の参照用リンク)
本への愛情があふれるような温かさがやはり好きです。
予選と同じくこの作品に投票いたします。(この票の参照用リンク)
海見みみみ「才能」
友人を裏切るマンガ家の話。
プロのマンガ家さんは感動して気持ちがたかぶると嘔吐が止まらなくなる。
その口がさかしげに批判しているのは皮肉が効いている。
ちゅん「同窓会」
お墓参りの話。
お相手さんめっちゃいい人ぽい。「俺」もマジメな人っぽい。
序盤の「大学には行かなかったんだっけ?」とか「彼氏はできた?」が痛々しい。
お相手さんは「今も好き」と言われて喜ぶのだろうか怒るのだろうかどっちかなー、と思う。
吉川楡井「魚符の吏」
「生き死にの母ぞ乾屍」は読めなかったです、困ったことに。
骸骨魚は、もうその存在が、めっちゃ面白いです。読んでいて楽しかった!
「水が湧いて乾いて固まり、世にも見事な黄金と化したのである」も、ほんとうにはありえない光景なのに、即座にイメージできました。
常葉コウ「ほんうたい」
これは好きです。これに投票します。
だって、本が愛されていることをわかって歌ってくれるんだよ! 最高じゃん!
これは勝手な感想かもですが、ますむらひろしの漫画、アタゴオルシリーズを読んでいて思いだしました。
「ほんうたい」も浮遊するような世界観を形づくっていて好物です。
/ tochork(この票の参照用リンク)
とっても迷いましたがこちらに一票。発想が素敵です。きらきらしてる雰囲気があって、不思議な世界観で優しい文章だと思います。(この票の参照用リンク)
#4 才能
読みやすいという点は評価できる。しかし「タイチの漫画」の素晴らしさが全く伝わってこなかったし、ストーリーに工夫が欲しい。
#2 同窓会
どうやって現実を受け入れるか、という表現に徹したことは理解できる。しかし、物語の核心に至るまでの前置き部分に、もう少し工夫があったほうがいいと思う。核心部分にたどり着く前に飽きられる可能性がある。
#7 魚符の吏
読むのに苦労した。これを書くには相当なエネルギーが必要だろう。そう考えると、自分の書いた薄っぺらい小説が恥ずかしく思えてくる。しかし、読む者を選ぶ小説というのは、あまり好きになれない。
#16 ほんうたい
文体が整っていて、雰囲気を作るのがうまいと思うし、話の展開も悪くない。しかし、随所に見られる古風な言葉が鼻につく。好みの文体を表現するための小説という感じがする。
(euReka)(この票の参照用リンク)
#2 同窓会
感傷とか情感溢れる言葉を一人称で語る場合、より強く読者を意識しないと難しい。共感できないと話に全く入っていけません。あとは価値観の問題ですが、私は軽薄だなって思いました。
#4 才能
こういう、作中作の内容隠して素晴らしいみたいな話を読むと、じゃあそれを書いてよって思います。はぐらかされた感。吐き気を催させなくてもいいから、せめて単体で自信を持って読ませられるものを出してほしい。
#7 魚符の吏
濃い。立ち上がってくる世界が細部まで作り込まれていて、引きこまれました。ちゃっかり利を得てるのも面白い。一点、「掘削機さながら」の比喩でドリル的なあれを想像してしまったのですが、時代的には違うのかな、とか些細なことが気になりました。今期はこちらに。
#16 ほんうたい
全体の雰囲気とイメージが良い。ひらがなの使い方とか特徴的だと思います。予選でも票を入れようか悩みましたが、きれいにまとまりすぎてて、ちょっと印象が弱かった。(この票の参照用リンク)
「才能」
つんとした人が人知れず号泣するのは好き。
「同窓会」
現実にこんな男がいたら深酒に付き合ってみたい。
「魚符の吏」
タイトルからイメージを膨らませたのだろうか?
むつかしそうな文章だけど、読んでみたら奇妙な展開になじむ文体、そこから見える世界観に強くひかれた。
架空の歴史的背景とかくどくど説明されるのかと思いきや、クリアに話が進んだのも好印象だった。
「ほんうたい」
ほんわかした雰囲気。こういう空想はあんまりしないなあ。(この票の参照用リンク)
#2同窓会
新たな一歩を踏み出し切れていない所と「俺、大人になるよ」が符合していました。「元気そうだね」なんておセンチな事を言ってしまうのもそう。三点リーダーは二連にして欲しいです。モノローグはポエムになりがちです。
#4才能
落ちていないんじゃないかしら。タイチが夢を失ったようには見えませんでした。プロの漫画家らしい感想でもないし。最後の行で名乗らなくても良いですよね。千文字を意識すると良いように思います。最後の一行はライトノベルの書き出しみたいで力が抜けます。
#7魚符の吏
駄洒落じゃん。道士は太公望でしょうか。不明瞭なまま最後まで読めてしまいました。特に残るものはありませんでした。
#16ほんうたい
すごく良かった。いつかパクりたいです。 とは言え、一番を決める投票には弱い。
書き忘れた感想もここに記します。
#11まりこ
文章が上手いから最後まで読めてしまうけど、これって随想じゃないかなあ。
#17黒い雨
もうちょい書き込めばポエムの域を出そうです。(この票の参照用リンク)
優勝に推したい作品がなかったのでなしです。
2 同窓会 ちゅん
「俺、大人になるよ。」って最後に代表されていると思うのだけど、全体的に広告のコピーみたいでつまらない。我々のいる社会はこんなシンプルにできていたかなって。そもそも好きだった人の死を受け入れることが大人になるってことだろうかと。
4 才能 海見みみみ
作り込みが甘いと思う。そんなすっごい才能もった人が、こんな器のちっさい人に潰されるかなって。「俺」さん、危機感持ってるなら原稿燃やすかパクらないとって。
映画のアマデウスを思い出しました。
7 魚符の吏 吉川楡井
作り込みがすごいなーって思って票を入れようか迷ったのですが、どうもこういう小説世界自体になじめない、ということで投票できませんでした。なんか、読後に何も残らないのね。読んでいる間は読み込むんだけど。
16 ほんうたい 常葉 コウ
これもなじめない感じ。本をそういう風に捉えているんだと。もっとまがまがしいものだと思っていました。本屋に行くとめまいがするし。
あと言葉に対する感覚の違いかもしれないけど、「深い黄昏に濡れて」の後に「鬼灯色の夕陽」が来るのにもなじめなかった。「深い黄昏に濡れて」はしっとりしているのに、「鬼灯色の夕陽」なんて強烈な色彩がくるとびっくりする。(この票の参照用リンク)
才能:
タイチとマモルのどちらがこの小説の本当の主人公なのであろうか。
自分の才能が認められないタイチの被害妄想としての小説であるのか、ライバルとなるような存在を握りつぶした漫画家の話なのか。どっちでも読めて面白い。
同窓会:
墓に主人公が話しかけているだけなのに、書かれていない主人公の気持ちが、伝わってくる。
最後の「俺、大人になるよ。」がやはり好き。この作品に決勝の1票を。
漁符の吏:
この作品も捨てがたいのだけれど、他の作品に票を入れます。
予選時の読後に感じた驚きや新鮮味が、改めて読んだらあまり起こらなかった、というのが決勝票を入れなかった理由。この作品は、初読時のインパクトが大きい分、予選→決勝という過程を経ての投票だと、再読された時に不利かなと。
ほんうたい:
登場人物が多すぎるのではないかと思った。本(達)だけしか登場しない、若しくは、本とその持ち主だけの2人だけが登場するならわかるのですが、広場に人も本もひしめき合っているような感じを受けてしまい、静かに、本の歌声を聞けるようなイメージができませんでした。周りの人の本の歌声が耳障りで、自分の本の歌を聴くことに集中できなさそうだな、と。(この票の参照用リンク)