第82期決勝時の投票状況です。12票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
40 | 夏休み | 多崎籤 | 5 |
38 | 砂漠と雨の日 | euReka | 4 |
7 | 木戸中尉の決断 | えぬじぃ | 1 |
- | なし | 2 |
下手するとこの作品にしか票入んなかったりして、等と思いつつ投票。
日常からかけ離れた話は評価されることはあっても好きにはなって貰えないのかもしれません。
そう考えた場合、この作品はあとの二つに比べて実に身近な話ですね。(この票の参照用リンク)
砂漠と雨の日
穏当すぎて俎上に載せられません。
木戸中尉の決断
三式戦闘機について調べただけで頭を使うことをやめてしまったといったところでしょうか。
夏休み
いいスケッチ。(この票の参照用リンク)
いろいろあった今期だったけれど、最後を飾っているのがこの作品だというところはポイント高いですね。
特に妹がいる人ならわかると思いますが、過去の兄弟姉妹ネタの作品と比べても、これは出色の出来でしょう。
悔しいけれど、連続優勝もあると思います!(この票の参照用リンク)
今期参加作品の中で、一番レベルが高く、一番挑戦的で、一番魅力のある小説だと思います。(euReka)(この票の参照用リンク)
『砂漠と雨の日』は推したくなるほど好きにはなれず、『木戸中尉の決断』は私にとって許すべからざるもので、甘くてちょっと甘すぎるだろうかしかしぎりぎりおいしく食せるのだろうかといった『夏休み』に投票することと相成った。(黒田皐月)(この票の参照用リンク)
『夏休み』
せっかくこういうのが書けるんだから、個人的には前半部だけ書いてれば良いんじゃないかと思う。時間を飛ばして後半部が入ることによって、紋切り型の感傷っぽさが漂ってしまっていて、興ざめする。また、「私はそんな兄との時間がとても好きだった。」とか「当時の私に」とか、浮いてしまっていてツメが甘い文がひっかかった。
『木戸中尉の決断』
文章は非常に安定感があって精緻だが、いまいち魅せ所もなく、原爆という威をかりているだけのように見えてしまう感がある。よくできているとは思うが、優勝のラインで見ると弱いか。
『砂漠と雨の日』
ということで予選も推したこの作品に投票。ある意味必然的な最後のセリフだが、そこに向かうまでの散らし方というか、色々な要素の配置がうまい。(この票の参照用リンク)
今期の中で優勝していいのはこの作品しかないと思う。(この票の参照用リンク)
毛色の違う三作ですが、特に魅力を感じない。
かといって「なし」を選ぶ理由もない。
強いていえば、他二作に比べてマイナス要因が少なかったので。(この票の参照用リンク)
ファンタジーとしての完成度が高い。(この票の参照用リンク)
1000字で収まった葛藤(この票の参照用リンク)
1.I DONT SLEEP.IDREM
TWENTY THOUSAND MILES ENA OASIS
BY R.E.M.
2.星新一を8.6にやられてムカムカ。
3.おしい。だがどこの兄妹、イフェソンのパンチョッパリでもある話。 (この票の参照用リンク)
決勝に残らなかった作品のなかに今期の優勝に相応しい作品がありましたので、決勝投票は推薦作品なしでお願いします。
三作品のなかでは感想を記した順番が順位です。
・砂漠と雨の日
発想は面白いです。決勝に残ったなかでは一番良かったです。
しかし前半部分。砂漠に迷い、水なしで三日も炎天下に晒されているというのに緊迫感がまるでない。読ませる努力を怠っている。
幻にむかい「夢から醒めるといいね」と置かれると、着地点が見出せなくなる。
文面を素直に解釈すると「幻が夢を見ている?」
ちょっと想像すると「どこかで本体が夢を見ているから幻が現れた」しかしそこまで書いてないので繋がらない。
結果どうなるのか「幻が目覚めるとは、それは幻の死を意味する。なのに醒めるといいねと言われると、これまでの遣り取りで培ったキャラのひととなりに対し整合性が崩れる」
一行で切り返すには裏が重すぎる。何某かの誘導があれば切れ味を伴った爽快感も味わえるだろうが、投げっぱなしにされ不満が募る。
どう読ませるべきか。読者観点からの推敲が欲しい。
・夏休み
きっちりと書き込んである点に好感が持てました。情景的なものが良く表現されています。
これだけ書けるのなら、どうしてケータイ小説風にする必要があったのか疑問に思います。
エロ風味な一人称の、頭の弱さ加減を演出することで際立たせようとしたのでしょうか。頭悪いとエロを結びつけると、エロ可愛いで萌えとなるのでしょうか。それなら三人称を選択し、更なる情景を読ませきって欲しかったです。このままでは安っぽさが前面に押し出されるだけでもったいないです。
しかし……ウケるためには媚びることも必要なのかもしれませんね。事実、ウケるツボを心得てらっしゃる。
・木戸中尉の決断
この時期にこのネタに着手したことは賞賛に値します。しかし……このどうしようもなさはどうしようもないですね。まず帝国陸軍では敵前逃亡は銃殺です。そして士官、しかも歴戦のつわものとなると、これまでに多数の戦友を亡くしてきたはずです。墜せるときに墜す。さもなくば、いずれ自らの血で償うことになるのだから。また大戦末期のパイロットに感傷の入り込む余地はありません。しかも爆撃機の下に晒された自国民に対してではなく敵機のパイロットにとは……まるで少女マンガです。
ってことでミリタリーものを扱うときは気をつけましょう。(この票の参照用リンク)